今年のテーマ



2013年1月31日(木)

占いなどに詳しい友人が
以前ツイッターで、毎日その日が誕生日の人の性格を
つぶやいてくれていた。

私の誕生日が近づくにつれ
「どんな性格だと言われるのだろうか」と、楽しみにしていた。
そして、当日のつぶやきにあったのが
『頑固者』という言葉。

えー???
私、頑固者じゃない。
違う違う、私は柔軟に物事に対処する、融通の利く女。

と、思っていたのは、私だけだった。
周りに「私頑固者って言われたけど、、、」と訴えると、
みな不思議な顔をした。
「それのどこが違うの?」という顔だ。

その日から、私は「ワタシハガンコモノ」と自分に言い聞かせた。
なぜなら、頑固者になりたくないからだ。
頑固者じゃない、と言い張って、頑固な女になりたくない。
いや、もうすでに頑固な女なのだろうが、
これからの人生は、少しでも柔軟になりたい。
そこで、私はすぐさま『頑固者』を認める努力をした。

認める努力といっても、大したことはない。
ただ、折りに付け、「あぁ、こういうところが頑固なんだな」と
積極的に気付くようにしたのだ。
否、気付くというより、やはり自分に言い聞かせているのだ。
「頑固かどうかわからないけど、どうもこういうのを頑固と言うらしい」と。


少し話は逸れるが、最近気になる言葉がある。
気に障る、と言ってもいい。
「拘り(こだわり)」という言葉だ。

むかしむかし、私がこの言葉を知り始めたぐらいの
幼い子供だったころ、
「拘る」ということは、良くないことだった。
・過去に拘る。
・容姿に拘る。
・条件に拘る。
・形式に拘る。

「拘る」ということは、必要以上に気にするあまり、
先に進めない、本質を見誤る、といったイメージがあった。
「拘泥する」なんて、泥沼にはまって身動きが取れないような感じだ。

それが、いつのころからか、
拘ることが良い意味に使われ出した。

・味に拘る。
・材料に拘る。

「凝る」のとは少し違って、もっとしつこいような気がする。
そのしつこく追及する姿勢が、高く評価されている。
商品やサービスの差別化をアピールするのに、
「○○にこだわっています」とよく使われるようになった。
使われ過ぎるぐらい、使われている

でも、昔通りに受け取れば、
「○○にこだわっているので、どうしてもこの味から抜けられません。
新しい開発ができません」と言っているようなものだ。
そして、「○○に拘る」という表現では、
○○の何にどのように取り組んでいるのかが、非常に曖昧である。

仮に「味にこだわる」を「しつこく追及する」で言い換えると、
「味をしつこく追及しています」となる。
こちらの方が、私にはずっと好ましい。
好ましいが、意味が曖昧だ。
味の何をしつこく追及しているかを発表する必要が出てくる。
「上品な味になるよう、しつこく追及しています。」
「コクと旨味のある味を、しつこく追及してます。」
これなら具体的で、すっきりと潔い。
非常に好ましい。

「拘っています」は便利だが、ものごとを曖昧にする。
「拘っている」といえば、なぜか人の心を掴んだような気になる。

「拘る」は使い手を甘やかす言葉だ。


私は頑固者だ。
それは、harukiiを始めて、いろいろなことを決めなければならないとき、
随所随所で浮き上がってきた。
「どうしてもこうありたい。こうあらねばならぬ。」
「諦められない。譲歩できない。」
そう言った気持ちになってしまうのだ。

これを「頑固」と呼ぶ。
そして「拘り」と呼ぶ。
この拘りは、元の意味の方だ。
「必要以上に気にするあまり、先に進めない」方の拘りだ。

今年は、このことを気にしてみよう。
「今譲れない、と思っていること、本当にそんなに大事なの?」
「それにかかわっているより、ここは流して次に進んでみても、
大勢に影響がないのでは?」
こういうふうに、何かに拘泥し始めたら、
俯瞰して自分に問いかけてみよう。

そして、何かに拘る(良い意味で)なら、
その何にどのように拘るか、具体的にしていこう。

今年のテーマ、目標が、なかなか決められなかったが、
今決めた。
「拘らない。追求する。そして、時に俯瞰して流す。」



あーーーーっっっ!
見つけてしまった。
harukiiのページに、「こだわります」という表現を。
about(harukiiについて)のページで、
私は堂々と使っている。

  harukiiは肌に気持ち良く巻いて頂ける商品を作っています。
  そのために、原料や糸、織り方、編み方にこだわり
  柔らかい風合いづくりを目指しています。

これは直ちになおさなくちゃ。

業務連絡です。
竹内さん。
上の文章を、次のように変更して下さい。

  harukiiは肌に気持ち良く巻いて頂ける商品を作っています。
  そのために、原料や糸を吟味し、織り方、編み方に工夫を凝らし、
  柔らかい風合いづくりを目指しています。



「こだわり! おだまりっ!」


今年、私はうまく頑固者を返上できるだろうか。



編集後記

うーん。
この文章、読み返して見たら、
明らかに拘り屋で頑固者の文章だ。





ギフト・ショー 招待状



2013年1月30日(水)

ギフトショーへおいでの予定のバイヤー様へ

ギフト・ショーの招待状が、弊社にも若干余裕がございます。
ご希望の方は、こちらのお問合せフォームにて
お申し込みくださいませ。

   >>>

お問合せ内容の欄に『・ギフト・ショー招待状希望』とご記入の上、
バイヤー様の

・郵便番号
・ご住所
・御社名
・部署名
・必要枚数

をお書き添えください。

招待状は封筒の形をとっており、
一枚でご入場できるのはお一人様となっております。

何卒宜しくお願い申し上げます。

株式会社はる希
髙橋裕子



3人が織りなす trois temps marché (トロワ・トン・マルシェ)



2013年1月29日(火)

友人の楢嵜ふみさんが参加している
『trois temps marché』(トロワ・トン・マルシェ)という展示会を見てきた。

東京・南青山にあるスパイラルというビルの一階。
期間限定のショップがある。

今回は三人のクリエーターがそれぞれの作品を展示販売している。

・藤野充彦さん(trois temps: 手織りの生地によるバッグ&ストール)
・眞砂絵里子さん(eclectic: 手作りアクセサリー)
・楢嵜ふみさん(fumi narasaki: 手捺染ストール、ラグ)

青山通りに面しているそのショップは、全面ガラス張りで、
中の様子が一目で見える。
『trois temps marché』は、もうすっかり春だった。
そこで蝶々が舞い、花々が咲き乱れている、
そんな感覚に陥る空間だった。
満面の笑みで三人に迎えられて、私はドアを押した。

藤野さんの作品は、すべて手織りの生地づくりから始まる。
とても丁寧に織った生地は、それは端正な顔立ちだ。
平織と綾織の組み合わせ、という、仕組みからすればとても単純な柄作りだが、
その単純な仕組みからあらゆるバリエーションが生まれる。
そのバリエーションの組み合わせ方、切り取り方が
藤野さんのオリジナリティだ。
機械織りでは絶対に出ない柔らかさ、温かさが、
生地の表情から伝わってくる。
藤野さんはその生地を、奈良の職人さんに委ねて、
バッグにしている。

 【trois temps】のサイトはこちら >>>
オンラインショップもあります。

眞砂さんのアクセサリーは、一言でいうと
とても繊細。
幼児から少女に変るときの
柔らかさと恥じらい、そして戸惑い。
そんなものをすべて持っている。
少女が宝物を
特別な箱の中にしまって、
それをまた引出の奥にしまって
時々開いてうっとりする。
そんな可愛らしい光景が思い浮かぶようなアクセサリーたちだ。
眞砂さんは、そんな少女たちのために
箱もつくっている。
ひとつひとつ手書きで柄を書いているそうだ。
それがまた可愛らしい。
少女のこころを失くさない女性なら、きっと欲しくなるに違いない。

【eclectic】のサイトはこちら >>>
東京・目白にお店もあります。


そして楢崎さんの作品。
彼女の色使いは、もう天才。
いつも新作を見て、ほれぼれする。
特徴は多色づかいと、その透明感。
多くの色を使っているのに、それが心地よい。
いろいろな色がお互いに影響しているのに、爽やか。
これはもうみごと。
きっと、彼女の自由な心が
彼女の感性を開かせているのだ。
作品を見ると、彼女がもう楽しんじゃっているのが
ストレートに伝わってくる。


楢崎さんのサイトはこちら。>>>


春の蝶々に誘われて入った『trois temps marché』という展示会。
そう大きくはない空間に、多くの商品が並び、
そして三人の作家がそこにいる。
表現する作家が三人もいて、その表現した作品が並んでいる空間で
普通なら疲れ切ってしまうところだが、
『trois temps marché』は疲れるどころか、
爽やかで気持ちの良い観後感に包まれる。
(スミマセン。【観後感】などという言葉は多分アリマセン。)

それはその作品たちが、
作家たちが楽しんだ結果産まれてきた物だからだろう。
どれをみても、作っているときの勢いと喜びが感じられる。
そして、気負っていない。
おそらく、三人とも三十代だとお見受けした。
自然体で好きなことを仕事にしている。
そんな三人が生み出す空気は、とても軽やかで美味しい。
都会の真ん中で、人が生み出すマイナスイオン。
そんな言葉が浮かんだ。
今の三十代は、自由で地道で明るい。
よい世代だ。

