2019秋 うかしガーゼストール Ⅳ



2019年9月30日(月)

(前の記事より続く)

猛暑、酷暑、もうそんな言葉では言い足らない。
そんな高温が当たり前になった日本の夏。

それを越した人々の弱った体と心を優しく包みたい。
そんな思いで選んだ、今年の秋冬のストールの色は、

『アイビーグレー』


アイビーグレーは、
暗めの少し緑がかったグレー。
少しカーキ色に寄っています。





お持ちのコンピュータやスマホ、
携帯の画面では分かりにくいかもしれませんが、
一般によく目にするグレーと比較すると、
違いが分かっていただけると思います。


濃く落ち着いた色ですが、
冷たさはなく、
ほっこりした温かみが感じられる色になりました。


そして、もう一色は『ネイビーブルー』


甘くならないよう、
赤味を抑え渋めを目指しました。






いかがでしょうか。
どちらも、男性女性問わず、巻いていただけると思います。

*******

今回濃い色を染めて、よくわかったことがあります。
それは、繊維の違いで染まり方に差があるということです。

下の写真を見てください。
    左:ウール+シルク  右:カシミヤ+シルク

    左:ウール+シルク  右:カシミヤ+シルク

どちらも、混ぜてあるシルクの質と量は同じです。
左の「ウール+シルク」の方が少し濃いのがわかるでしょうか。

これは、ウールの方がカシミヤより色を吸収しやすいからなんです。
【うかしガーゼストール】はたて糸に左側の「ウール+シルク」
よこ糸に右側の「カシミヤ+シルク」を使っています。
織るときは、染めていない真っ白い糸を使って織り、
布に織りあげてから染めます。

染めるときに染液の温度を徐々に上げるのですが、
ウールの方が低い温度で染まり始めます。
特にこのウールは『防縮ウール』という特別なウールを使っているので、
通常よりより染着しやすいのです。

カシミヤが染まり始めるときには染料の色素はウールに取られていて、
かなり少なくなっています。
カシミヤは言わば ”出遅れている” ということなんですね。

染めあがった布、
特にネイビーブルーが分かりやすいのですが、
光によって濃く見えたり薄く見えたりします。
たて・よこの糸の色が微妙に違うからなんです。



そんなわけで、3つの繊維を使っていることで、
このストールは色に微妙な差が生まれ、
自然素材の暖かさが感じられます。

*******

全部で5色となった【うかしガーゼストール】


サイズは各色ともL、S、Miniと3サイズ揃っています。
もちろん、秋や冬に明るい色を身に着けるのもお勧めです。
お好きな色、サイズで
これから吹く冷たい風から体と心を守ってください。

各色、各サイズの詳細は、下のリンクをクリックしてご覧ください。

  アイビーグレー
   ・L   ・S   ・Mini 

  ネイビーブルー
   ・L   ・S   ・Mini 

  ライラックピンク
   ・L   ・S   ・Mini 

  パステルブルー
   ・L   ・S   ・Mini 

  サンドベージュ
   ・L   ・S   ・Mini 

皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。

harukii
髙橋裕子


2017春 うかしガーゼストール Ⅰ

2017春 うかしガーゼストール Ⅱ

2019秋 うかしガーゼストール Ⅲ

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2019秋 うかしガーゼストール Ⅲ



2019年9月30日(月)

harukiiの製品は、
どちらかと言うと、シンプルなデザインが多い。
あくまでも人や装いの引き立て役というか。
暖かいか、軽いか、肌触りが良いか、という
機能面重視である。

その中でも、2017年春から発売を開始した【うかしガーゼストール】は、
平織で無地という、この上なくシンプルなストールである。

その開発意図については、ぜひ当時のブログを読んでいただきたい。

2017春 うかしガーゼストール Ⅰ
2017春 うかしガーゼストール Ⅱ

発売以来その肌触り、使い心地にご好評を頂いており、
シンプルなため、贈り物としてのご用命も多い。
とても嬉しく思っている。
これまでご購入いただきました皆様、
誠に有難うございました。

2年前は春に発売したので、明るい柔らかな色だけで揃えた。
そうなると、秋冬ものが欲しくなってくる。
というより、なければならないとずっと思っていた。
日本人は季節感に敏感だ。
秋には秋らしい色、春には春らしい色を身に着ける人がほとんどである。
せっかく軽くてとても暖かいストールなのだから、
ストール本来の出番、寒さが募る時季にぜひ使っていただきたい。

そこで、今年は秋冬に身に付けたくなる色、
それも基本中の基本、
グレーとネイビーを染めることにした。
【うかし】はharukiiの定番商品なのだから、
定番色は抑えておくべきだろう。

しかし、グレーとネイビーと言っても
千差万別、様々な色味がある。
薄さ、濃さ。
赤味、青味、黄色味。

例えば、グレー。


これすべてがグレーである。
この中のどれを取るか。
いや、この中からだけじゃない。
白と黒の間に存在する無限の色すべてが候補となる。
どのように絞り込んでいくか。
どんなグレーにしたいのか。

そこで、今年の春、年号が変わる少し前だった。
目をつぶって(だったかどうか忘れたが)
イメージをしてみた。
酷暑が予想されるこの夏を過ぎたころ、
人はどんなグレーを必要としているだろう。

それは、9月か。
もしかすると10月。
いやひどい残暑が続いて、11月ごろになるかもしれない。
以前もそんなことがあった。

夏の暑さにぐったりと参った体に、
急に冷たい風が忍び寄る。
そして坂道を転げ落ちるように、
気温はグングン下がっていく。
寝冷えした。
のどが痛い。
体がだるくて重い。
風邪を引いのかもしれない。
そんな時、大人はどんなグレーで体を守りたいと思うだろう。

たとえばネイビー。
夏の間、猛暑であまり外に出たくなかった。
すずしい秋になったら読書、旅行、コンサート、と
楽しいことをいっぱいしたいと考えていた。
なのに、なのに、この残暑。
最近は「秋バテ」などと言うではないか。
体力が回復しないうちに、
仕事でとんでもなく忙しくなってきた。
家族も体調崩していて、あてにはならない。
この重い体をむりやり起こして、
さあ、出かけなければ。
そんな時、大人はどんなネイビーで身を守りたいと思うだろう。

いつもの夢想癖が役に立っているのか邪魔をしているのかわからないが、
近年の猛烈な暑さを考えると、
どうしても秋には元気のない人々の後ろ姿が思い浮かんできてしまう。
それに、消費税も10%になりそうだし。。。
はぁ。

ということで、新色のテーマは
「弱っている人いらっしゃ~い❢」なんちゃって。
でも、そういうことだ。

実際に選んだ色は、次の記事で。 >>>


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髙橋裕子



2017春 うかしガーゼストール Ⅰ

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