暑さ凌ぎ



2012年8月19日(日)

近くの神社の森で、今朝も蝉がすごく鳴いている。
蝉しぐれ、という感じだ。
まだ早朝と言うのに、すでに大合唱である。
一日の暑さを予感させる大音量だ。

ひぐらし、つくつくぼうし、は初秋の季語。
でも、この合唱に入っているのかしら。
主旋律は、ミーンミーンと言っている。
というか、ミーンミーンしか聞こえない。
蝉の世界は、まだまだ真夏だ。

秋の季語を調べてみたら、「カマドウマ」という虫があった。
カマドウマ?
どこかのサッカー選手みたいな名前だ。
調べてみると、オカマコオロギとも呼ばれているらしい。
南米チックなオカマのコオロギ。
どんなコオロギだ。

名前の由来は、馬に似ていることと、竈の近くに生息していることからだそうだ。
だから、漢字で書くと「竈馬」。
こう書けば、サッカー選手もオカマちゃんも連想しない。
なかなか男気のある、凛々しい感じがする。
「日本の夜明けは近いぜよ」と、
竈の下からゴソゴソ這い出て来てもおかしくない。

さらに秋の季語。
食べ物になると、鰯、秋刀魚、枝豆、オクラ、
カボチャにスイカ、トウモロコシに桃。
今が最盛期、といったものがずらりと並ぶ。
緑や黄色やピンク。
色鮮やかで、食べ物からエネルギーを貰えそうな気がする。
七輪で秋刀魚を焼いて食べたら、どんなに旨かろう。
でも東京の住宅密集地で、こんなことしたら、
必ず近所の顰蹙を買う。
家じゅうに秋刀魚の匂いが付いて、大変なことになる。
七輪サンマは、将来の夢として取っておこう。

植物だと、萩、すすき、なでしこ、女郎花、藤袴、桔梗、
菊、コスモス、りんどう、曼珠沙華など。
こちらも、色とりどり。
でも、全体的にぐっと渋い色合いになる。
むかーし、いけ花を習っていたころ、
春の草花は全体的に背が低く力を秘め、
夏になると全部の背がわぁーっと伸びて勢いに満ち、
秋の草花は高い低いが両方あって、風に身を任せて揺れる。
そんな風情を表しなさい、と教えられた気がする。
それがまたむずかしい。
いろいろ触って、抜いて切ってまた差して。
出来上がりは、風がぴったと止んだ、乾いたあぜ道、になる。

こうやって秋の季語を探っていると、
様々な情景が浮かび、まるで自然の中で涼風を感じている気がする。
が、我に返ると、
ミンミンゼミがさっきよりボリュームアップで鳴いている。
「ミーンミーン、ミーンミーン、ミーンミーン、ミーンミーン、、、」

今日も暑くなりそうだ。







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