商品を見るだけではなく、
この三人とおしゃべりするだけでも、心が軽くなる。
ぜひ多くの方に行ってほしい展示会だ。
皆さま、お奨めです。

『trois temps marché』
表参道【スパイラル】1Fショウケースにて。
1月28日(月)~2月3日(日)
11:00~20:00



【お知らせ】表参道で展示会を開きます。



2013年1月28日(月)

大寒が過ぎても、なお大雪の知らせを聞く毎日ですが、
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

さて、昨日のブログで経緯をお話ししました通り、
来月、東京の表参道で、harukiiの展示会を開きます。

◆日程
2月21日(木)~23日(土)

◆場所
ギャルリー ワッツ
東京都港区南青山5-4-44 ラポール南青山103号
(赤レンガのマンション1F 一番奥左側)
TEL: 03-3499-2662
http://www.wa2.jp/



◆時間
21日(木) 11:00~20:00
22日(金) 11:00~20:00
23日(土) 11:00~19:00
(ギャラリーの通常の時間と異なっておりますので、ご注意下さい。)


春物の販売会、そして秋冬新作の予約受注会を兼ねております。
ごくこじんまりとした展示会ですが、表参道のショッピングの合間、
お茶やお食事の後に、ふらりとお立ち寄り頂けましたら幸いです。

皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。


株式会社はる希
代表取締役 高橋裕子



表参道で展示会をすることに



2013年1月27日(日)

とんとん拍子、という言葉が好きだ。
トントンと、軽やかに階段を上がる感じがする。

とんとん拍子にコトが進む。
そういうときは、きっとそのコトは正しい方向に行っているのだろう。
トントン拍子に進んでいる方向は悪いはずがない、という気がする。

そして、その反対に、
進みたいのだけれど、
または進むべきなのだけれど、どうも上手く行かない。
遅々として進まない。気乗りがしない。
そういう時は、その方向が間違っているか、
まだその時ではない、ということなのではないかと思う。

そして、私に今その『とんとん拍子』が起こっている、という気がする。

一人の友人がいる。
彼女はharukiiのことをよく理解してくれる、貴重な友人の一人だ。
昨年その彼女に会ったとき、
「もしharukiiが展示会をするなら、このギャラリーがとても似合うと思う」と、
ある画廊の名前を挙げてくれた。

家に帰ってインターネットでそのサイトを見てみた。
とても素敵な感じのサイトだ。
地図を見ると、表参道の裏道にある。
その画廊が入っているビルには、何度か足を運んだことがある。
しかし、その奥に画廊があることは知らなかった。

そうこうしているうちに、彼女から連絡が入った。
「あのギャラリーに行ったので、harukiiの話をしておいた。
ポストカードも渡しておいた。
興味があるそうなので、この方にメールしてみて。」

彼女はGive and Give(ギブ・アンド・ギブ)の人だ。
Give and Take(ギブ・アンド・テイク)やWin Win(ウィンウィン)という
「与えたら、その分与えられる」「お互い得をしましょう」といったことは
感じられない。
いつも、全力で人のために役立つことをしてくれる。
そして、何も求めない。
与えるだけの人だ。
彼女の周りには友人が多い。

今回も、彼女は私から頼まれもしないのに
さっさとharukiiを画廊に紹介してくれた。
そして、画廊の方の連絡先まで聞いてくれたのだ。

私はとても感謝した。
本当に感謝した。
ところが、そのとき、すぐに動けなかった。
メールをしようとして、途中で挫折し、
下書きに入ったままになった。

せっかく紹介してもらったのだから、
間をおかずに、すぐにこちらからご連絡すべきだ。
今がチャンスなのだから。
そう分かっているのだが、どうしても心が動かなかった。
「まだその準備ができていない」とブレーキがかかっていた。
展示会を単独で行うほど、harukiiは充実していなかったのだ。

その画廊に、昨年末行ってみた。
扉は閉まっていたが、中の様子は覗くことができた。
こじんまりとした、シックな空間である。
「いいなぁ。こんな場所で展示会ができたらいいなぁ。」
「でも、harukiiはまだまだだ。ここでするには、もっと時間が必要だ。」
そう思って帰ってきた。
落ち込んでいた。

そして、今年に入り、今週初め、ある商談の帰り。
たまたまその画廊の近くに行く用事があった。
「ちょっと覗いてみようか。」

ギャラリーは開いていた。
陶器の展示会をやっていた。
思い切って入ってみた。
現代的な茶道具が並んでいた。
今の自分の部屋には似合わないが、
好みの花器があった。
前から横から、上から下から、いろいろ眺めていると
そこで商品の説明をしていらした女性に声を掛けられた。

私はその陶器の作家の方だと思っていたが、
「いえ、このギャラリーのものです」と仰る。
「どのようにしてこのギャラリーをお知りになったのですか?」
「はい、○○さんという友人からこちらのことを伺ったのです。」
「あ、もしかして、織物の、、、。」
「ハイ! ストールのブランドをやっています。覚えて頂いていたのですか?」
「ええ。ご友人からお話を聞いて、一度商品を拝見したいと思っておりました。」
「あのう、実は今日、たまたまサンプルをいくつか持っておりまして、
差支えなければ、ぜひご覧いただきたいのですが。」
「はい、ぜひ。」

私の『トントン』はこの瞬間始まった。
友人が昨年紹介してくれた時には『遅々として進まない』箱に仕舞われてしまった
このギャラリーでの展示会。
それが、今日なんのきっかけだか分からないが、このギャラリーに来て、
こうやって商品をお見せしている。

「ギャラリーのスケジュールは、いつごろまで決まっているのですか?」
「そうですね。大体二年後までは入っています。」
「二年後!?」
「ええ。二年後です。でもその間にも空いている時はあるのですよ。
harukiiさんは、いつごろがご希望なのですか?」
「そうですねぇ。ギフトにご利用になる方が多いので、クリスマス前とか。。。」
「そうですか。12月ごろに、空いている日もありますが。
あの、急ですが、2月の17日の週が一週間、たまたま空いておりまして。」

え? それは急すぎる。
harukiiに展示会はまだまだ。。。
でも、ちょっとやってみたい。
いや、とてもやってみたい。

私の気持ちは去年とは違っていた。
何かが私の背中を押していた。

それからしばらくお話をし、
家に戻っていろいろ考え、
私は今日、画廊の申込書を送った。

頭の中で「トントン、トントン」と音が聞こえる。
きっとこれは良い方向に進んでいるのだ。
「トントン、トントン、トントン、トントン」


というわけで、harukiiは下記の日程で、展示会を開きます。

2月21日(木)~23日(土)
場所: ギャルリー ワッツ
http://www.wa2.jp/



開始、終了時間など、詳しいことは後日改めてお知らせいたします。

みなさま、どうぞこの三日間のうちどこかに
表参道ギャルリーワッツにおいでになる時間を空けておいてください。

宜しくお願い致します。

株式会社はる希
高橋裕子







【お知らせ】変りヘリンボンの出荷を開始いたします。



2013年1月26日(土)


1月28日(月)より、【変りヘリンボンストール】の出荷を開始いたします。
長らくお待ちいただきましたお客様、有難うございました。

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商品名: 変りヘリンボンストール



たて糸に、シルクとウールを混ぜた糸を使い、
よこ糸に、細いリネンを打ちこみました。
シルクの艶が、光の当たり方によっていろいろに変化します。
透けるような薄さで、とても柔らかく軽いストールです。

首に巻いても良し、肩に羽織っても良し。
盛夏以外の季節、何かと出番の多いストールです。


素材:    リネン55% シルク30%  ウール15%
サイズ:   幅65cm × 長さ200cm 房5cm
色:      ピンク、ブルー、ベージュ
価格(税込): 18,900円

●男女共用サイズです。男性でもゆったりと巻ける大きさです。
●商品の写真は、こちらのサイトでもご覧下さい。 >>>

※ ピンク、ベージュが品切れとなりました。再入荷の予定が決まりましたら、ブログにてご連絡いたします。
※3月13日に再入荷致しました。


◆原材料産地
シルク:   ブラジル
ウール:  オーストラリア
リネン:   フランス

◆加工地
紡績: シルクウール 東南アジア
     リネン 中国
糸染: 山梨県南都留郡
糸の糊付け: 静岡県浜松市
織り、洗い、乾燥、整理、検品、タグ付、袋詰: 山梨県南都留郡



皆様からのご注文を、心よりお待ち申し上げております。



春が待ち遠しい毎日ですが、まだしばらく厳しい寒さが続きそうです。
みなさまどうぞ、くれぐれもご自愛下さいませ。


株式会社はる希
代表取締役 高橋裕子

栃木県茂木町に行ってきた。



2013年1月25日(金)

昨日、栃木県の芳賀郡茂木というところに行ってきた。
ここにある縫製工場を訪問したのだ。

harukiiのストールには、現在のところ縫製という工程はない。
まつり縫いやかがり縫いといった処理もない。
なぜ縫製工場かというと、
来月少しまとまった量を納品するストールがあり、
その検品、袋入れ、そして検針を行ってもらうのだ。

検品は一枚一枚丁寧に行ってもらう。
サイズが間違っていないか。
色が合っているか。
汚れやキズはないか。
糸が途中で切れていないか。
他の製品の糸が飛び込んでいないか。

検品して合格した製品だけが袋に入れて封をされ、
最後に検針器に掛けられる。

検針器というのは、文字通り、針を検知する機械である。
縫製という工程は無くても、もし工場内に針があれば、
何かの拍子にストールに混入しないとも限らない。

もちろん、工場さんは各工程でそのようなことが起こらないように、
細心の注意を払っている。
ところが、思わぬところで、予想もしないようなタイミングで
針が入ってしまうかもしれない。
そういうことは、ないとは限らない。
だから、最後に一枚一枚検針器に掛けて、
針が混入していないか確かめるのだ。

とても面倒くさい工程で、なおかつ時間がかかる。
そして一番大切なのは、当たり前だが、
検品をする人が厳しい目を持たなければならない。
そこで、検品、検針の工程のみ別の工場さんにお願いした、というわけである。

この茂木にある縫製工場さんとは、以前の仕事でお付き合いがあった。
とても正確に、そして美しく商品を仕上げる工場さんだと、常々感心していた。
なので、今回数量が多い納品が決まった時に、
真っ先にこの工場さんが頭に浮かんだ。
ぜひ最終の工程をお任せしたいと思ったのだ。

やはりここでも、最終の工程は女性が担っている。
仕事の丁寧さと迫る納期のせめぎ合い。
女の責任感と忍耐力と度胸は、最終工程で存分に発揮される。


茂木という土地は、『もてぎ』と読む。
茂木駅は、真岡鐵道(もおかてつどう)の終着点。
栃木県の最東端の駅だそうだ。


私が茂木に行ったルートは次の通り。
 1) 渋谷から湘南新宿ライン快速に乗り、小山駅で下車
 2) 小山駅から水戸線に乗り換え、下館駅で下車
 3) 下館駅から真岡鐵道に乗り換え、終点茂木で下車
約3時間の旅である。

どこかちょっと遠くに行くたびに、にわか鉄子になるのだが、
今回は特にそうならずばおられまい。
だって、真岡鐵道は週末には本物のSLを走らせているというではないか。
昨日は木曜日だったので、SLの姿は見られなかったが、
なんとなくその匂いを嗅いだような気がする。

通常はこのようなレトロっぽいデザインの一両電車が走っている。
モオカ14形気動車
ふんふん。
え? 1988年から?
以外と若いのね。
少し調べたら、真岡線は一度廃線の危機に見舞われたそうだ。
そこで第三セクターを作り、SLを再度走らせることにした。
それが、1988年のことらしい。
たしかに平日の昨日は乗客もまばらだった。
けれど、沿線には高校があるのだろう。
学生が多く利用していた。
なくなると困るだろうな。

そして、終点の茂木駅にあるのが、これ。
拡大してみよう。
SLが方向転換をするための、転車台。 Hoooo!

実際にSLが方向転換するときは、多くの見物客でにぎわうそうだ。
私にも見える気がする。
SLの黒い車体がゆっくりと蒸気を吐きながら、
ぐわーんと回る様子が。
あれ? 回るときは蒸気を吐く必要があるのだろうか?
誰が回すの? 人力? それとも電気?
自力の蒸気?
本物の鉄子ではないので、そこまでは分からない。

茂木には『ツインリンク』というサーキット場もある。
鉄道ファンかカーレースファンが集う街。
鉄の動く箱の町、茂木。

まったく何の情報も持たずに、工場さんとの打ち合わせに出かけた茂木。
遠い旅だったが、なんだか得をした気分になって帰ってきた。


帰りの車窓から見えたのは、鉄の神の降臨だろか。
鈍色の雲が、厚く空を覆っていた。




【お知らせ】ギフト・ショーに出展します。



2013年1月24日(木)

厳しい寒さが続く毎日ですが、花屋の店先に並ぶ色とりどりの草花に、
春の到来を近く感じる季節となりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
いつもこのブログをお読みいただき、誠に有難うございます。

さて、harukiiは、来月東京のビッグサイトで行われる展示会に出展いたします。



第75回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2013
会期:      2013年2月6日(水) ~ 8日(金)
時間:      10:00 ~ 18:00 (最終日のみ17:00まで)
会場:      東京ビッグサイト アクセスはこちら >>>
ブース番号:      西棟1F 1136 (J おしゃれ雑貨&レザーグッズフェア内)


harukii にとっては、二度目の出展です。
今年の秋から冬にかけてお使い頂ける、温かみのあるストールをご紹介致します。

生産は前回に引き続き山梨県南都留郡で作りました。
また、今回は山形県にて柄のプリントを施した商品がございます。
いずれの産地でも、人の手作業を多く必要とする
丁寧な物づくりをしていただいております。

出展品
・プリント・シルクカシミヤストール
・シルク・ウールぼかし染プリントストール
・シルク・ウール・カシミヤ大柄ペイズリー・ジャカード織ストール
・シルク小柄ペイズリー・ジャカード織ストール
・その他、2013春夏商品


昨年夏は全国で酷暑に見舞われました。
そして。今年の夏はそれ以上に暑くなるという噂も聞きます。
夏の暑さが一段落したころ、
すーっと秋風が吹くころ、
こんなストールを羽織って、
疲れた肌を労わっていただきたい。
そんなイメージで作りました。

このブログを読んで下さるバイヤーの皆様、小売店の皆様。
もしお時間がありましたら、ギフト・ショーの harukii ブースに
お立ち寄りくださいませ。

※入場には、事前登録が必要となります。
こちらでご登録ください。>>>


皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。


株式会社はる希
代表取締役 高橋裕子


続・二度の誕生日



2013年1月23日(水)


~「二度の誕生日」の追記~

やはり、昔聞いた名づけのエピソードはかなりうろ覚えで、
事実とはかなり異なっていた。
さっそくご本人から訂正依頼があり、
加えて、昭和初期の通信事情なども併せて知るところとなった。

*****

ひ弱に生まれた女の子に、彼女の父親はどんな名前を付けてよいか、
とても悩んだ。
そして、キリスト教の敬虔な信者であった彼は、
ある日聖書を開いたとき、最初に目に飛び込んだ言葉を名前にしようと思った。

(ここまでは同じ)

戸籍法では、昭和初期も今も変らず、
出生届を2週間以内に済ませなければならない。
それを過ぎると、罰金が科せられる。
これも、昔も今も同じ。

第百三十五条  正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、五万円以下の過料に処する。

当時の罰金がいくらかは分からないが、
出生届を本籍地の役場に提出するのに、
当時は宅配便もなく、また役場同士の通信も今のようにはいかない。
今日送って明日届ける、というわけにはいかないのだ。

そこで、父親は本籍地に住む親せきに
電報で女の子の名前を知らせ、
代わりに役場に届けてもらうように依頼した。

名前を差し戻したのは、この親戚のオジサンである。
(前回のブログでは、役場の担当者と言いましたが、間違いでした。すみません。)

「女の子に、こんな男みたいな名前をつけるな。」

父親が考えた名前は、聖書の中に出てきた単語をひらがなにして
二文字に縮めたもの。
女の子の名前として
 あや
 とし
 ちよ
こういったひらがな二文字の名前は、当時、
いや今でも、よく見かける。

だが、この父親が選んだ言葉は、いくらひらがなにして縮めても、
なんとも名前にほど遠いものだった。
親戚のオジサンはとても心配したのである。
かわいい女の子の将来が不安だ。

その差し戻しも電報できたのか、それとも速達の書面で来たのか。
それはわからないが、
とにかく生まれてから2週間が過ぎようとしている。
罰金を科せられてはたまらない。

そこで、父親は出生の日を遅らせることにしたのだ。

「親が一生懸命考えた名前の、どこがわるい。」

父親は、最初の案を押し通した。
考え直さなかったのだ。
かくして、そのへんてこりんなひらがな二文字の名前は
随分遅れて出生地の役場に届けられた。
誕生日は実際の日より、十日後になった。

*****

以上が、誕生日が二つある、本当の経緯だそうです。
当時の罰金は、おそらく今の5万円相当だったのでしょう。
「正当な理由がなくて」という正当な理由とは、どんなものでしょう。
上記のような理由は正当とはならないのでしょうか。。。


実はちょっとした後日談があります。

ひ弱な女の子は、ひ弱なりにすくすく育ち、
生まれて24年後に
彼女は結婚することになりました。
結婚届を提出しようとした時です。
届け係の人が
「今なら名前を変えられますよ」と
教えて下さったそうです。
やはり、その方にも「へんてこりんな名前」と映ったのでしょうね。
二十数年経っても、そのなまえは立派にへんてこりんだったのです。

その言葉に、本人もかなり心が動いたそうです。
それまで、やはり名前で相当苦労したそうですから。
実際に、いろいろ漢字も考えたりして、
本当に悩みました。

でも、やはり思いとどまりました。
「親が一生懸命考えて付けてくれた名前。
それを大切に、一生一緒に生きていこう。」

今では「このひらがな何と読むの?」と聞く人はいませんが、
やはり立派にへんてこりんです。
でも、彼女はこの名前に大きな誇りを持っています。
きっと、ですけれど。

ただし、彼女の持論は
「名前を付けるなら、普通がイイ」です。
彼女の娘たちは、二人ともごく普通の名前です。

おしまい。




【お知らせ】変りヘリンボンストールのご予約を承ります。



2013年1月22日(火)

長くお待ちいただいたお客様もありましたが、
いよいよ近日中に、【変りヘリンボンストール】の販売を開始いたします。


素材は、経糸がシルクとウールを混ぜた糸。
よこ糸が、リネンでできております。
暖かく、それでいてとても薄く、
春の日差しを感じるこれからの季節にぴったりの一枚です。

これから初夏まで、そして再び秋に入り肌寒くなる頃からと
盛夏以外は通年で使えるストールです。

ご自身へのプレゼントに。
また、バレンタインデーに、最愛の方に
プレゼントされてはいかがでしょう。


来週初めには出荷出来ると思います。
最初はごく少量が工場から上がってまいります。
ご予約を受付けますので、予約されたい方は、
こちらのフォームにてご連絡下さい。

お問合せフォーム >>>


『お問い合わせ内容』の欄に、
・商品名
・色
・枚数
をご記入下さい。
必要枚数を確保致します。

詳しいご購入の仕方は、出荷可能日が決まり次第、
ブログでお知らせいたします。

ご予約をお待ちしております。


株式会社はる希
高橋裕子









二度の誕生日



2013年1月21日(月)

今日は家族の○○回目の誕生日だった。


ことあるごとに
「こんなに生きるとは思わなかった」というのが口癖の彼女には、
実は誕生日は二つある。

今日は正真正銘、彼女が生まれた日だ。
ひ弱に生まれた女の子に、彼女の父親はどんな名前を付けてよいか、
とても悩んだ。
そして、キリスト教の敬虔な信者であった彼は、
ある日聖書を開いたとき、最初に目に飛び込んだ言葉を名前にしようと思った。

その名前を村役場に届けると、
出生届け係が
「そんな名前は、変だ。良くない。もう一度考え直せ」と
差し戻したそうだ。

父親はもう一度考えて、誕生から十日後に、
最初の言葉に似た名前を届けた。
二度目の名前は受け入れられた。
その日が戸籍上の誕生日として記録されたそうだ。

結局、オリジナルよりも更にへんてこりんな名前を付けられたひ弱な女の子は、
ひ弱なりにすくすく育ち、
今日の誕生日を迎えるわけである。

昨今の名づけの風潮を見ると、変った名前を提出されて
差し戻す出生届係の人はあまりいないと思う。
世の中は、個性的な名前に溢れている。

そういえば、随分昔、
息子に「悪魔」という名前を付けようとして、差し戻された、
というニュースがあった。
その男の子には違う名前がつけられたそうだが、
その彼ももう立派な大人になっているはずだ。
やはり、悪魔ちゃんでなくて、良かったと思う。

彼女のオリジナルの名前も、今なら受け入れられる。
しかし、昭和ヒトケタの頃には、全く一般的ではなかった。
そのまま名前になっていたら、
友達にからかわれただろう。

とは言え、結局決まった名前は、オリジナルよりもっとへんてこりんだ。
ひらがな二文字のその名前を小学校の先生が初めて見とき、
「○○さん。このお名前は何と読むのでしょう」と聞いたそうだ。
そのことは、かなりショックだったらしい。
「こんなに生きるとは・・・」についでよく聞く逸話だ。

もちろん、友達にもからかわれたに違いない。
いじめられたかどうかは良くわからない。
きっと、このブログを読んで、詳細を教えてくれるだろう。
上記の名づけのいきさつも不正確かもしれないが、
恐らく明日には、彼女からブログの修正依頼が届くと思う。

私からのプレゼントは、写真の小さなケーキだけ。
それを一つだけ、それも半分ずつに分けて、
彼女は連れ合い殿と一緒に満足そうに味わった。

連れ合い殿からのプレゼントは、
こぶしの効いた♪Happy Birthday。
それをヒト唸りして、彼はさっさと寝てしまった。
それでも彼女は幸せそうだった。

小さなことを幸せと思える。
それが歳を重ねる素晴らしさなのだろう。
来年も、また次の年も、更に次の年も
小さなケーキを買ってお祝いしたい。
連れ合い殿の♪Happy Birthdayは、
いつまでも聞けるだろうか。



【お知らせ】ぼかし染シルクカシミヤストール、グリーンとマロンのXSが再入荷しました。



2013年1月21日(月)

在庫切れとなっておりました【ぼかし染シルクカシミヤストール】の
グリーンXS、マロンXSが、再入荷致しました。

少量の入荷となっておりますので、
ご希望のお客様は、お早目のご注文をお願いいたします。

ご注文の仕方は、こちらをご覧ください。 〉〉〉


皆様からのご注文を、心よりお待ち申し上げております。

株式会社はる希
高橋裕子




脱皮



2013年1月20日(日)

ウェブサイトをリニューアルした。
どういう情報を盛り込み、どのようなページに割り振り、
商品をどのように見せるか。
自分の考えやイメージを具体化するということに
まだまだ慣れていない。
サイトの準備に費やした時間は長かった。

長かった分、完成してやっとほっと一息つけるかと思っていた。
ところが、自分の持った感情が全く違うので、
少し驚いている。

昨日の朝、新しいページを確認した。
それまで、二か月間、
RedBeの竹内さんが準備したテストページを
もう何度も何度も見ていた。
だから、harukii.jpで改めて見ても、感動はないと思っていた。
でも、なんというのだろう。
昨日の朝ページを開いたとき、
静寂で厳か、と言ったら大げさかもしれないが、
そんな感動があったのだ。

そして、あぁ、また生まれたのだ。
これから最初の一歩を踏み出すのだ。
そんな感慨を持った。

虫が幼虫から蛹、そして成虫になる過程で
何度も脱皮を繰り返すように、
harukiiも最初の脱皮をした気がする。

harukiiを立ち上げて半年しか経っておらず、
もう最初の脱皮した、というのは
少し早すぎかもしれない。
しかし、私は新しいサイトを見て、
何か身に纏っていたものをはらりと脱いで、
むき出しの肌を晒しているような気になったのだ。

新しい自分の考えやイメージをより具体的に露出したためだろうか。
太陽の光に、強い風に、
雨に雪に、身体全体が曝されている、
そんな風に感じる。

たった半年のうちに、
私は殻を作っていた。
どんな殻だったのかは、これから少しずつ分かっていくと思う。
そして、私は今日からまた新しい殻を身の回りに
せっせと作り出しているのだろう。

殻に籠る。
殻を被る。
殻を破る。

殻は多くの場合、悪いことのように使われることが多いが、
身を守るために必要なもの。
しっかりした殻に守られて、生物は成長する。
そして、その殻が小さくなってその中では生きられないほど成長したら、
その生物は殻を破って出てくる。
その準備ができるまでは、殻はその生物にとって
絶対に必要なのだ。

半年で私が作った殻は、きっと薄くて弱かった。
だから、私はそれを早めに破って
頑丈な殻を作ろうとしているのだ。

今度は、しっかりした殻を作りたい。
そして、その中でしっかりと自分を成長させたい。
その殻が小さくなって、息がしにくくなるまで、
私はその殻を作り続ける。
殻を作りつづけながら、自分も成長するのだ。

でも、出来ることなら、
次の脱皮の時期も早く来てほしい。
そして、何度も何度も殻を破って、
脱皮をし続けたい。

虫なら成虫になれば脱皮はおしまいだ。
でも、私は成虫にはなりたくない。
脱皮をし続ける幼虫や蛹でありつづけたい。
最後の脱皮は、
きっと私の魂が殻から抜け出すときだろう。
その時まで、
何度も何度も脱皮を続けたい。




【お知らせ】本日より、ウェブサイトが新しくなりました。



2013年1月19日(土)

本日より、harukiiのウェブサイトが新しくなりました。

harukiiのコンセプト、イメージなどを、より分かりやすくお伝えしています。
多くの皆様にご覧いただけましたら、幸いです。

写真撮影: 森田純典さん
モデル: 東京にお住いのHご夫妻
ロゴデザイン: 水川史生さん
サイトデザイン&制作: RedBe株式会社 竹内洋二さん


パソコンでは、メニューが最下方にあります。
それぞれにカーソルをあわせますと、日本語でもメニューが読めます。

また、下の二つのページでは、写真が徐々に変ります。
・about = harukiiについて
・news = お知らせ
その変化をお楽しみください。

スマートフォンでは、メニューのアイコンが右上にあります。
右上をタップすると、メニューが表れます。


このロゴをクリックすると、ウェブサイトを見られます。



皆様のご訪問を、心よりお待ち申し上げております。


株式会社はる希
代表取締役 高橋裕子




【お知らせ】明日1月19日、サイトがリニューアル致します。



2013年1月18日(金)

harukiiのウェブサイトが、明日1月19日(土)にリニューアル致します。

その作業により、今夜24:00より、一時的に表示に不具合のある可能性があります。
何卒ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。



株式会社はる希
代表取締役 高橋裕子

大島渚監督



2013年1月18日(金)

「『愛のコリーダ』ってなんだ?」
父が唐突に聞いてきた。

家ではほとんど一日中テレビがつけっぱなしになっている。
昨日はどのチャンネルでも、大島渚監督の訃報を流していた。
それで、『愛のコリーダ』と何度も耳にしたのだろう。

「映画の題名。」
「コリーダってなんだ?」
父はかぶせて聞いてくる。
「しらない。」
傍にiPhoneがあったから、いつものようにウェブで調べることもできたが、
『コリーダ』は調べなくてもいいと思った。

更に何か聞かれると困るので、
そそくさとストーブの石油を補充しに行ってしまった。

【愛のコリーダ】は、ニューヨークで見た。
たしか、【愛の亡霊】との二本立てか、二週続けて見たのだったか。
確かヴィレッジという地区の小さな映画館で上映したと思う。

ニューヨークに一年足らず滞在した。
私は二十代だった。
そのころ、【愛のコリーダ】と【ピンク・フラミンゴ】は
見るなら絶対海外で、と思っていた。
※【ピンク・フラミンゴ】は大島監督の作品ではありません。

若かった私は、この二つはどうしても見ておかなければならない、と思った。
よくストーリーは知らなかったが
なんとなく評判だけは知っていて、
若いうちに、できるだけ早く見なければ、と
なぜか思っていた。

その後、随分経って。
東京の下北沢という町に短編映画だけを上映する
『トリウッド』という映画館ができ、
そこで大島監督の初期の短編映画の特集を見た。
なんとなく覚えているのは、
【明日の太陽】と【ユンボギの日記】。
【明日の太陽】では、すごく若い十朱幸代が、可愛らしかった。
【ユンボギの日記】は、当時芸能人のようにテレビに出ていた大島監督が、
若い頃、こんなにシリアスで胸の詰まるような、
それも実験的な短編映画を撮っていたことが、
どうしても重ならなかった。

テレビや新聞では、いろいろな恐ろしい事件を喧しく、
時に過剰に、興味本位で報道している。
---それは、当事者にしかわからない
---表には浮かび上がらない事情が双方にあるはず
---当事者を責める、裁くことはできない。できるのは、起こったことを憎むだけ
という考えを、若いころから持つようになったのは、
大島映画の影響も幾分あるに違いない。



私と大島渚監督との間には、とてつもなく大きな距離があるが、
たった4本ぐらいの映画を見ただけで、
なんとなく、どこかですれ違った、という感じもしている。

サウンドトラックのカセットテープを買って、
音が伸びるまで聞いた【戦場のメリークリスマス】。
いつか映画を見るのだろうか。

そういえば、去年の6月頃、
harukiiのために自分で最初に作ったイメージマップ。
いろいろな雑誌から、ブランドのイメージに合うだろという写真を選んで、
切り貼りした。
その中に、大島監督が真っ赤なストールを巻いた写真があった。
harukiiのストールも巻いてほしかったと思う。

photo by ホンマタカシ (C)SWITCH


ご冥福をお祈りいたします。
合掌。


※『コリーダ』とは、闘牛という意味のスペイン語(=corrida)だそうです。

短編映画館 「トリウッド」 のサイトはこちら >>>






春の音



2013年1月17日(木)

家の外には屋根にも道路の端にも、たくさんの雪が残っているが、
太陽が顔を覗かせると、その日差しは強い。
紛れもなく、春の日差しだ。

雪解けの水が雨樋や縁石を伝って落ちる音が聞こえる。
チロチロチロチロ。
チョロチョロ、チョロチョロ。
トントントントン。
チンチンチンチン。
ザリザリザリ、ガタン!
これは雪の塊が屋根から落ちる音。

雪深い地方では、春はもうしばらく先だが、
きっと雪解けの頃は、もっといろいろな水の音が聞こえ、
心楽しいのだろうと、
少し雪国の人の気分を味わえているような気がする。

チロチロチロチロ。
カンカンカンカン。
タンタンタンタン。
ザザザザザザッ、ドン!

水のオーケストラは、いつまでも鳴り止まない。

‘カンカンカン’の間隔が短くなってきた。
カンカカ、カンカカ、カンカカ。
タントタタントタ、タントタタントタ。

あとしばらくは、この音を聞いていられるのだなぁ。
嬉しいなぁ。





ぼかし染シルクカシミヤストール、二重ぐるぐる巻き



2013年1月16日(水)

一昨日、東京にはすごく雪が積もって、
その雪は一日ではまったく溶けなかった。
ニュースではひえこみが続き、
溶けるまでに数日かかるかもしれないと言っている。

私はこのブログで、自分が再三寒がりであることを告白している。
冬になると寒さのために
朝起きるのが非常につらく、
そして、外に出るのも億劫になってくる。
それに加えて、この大雪だ。
降るのが一日で終わってくれたのは有難い。
日本海側や東北、北海道は、何日も降り続く。
空もどんより晴れないことが多い。

この前は雪国に住むことにすこし憧れを感じたのだが、
もうこの一日の雪で、私は十分満喫した。
今は早く溶けて欲しいと思っている。

で、手前味噌のようになって大変恐縮だが、
こういう極寒の際には、
もし可能ならば、【ぼかし染シルクカシミヤストール】L判の
二枚重ね、ぐるぐる巻きを試して頂きたい。

このストールは一枚でもとても暖かいのだが、
私のように超が付くほどの寒がりの方には、
ぜひ二枚重ねをお勧めしたい。

ほんっとうに、暖かいのだ。
これを巻いて、コートを着て、少し歩けば、
きっとそのうちコートの前を開け、
ストールを緩め、
じんわり汗をかくことになるだろう。

このストールはシルクカシミヤの糸を
ガーゼのように柔らかく織ってある。
だから、糸と糸の間の隙間が大きく、
その隙間に暖かい空気を保つことができる。
そのために一枚でも十分暖かいのだが、
それを二枚重ねれば、もっと暖かい空気を糸と糸、
生地と生地の間に保つことができる。
暖かい空気は、自分の身体から発する熱で温まった空気。
それを襟元から逃さずに、すべてストールでキャッチする。
そして、いつまでも暖かいままで、
ストールの中に空気を閉じ込めるのだ。

二枚は違う色がいい。
お勧めは、ブルー + グリーン。
ピンク + グレー。
グリーン + グレー。
ブルー + グレー。

許されるなら、頭からすっぽりかぶって、
ぐるぐる巻いて頂きたい。
冬は寒い。
ヒトの身体は、裸で寒さに対応することはできない。
昔から動物の皮などを使って、寒さをしのいできた。
ヒトは冬の間、暖かく過ごさなければ、幸せになれないのだ。
暖かくなるためには、ちょっと自分を甘やかしてほしい。
もちろん、もし可能なら、ということで。

【ぼかし染シルクカシミヤストール】Lサイズの二重ぐるぐる巻き。
ほんっとうに暖かいです。







【お知らせ】お支払方法に、代金引換サービスが加わりました。



2013年1月15日(火)

本日1月15日より、お支払方法に『ヤマト宅急便コレクト』が加わりました。

『ヤマト宅急便コレクト』は、ヤマト運輸による
代金引換サービスです。

harukiiに直接ご注文いただいた場合、
お支払方法は、『銀行振込』か『代金引換』のどちらかをお選び頂きます。

●銀行振込の場合: お振込み確認後の発送となります。振込み手数料はお客様にご負担頂きます。

● 代金引換の場合: 商品配達時に、ヤマト運輸配達人に代金をお支払い頂きます。

代金引換では、引換額に応じて、
1件あたり下記のサービス手数料がかかります。

代金引換額(税込)
1万円未満: 315円
1万円以上~3万円未満: 420円
3万円以上~10万円未満: 630円
10万円以上~30万円まで: 1,050円



代金引換は、配送をお急ぎの場合に便利です。
お支払には、銀行振込と併せて、ぜひ代金引換をご利用ください。



株式会社はる希
高橋裕子





成人の日の思い出



2013年1月14日(月)

今日は成人の日だ。
天気が良くないが、女性は着物を着るのだろうか。

成人の日のちょっとした思い出。

その日は良く晴れていた。
私は成人式をもう10年ほど前に迎えていた。

友人の結婚式があるというので、
振袖を来た。
今なら考えられないのだが、
その日は振袖を着て、地下鉄と電車を乗り継いで
式場へ向かった。

今ならタクシーに乗る。
けれど、その時は電車を使った。
タクシー代を節約したのだ。
そして、若かった。

道行く知らない人に
「おめでとうございます」と声を掛けられてしまった。
そんな日に振袖を着ていたのだから、
成人と間違えられても仕方がない。
その人はこちらの顔など見ずに
振袖=二十歳という記号で、お祝いの言葉を掛けて下さった。

恥ずかしかった。
(いえ違うんです、私は)と心の中で謝りながら、
軽く会釈をして通り過ぎた。
それから、俯き加減に、
なるべく人と目を合わせないようして、
足早に駅に向かった。

どうしてタクシーに乗らなかったのだろう。
そんなに貧乏だったのだろうか。
成人の日に三十路の女が振袖を着て地下鉄に乗るなど
なんとはずかしい。

きっと今日結婚式に出席する
微妙な年頃の振袖を来た御嬢さん。
できれば、タクシーに乗ったほうがいいですよ。
それに、東京は雨ですから、振袖は考えたほうが良いですよ。
着るなら、絶対タクシーですよ。


と言っているうちに、雪になった。
それもどんどんすごくなる。
初雪?
東京って、毎年成人の日、必ず雪が降る。
決まったように雪が降る。
私の時も振袖を着て、雪道を歩いた。
どうしてなんだろう。
雪で、若者の行く道を
浄化してくれているのだろうか。



丸く掃く 英語



2013年1月12日(土)

このブログを読んで下さっている方は、
大変ありがたいことに、半分は繰り返し覗きに来て下さっている。
そして、半分はたまたま見かけて、訪ねて来て下さった方だ。

どうやって見かけるかというと、
YahooやGoogleといった検索サイトで、
あるキーワードを入れて検索していると、
たまたまそのワードがこのブログ内に使用されていた場合、
検索結果に載ってくる。
それが一ページ目か二ページ目にあると、
もしかしたら探している答えがあるかもしれないと思って、
検索者様はこのブログを覗いて下さるのだ。

私にはどういう検索語で皆さんがこのブログに辿り着いたかが分かる。
別に私に透視能力があるわけではなく、霊感があるわけでもなく、
単にそういう仕組みになっているのである。

とても興味深いので、暇があるとその検索ワードをチェックするのだが、
しばしば大変申し訳ない気持ちになる。
その方が検索したい答えが、私のブログ内に全く載っていないからだ。
つまり、検索ワードとブログの内容は全く関係ない。

全く関係ないのに、検索エンジンというのは丁寧に拾って来る。
検索したい方にいは迷惑だし、
発信者の私としては、このブログに興味のない方にも読んで頂ける
素晴らしいチャンスだ。
だから、とても検索エンジン様には感謝している。

もちろん、検索者様は、ブログを開いた途端、
「あ、これは関係ない」とすぐにお分かりになるだろうから、
ブログを最後までお読みになることはないと思う。
一行目を読んで、すぐに元の検索サイトの結果一覧に戻られるだろう。
それはそれで、ホッとする。
だって、全然関係がないのだから。

もし、「いや、読み進めていけば、最後に答えがあるかもしれない」と
最後まで読んで下さった方があれば、
それは本当に有難いし、更に申し訳ない。
そして、万にお一人でも、また別の日に再度こちらを訪れて下さったら、
それはそれは、大変に光栄なことである。
その方がブックマーク(または『お気に入り』)に
このブログを加えて下さろうものなら
私は天にも昇る気持ちだ。

というわけで、今日も検索語を見てみた。
そうしたら、【丸く掃く 英語】と検索された方があった。
そして私が昨年の8月17日に書いた『四角い部屋を丸く掃く♪』というブログ
開いてくださったのだ。

検索された方はおそらく、
【丸く掃く】を英語ではどう言うかを調べたかったに違いない。
そして、私のブログにはそんなことは一行も載っていない。
いかに私が家事が不得意かが、
だらだらと書いてあるだけである。

訪れて頂いただけで申し訳ないのに、
もしかしたら最後まで読んで下さったかもしれない。
それはその方の時間を無駄にしたことになる。
それではあまりにも申し訳ない。

そこでここでは、ちゃんと【丸く掃く】を英語で調べて
載せようと思う。

丸く掃く = sweep in circles

私は『四角い部屋を丸く掃く』というフレーズが
吉田拓郎氏が作ったものだと思っていたが、
そんなことはないことがわかった。

四角な座敷を丸く掃く

こういう諺があるのだそうだ。

意味:
細かいところまで注意を配らず、
いい加減なことをしたり、手を抜いた仕事することのたとえ。
四隅を残して、四角な座敷の真ん中だけ丸く掃く意味から。

もし検索者様が、この諺を英語にするために検索したのだとしたら、

四角な座敷を丸く掃く: sweep in circles a squared living room

更に、英語で似た意味の諺があるらしい。

Never do things by halves.

意味: 物事は中途半端でやめるな

あら? 似てるかしら?
ちょっとニュアンスが違う気がする。

四角な座敷を丸く掃くのは、
手抜きをするとか、雑にするという意味だと思うので、

Do not cut corners. 近道をするな。

の方が近いと思う。
でも、これも全然ニュアンスが違うし、第一諺じゃない。

でも、でも。
そもそも検索者様は単に【丸く掃く】を調べたかったのなら、

最初の sweep in circle で事足りる筈だ。


こうしてみてみると、
『四角い座敷を丸く掃く』という諺は、
ユーモアも含んで、なかなか良くできている。
だれかに何かを諭すときは、
ユーモアが必要よね。ぜったい。
そのほうが、ちゃんと聞いてくれる気がするわよね。

【丸く掃く】を検索したかった方は、
もうこの二度とブログを訪れないかもしれないし、
すでに英語の答えは見つけてしまっただろう。

上の情報は、もしかしたらまた同じように
【丸く掃く】の英語訳を検索される方が
間違ってこのブログをお読みになったときのために
とっておこう。

タイトルも、【丸く掃く 英語】としておきます。
【丸く掃く】の英語訳をお調べになりたかった方、
答が最後の方になってしまって、ごめんなさい。
最後までお読みいただきまして、有難うございました。

あまり役に立つことは書いてありませんが、
もし暇をつぶさなければならない時がありましたら、
またこのブログを訪れてみて下さい。
実のない文章でおまちしております。

再見
See you again!






新しいウェブサイト



2013年1月12日(土)

現在、harukiiのウェブサイトをリニューアルする準備をしている。
その作業がもう大詰めに入っており、
今ウェブ制作をお願いしているRedBeさんに
最終の細かいチェックをして頂いている。
公開は来週初めか中ごろか、終わりごろか。

新しいサイトのイメージを決めてから、
およそ二ヵ月経っている。
準備を始めたのは、それよりもっと前からだ。
モデルさんを使って写真撮影をすることに決めてから、
サイトの全体のイメージを絞り込んだ。

撮影はフォトグラファーの森田純典さんにお願いした。
モデルさんはご夫婦お二人。
プロではない。
森田さんもモデルさんも、知人のつてで紹介して頂いた。

私もこういう撮影は初めてだったし、
モデルさんたちも商業用の被写体になるのは初めて。
撮影当日はどういう感じに進んでいくのか、
ドキドキした。

撮影日の前に、一度だけご夫妻にお会いした。
当日来て頂く洋服を決めて頂くために、
予めストールを見て頂いた。
実際に身に付けて、
お持ちのコートやジャケットに合わせて頂く。

あぁ、いける。
すごくいい。
とても自然に素敵に着こなして下さる。
普段お召しになっている洋服にも、違和感なく合っている。

そのうちご本人たちもだんだん乗って下さり、
いろいろストールを巻いて楽しんで下さった。
それが一番うれしい。
harukiiのストールを巻くことで、
普段と少し違うおしゃれが楽しめる。
それを体験して下さっている。
私は店頭で商品を売っている販売員の気持ちになった。
「お客様、とても良くお似合いですよ。」
本当に、心からそう言える。
そして、お客様も迷いなく気に入って買って下さる。
そんな接客をしている気になって、
私もすごく幸せになった。
私はこういう仕事がしたいのだったと、改めて感じた。

撮影はとてもスムースに、和やかに進んだ。
その日は天気が素晴らしくよかったので、
近くの公園でも撮影した。
紅葉が美しいころだった。

撮影がちょうど終わったころに、雲が出てきた。
撮影を待っていてくれたかのようなタイミングだった。
私たちは急いで記念写真を撮って、撮影を終了した。
次の日は土砂降りの雨になった。
本当に天気に恵まれた撮影だった。


撮影された写真は1000枚。
すべての写真を何度も何度も見比べ、
僅かな表情の違いをチェックする。
そうやってウェブサイト用に選んだのは、
合計8枚。
どの写真も、それだけで絵になる素晴らしい写真だ。

永い間夫婦でいるということ。
二人で子供を育て、様々な幸せや困難を共有するということ。
言葉が無くても、静止した写真を見るだけで、
お二人が過ごした時間の長さと、その密度が
どの写真からも溢れてくる。

harukiiの商品は、大人の男性、女性、
どちらにも身に付けて頂きたい。
それがストレートに伝わるサイトに仕上がっていると思う。
公開するのが楽しみだ。





雪国



2013年1月11日(金)

「金沢の兼六園では、雪下ろし作業が行われました。」

テレビから聞こえたアナウンスに、画面を見る。

「今年は雪が多く、去年の120%の降雪量です。」

画面の中では、作業員の方が長い竹の棒を使って、
松などに積もった雪を一本ずつ揺さぶって落としている。
今日はとても良く晴れたようで、
澄みきった青空の下での作業は、幾分かは楽なのだろうか。
それにしても、大変な作業だ。

今年の大雪では、その作業もほぼ毎日行われるのかもしれない。
そうやって、兼六園の景観が保たれている。
多くの観光客の期待に応えるために
兼六園の樹木や石や池や砂利は、
常に美しく、趣深く保たれなければならない。
それが金沢の人たちの矜持なのだとおもう

私は児童と呼ばれたころまで、
金沢の近くに住んでいた。
だから、北陸の冬は12回経験している。
北陸を離れてもう数十年経っているのに、
テレビの画像をちらりと見ただけで、
その頃肌で感じた寒さ、
東京のそれとは全く違う寒さを思い出した。

お習字教室からの帰り道、
鼻先を真っ赤にして、長靴の指先の感覚を無くしながら
まだ誰も足跡を付けていない雪の校庭を、
友達と斜めに歩いたこと。

登校時、車のタイヤでつるつるになった道を、
滑りながら、転びそうになりながら、
歩いたこと。

廊下に並ぶ赤や青のアノラックや
濡れたマフラーや手袋の匂い。

様々なことが一瞬に蘇る。

テレビには、太陽の光がにキラキラ輝く松の葉が映っている。
それをみて、私の肌は雪国特有の寒さ、空気の冷たさを思い出している。
ああ、こういう寒さの中で、こういう美しいものを見て、私は育った。
東京に住んでいては見られない、
美しい雪国の一コマ。

寒いのが苦手で、
もう一生北陸には住みたくないと思っているが、
極寒の中に住まうことでしか得られない感動があることを
思い知らされる。

旅人ではわからない、感動。
今日はほんの少しだけ、
雪国に住むことに憧れた。

兼六園の雪景色

写真をクリックすると、兼六園のサイトを見られます。




ジングルベルを歌ってみた



2013年1月10日(木)

思い込み作戦は、今のところ奏功している。
今日は1月10日だが、ちゃんと10日過ごしている感じがする。
よしよし。

で、今日は気をよくして、時間を逆戻りさせてみた。

明るいうちは、陽の光や空、空気がもう春を感じさせる。
まだまだ寒いのだが、もう新年気分も過ぎ去ってしまった。
でも、私は冬を十分に楽しんだろうか。
冬の導入部と言えば、クリスマス。
クリスマスを楽しみにワクワク待つ気分を、十分に味わっただろうか。
実は、去年の夏から秋、年末にかけて、
あまり体調が芳しくなかった。
だから、まわりの動きについて行けずに、
ぼーっとしていた。

ぼーっとするのは常なのだが、
去年はいつもに輪をかけて、ぼーっとしていた。
だから、クリスマスがいつのまにか過ぎていた。
もちろん、それらしい気分にもなったのだが、
頭上彼方をサンタクロースとトナカイが過ぎ去っていき、
私は見上げる時間もなかった、という感じがしている。

幸い、今年に入って、実際の時間と体感が合っている。
だから、ちょっと余裕を見せて、
もう一度クリスマス気分を味わってみようと思った。

夕方、駅からの帰り道は、もうかなり暗くなっていた。
家々のイルミネーションは取り外されているが、
お正月飾りも外されている。
目に入る情報には、季節のヒントがない。
街燈は少し暗めだが、家々の明かりが暖かそうだ。
なんとかなる。
そこで、クリスマスソングを歌ってみた。
もちろん鼻歌である。
曲は、そうだなぁ、一番明るいのがいい。
だから、『ジングルベル』。

Jingle Bells, Jingle Bells, Jingle all the way.
ふんふんふ~んふ、ふんふんふん、
ふんふんふんふんふん♪ Hey!!

鼻歌だから、知らないところはすべて♪ふんふんふん。

イイ感じだ。
だんだんその気になってきた。

ララ、ランランランラン、ラ~ん、
ララ、ランランランラン、ラ~ん、、

ララ、ランランランラン、ランランラン、
ランランランランラン、Hey!

Jingle Bells, Jingle Bells, Jingle all the way...

終わりのない、ジングルベルだ。
だんだんトーンも上がってくる。
気持もアップしてくる。

なんだか、本当にこれからクリスマスを迎える気分にもなってきた。

友達を集めてパーティをしてみよう。
テーマは何にしようか?
ドレスコードは、トナカイの鼻にしよう。
全員がトナカイの鼻をつけて集まる。
鼻だけだったらピエロと同じに見えるから、
やはり角も付けよう。

その日だけは、自分の好きな名前を付ける。
皆お互いにその名前で呼び合う。
私は、、、そうだなぁ。
エカチェリーナにしよう。

Jingle Bells, Jingle Bells, Jingle all the way...

ふと、薄暗い中に黄色い花をつけている小さい樹を見つけた。

蠟梅だ。
ロウのような少し透明な黄色い花弁を付けた
小さい花。
それが細い枝にしがみ付くように咲いていた。

香りを嗅いでみる。
ああ、これは新春の香りだ。
まぎれもない春の香り。
私の大好きな香りだ。

その瞬間、クリスマスを心待ちにする時間は終わった。
やはり、今日は1月10日。
まぎれもない、お正月を過ぎた、その日である。

でも、よかった。
クリスマス気分は、たっぷり味わった。
十分取り戻した。
これで、今年の12月まで、ジングルベルはいい。
トナカイの鼻も角も、もう忘れよう。
エカチェリーナは、、、モスクワに帰ってもらおう。

これから白や紅の梅が咲き、
豆をまいて鬼を退治し、
チョコレートを配ったり自分で食べたりして、
楽しいイベントが大挙してやってくる。
その時々を十分に味わおう。
今年はなんだかそれができそうな気がする。

今日は1月10日。
もう10日経った。
そして、今年はまだ355日もある。
楽しむことがいっぱいだ。








2013年1月9日(水)

今日は久々に、少しだけだが英語を話した。
海外の大手アパレル会社のデザイナーさんたちが
日本貿易振興機構(JETROジェトロ)という独立行政法人に招待され、
日本にやってきている。
JETROは日本の生地メーカーを10社ほど集めて、
東京のJETROの事務所で展示会を行ったのだ。

私の懇意にしている愛知県の生地の会社が、
その展示会に出展しており、
私はちょっとヘルプを頼まれた。

バイヤーさんは5名。
イタリヤ、ロンドン、パリ、ニューヨークから来ていた。
その中には、有名ブランドも含まれている。

普通の大きな展示会と違うのは、
開場したら、すぐにバイヤーさんがブースに来て生地を見る。
バイヤーさんは10社すべてのブースを回る。
各々ばらばらに見て回るわけだが、
商談が途切れることはない。
次から次へと5名がブースに来て、
生地を丹念に見て選ぶ。
5名との商談が終わったら、もう展示会は終わり。
今日はおよそ1時間半で終了した。

生地の商談に参加するのは、久しぶりだ。
以前数年間、集中して生地の輸出営業をしていたことがある。
その時の雰囲気をすこし思い出した。

それにしても。
当時も思ったのだが、
デザイナーさんたちって、本当にみなさん
黒い洋服を着ている。
数年前は、「今のファッション業界のトレンドなのかな~」と思っていた。
ファッションのトレンドではなく、業界のトレンド。
ファッション従事者の間での流行。

でも、今日もほとんどみな黒づくめ。
そして、出展社も、ほぼ黒っぽいスーツ。
デザイナーさん一人一人についている通訳さんも
皆黒のスーツ。

JETROの会議室は広いので、重苦しい雰囲気にはならないのだが、
でも、見回すと、黒、黒、黒。
みごとに黒かった。

本当にいつも不思議に思う。
美しい色を選び、色とりどりの洋服を作る人たちなのに、
どうして自分の装いは黒なのだろうか。
色の溢れた仕事場で一日中働いていると、
自分の身に付ける物には色を付けたくなくなるのだろうか。

パリの展示会に行っていた時、
デザイナーさんたちは素敵なウェアを着こなし、
高いヒールを履いて、個性を強調しているかのように見えた。
でも、私はもっとカラフルな装いを予想していた。
ごくごく一部、派手に色を纏っている人もいたが、
ほとんどは黒いTシャツに黒いジャケットに、黒いパンツ、そして黒い靴。
却って没個性に見えた。

ただ、本人のキャラクターは、皆それぞれとても個性的。
型にはめられず、自分の主張を良しとして育てられた人たちなんだろうなぁと思う。
「私はこれが好き」と主張をしてきた人たちが辿り着いた色が
黒なのだろうか。

黒にはとても強い引力があるのかもしれない。





思い込み戦略



2013年1月8日(火)

一月に入って、すでに8日が経ってしまった。
体感的には、5日しか過ぎていない感じだ。
そうやって、少しずつ少しずつ実際の時間と体感時間がずれていき、
おそらく今年の年末にも、
「ああ、飛ぶようにすぎた一年だった」と言うことになるのだろう。

このずれは、「一日をたっぷり過ごした」という実感がないままに
その日が終わってしまうことが原因だと思う。
それはなんとなくわかるのだが、
何をどのようにすれば「たっぷり過ごした」という
満足感が得られるのだろうか。

朝早く起き、用事を数多くこなし
一日の仕事を予定通り終え、
就寝時には軽い疲労感を覚えながら眠りにつく。
そういう毎日を過ごしていれば、
体内時計は狂わないのだろうが、
私には到底そのような立派な一日は過ごせそうにない。
なんせ低血圧で寒がり。
朝起きるのがつらい。
早朝の散歩なんて、まだまだ始められそうにない。
それに、牧場の牛よりも動作がノロい。
「テキパキ」という言葉は、憧れに近い。

そこで私の考えた作戦は、
「思い込む」というもの。
朝寝坊しようが、仕事がちっとも進まなかろうが
夜の一番最後、寝る前に、
「あー、今日も時間をたっぷり使って、
とても充実した長い一日だったなぁ」と思ってみる。

いや、実は夕べそれを試みてみた。
ちょっと思うのではなく、
本当にそうだったような気がするまで、
何度も頭か心の中で繰り返す。
まぁ、すぐに眠くなり意識がなくなるので、
自分自身を洗脳できたかどうかは分からない。

でも、気のせいかもしれないが、
今日は体内時計がリセットされていたような気がするのだ。

一日をたっぷり充実させる、という努力をせずに、
充実したような気自分自身をだます、というお手軽な方法を取ることは、
人様に誇らしげに発表することでもないが、
内心、「そんなに悪くないんじゃないか」とも思っている。
どんなにスボラで情けない一日を過ごしても、
「あぁ、今日も能力を十二分に発揮して、
充実した一日を過ごした!」と思えるということは
幸福ではないだろうか。
そして、案外正しい心の持ちようではないか。

「あぁ、あれもできなかった、これもまだやっていない」
「あれが心配だ、これが不安だ」
と思わなくて済むのだから、これを大晦日まで続ければ、
この一年、今までで一番ハッピーな年になるのではないか。

こう書いていて、だんだんその通りだと思うようになってきた。
自己洗脳、自己催眠にうまくかかってきたようだ。

机の上や頭の中には、やらなければならないことが山積している。
でも今日はもうパソコンを閉じ、寝る支度をしよう。
「今日も精一杯やりきった! すごい一日を過ごした!」と
何度も頭か心の中で繰り返そう。
きっと明日の朝は、
「あぁ、今日は一月の九日目の朝だ」
ときっちり思えるようになっているだろう。





高揚感 Ⅴ



2013年1月7日(月)

この場で他の方の書いたブログを紹介することが
これまでほとんどなかったが、
今日はぜひ紹介したいブログがある。

私は読んだとき、
じわじわとした高揚感を味わった。
いえ、高揚感というより、感動と言った方が正しい。
母親の深い愛情と思慮深さ、
そしてユーモアの詰まったメッセージだ。

もうすでに大きな話題になっているので、
お読みになった方も多いと思うが、
まだの方はぜひ読んで頂きたい。

子供たちに携帯電話やインターネットの使い方、
ルールや扱いを教える際に
とても参考になると思う。
私も姪に読んでほしいと思う。
もし可能であるなら、それぞれのご両親がオリジナルで作って頂きたい。

内村明さんという方の和訳も、とても読みやすくて素晴らしい。
ぜひお楽しみください。 >>>

そして、この原文を書いたのは、
Janell Burley Hofmann(ジャネル・バーリー・ホフマン)という
アメリカの女性。
6人の子供のお母さんだという。
去年のクリスマスの日に、
自分自身のブログに、このメッセージを載せている。

英語の読める方は原文でどうぞ。 >>>

Enjoy!



冬の空気



2013年1月6日(日)

私の住んでいる町は、冬になると夜回りの人が町を回ってくれる。
昔聞いたような
「ひの~よ~じん、さっしゃりませ~」
という掛け声は聞こえないが、
拍子木の音が、間遠に聞こえてくる。

冬の空気は乾燥していて、拍子木の高い音が良く通って聞こえる。
それを聞くと、夜回りの人の白い息まで
見えるような気がする。

夜遅く、家の中のごみを集めて、
勝手口の外に置いてあるゴミ箱に入れる。
その時、必ず空を見上げる。

晴れている夜は、星が良く見える。
星座のことは良くわからないが、
夏よりも多く見える。
そして、輝きも増しているような気がする。

家の近所は夕方以降は車がほとんど通らず、
人通りもまばらだ。
昼間は外に遊ぶ子供たちにかき回されていた空気が、
夜はひっそりとすっかり静まり返る。
そして、ますます冷たく、透明度を増す。

寒いのは全く好きにはなれないのだが、
この冬の夜や、早朝の空気は、
他に代えようのないほど美しいものだと思う。

まだ全く実現できていないのだが、
そろそろ朝の散歩を始めたいと思っている。
まだ暗いうちに家を出て、
白い息を吐きながら、町を歩く。
そのうちに遠くの空がうっすらと茜色になり始め、
見る見るうちにあたりが明るくなり、
通勤の人たちとすれ違うようになる。

この季節にしか味わえない美しい時間を
明日か、明後日か、いつになるだろうか、
早く楽しみたい。
今日はこの辺で、店仕舞いにしよう。



初びっくり



2013年1月5日(土)

あぁ、びっくりした。
今年の初びっくりである。
とてもびっくりしたので、
ブログにしっかり記しておきたい。

去年の夏に書いたブログで【初音ミク】という歌手が
『牛乳石鹸の歌』を歌っているYou Tubeを紹介した。
可愛らしい高い声で、さらりと歌っていて、
こののどかな歌にぴったり合っていて、
いいなぁと思っていた。

また、古い歌を今どきの歌い方でカバーしているのも
新鮮で面白いと思った。
選曲したプロデューサーのセンスが好きだった。

【初音ミク】とインターネットで検索すると、
本人の写真が出てこない。
そのかわり、アニメーションのキャラクターのようなイラストが出てくる。
いつも同じイラストだ。

きっとプロレスの覆面レスラーのように、
本人の顔を公表しないという宣伝方法を取っていると思った。

そして初音ミクは、古い歌ばかりをカバーしている。
カバー曲だらけのようにも思える。
そういう戦略なのだと思った。

その後、インターネットではちょくちょく
『初音ミクが歌っている○○』と見かけるようになり、
新人ながらもうすでにかなり有名で、
テレビに出てこないために、更に人気を高めているのだろうと
思っていた。

そうしたら、今日の新聞を見て驚いた。
【初音ミク】の開発者(!)のインタビュー記事が出ていたのだ。

そこに注釈があった。
『初音ミク ヤマハが開発した歌声合成ソフト「ボーカロイド」の
代表的ソフト。』

え? 何? ナニ?
ソフト? 歌f声合成ソフト?
コンピューターのソフトウェアのこと?

えーっ! そうだったの?
初音ミクって、コンピュータの声だったの?
初音ミクという人は、架空のキャラクターだったの?
ほんとそういう人、いなかったんだ。。。

すっかり実際にいる歌手だと信じていた。
みんなも「初音ミクが歌っている○○」と表現していたし、
今まで全く疑っていなかった。

更に解説は続く。
「パソコン上で音符と歌詞を入力すると、
声優・藤田咲の声で歌ってくれる。」

え?
では、藤田咲さんが歌っているのと同じということ?
藤田咲さんが歌うのと、初音ミクが歌うのと
何が違うの?

ああ、そうか。
初音ミクはソフトウェアだから、
音符通りに歌う。
そして、その音符に対しては、一つの声しか持っていない(だろう)。
だけれど、藤田咲さんが歌えば、
時々音程をすこし外すかもしれないし、
歌うたびに歌い方、声の出し方も少し変わるだろう。

藤田咲さんが歌手としてCDを出すのと、
初音ミクが同じ歌でCDを出すのでは、
初音ミクの方が人気が高いというわけだ。

いや、そもそも初音ミクはCDを出す必要がないだろう。
ソフトウェアを買った人が、
自分の好きな歌を何でも初音ミクに歌わせることができる。
初音ミクは童謡から民謡からシャンソンからカンツォーネから
何から何まで歌ってくれる。
それも、あの可愛らしい声で。

実際、彼女に軍歌を歌わせている人がいる。
それをYou Tubeで公開しているのだ。
そうなると、You Tubeは
「私はミクちゃんにこれを歌わせてみた。
どう? なかなかいいでしょう?」
という、ミクちゃんファンの腕比べ、
アイディア比べの場になっているのだろう。
アニメのキャラクターっぽいミクちゃんに
軍歌を歌わせる、というのは
ある種の欲望を満たしているのではないかという
憶測も湧いてくる。

自分の言うなりに、可愛い声でなんでも歌ってくれるミクちゃん。
自分が作った歌でも、上手に歌ってくれるミクちゃん。
それは、人気が出るのは良くわかる気がする。
私だってもし曲が書ければ、
ミクちゃんに歌ってみてもらいたい。

なんとライブコンサートも開かれているらしい。
それには、海外数か国を含む。
実際の歌手は存在しないのだから、
スクリーンにアニメーションを映し出して、
そのキャラクターが歌うのだろう。
それに合わせて、会場にいる5000人が
一緒に歌うのだそうだ。
へぇぇ。面白い。
でも、これ、ライブというのかしら???

それにしても、初音ミクに『牛乳石鹸の歌』を歌わせた人のセンスを
私は買う。
初音ミク世代の人がこの歌を探し出したのもすごいし、
ミクちゃんの声、歌い方に合っているからだ。
ミクちゃんに軍歌を歌わせてはいけない。
16歳のミクちゃんには、16歳らしい歌を歌わせなければならない。
そうしないと、歌手として、人間として、大成しない。
こういうのをまぎれもなく老婆心というのだろう。

私は、やはりライブに行くなら、
ミクちゃんよりスーザン・ボイルだ。
同じ声、歌い方で、どんな歌もそつなく歌うミクちゃんより、
人間ぽく、そして深みがあり、
その時々で違った情感を込めて歌を歌う、
実在の歌手のライブの方が、数十倍感動する。

ミクちゃんは、『牛乳石鹸の歌』以外は、
もう聴かなくてもいいかな。







高揚感 Ⅳ



2013年1月3日(木)

『レ・ミゼラブル』という映画がヒットしているという。

これは、ヴィクトル・ユーゴーが1862年に書いた、
ロマン主義フランス文学の大河小説で、
1本のパンを盗んだために19年間もの監獄生活を送ることになった
ジャン・ヴァルジャンの生涯が描かれている。

この小説は、今から30年ほど前にイギリスで舞台ミュージカルに仕立て上げられ、
大ヒット作になった。
それが今度は、ミュージカル映画になったというのだ。

ミュージカルの中で『I Dreamed A Dream』(夢破れて)という歌が
歌われる。

4年前、この歌をオーディション番組で歌って
一躍有名になった女性がいる。

Susan Boyle スーザン・ボイル

全く無名の素人で、見た目にも××な47歳の女性が、
歌い出し直後から、全観衆と審査員全員の心を鷲掴みにし、
会場を感動の渦に巻き込んだ。

動画を見ると分かるが、
彼女が舞台に登場すると、
明らかに審査員、そして観衆が
「ぜんぜんだめ、問題外」という顔をしている。
ところが、彼女が最初のフレーズを歌い出した途端、
全員の顔つきが変わった。
そして、歌の途中から、聴衆が立ち上がりだし、
歌い終わると、聴衆と審査員までもが総立ちになり、
割れんばかりの拍手を送った。

彼女がオーディションの初回と、
そして決勝戦で選んだ曲が、
この『I Dreamed A Dream』という歌だったのだ。

このオーディション番組の動画は、
すでに1億1千万回以上、世界中で見られている。
きっと、多くの人が、何度も繰り返し見ているのだろう。
何度見ても、引き込まれ、感動する。
それほど、彼女の歌唱力、表現力、
そして飾らないキャラクターがこちらを魅了する。

もうすでに見た方も多くいらっしゃると思うが、
また新たな気持ちで見ると
ちがう感動を覚えるのではないだろうか。

歌の内容はとても悲しいものだが、
Susan自身のチャレンジする精神、
堂々とした歌いっぷりは、
まことに新年にふさわしい動画だと思うので、
ここに紹介します。

 ↓ クリックすると、動画が見られます。
(画面の下に広告が出てきますが、[×] をクリックすれば消えます。)



I Dreamed A Dream の歌詞は、以下の通り

I dreamed a dream in time gone by
When hope was high and life worth living
I dreamed that love would never die
I dreamed that God would be forgiving
Then I was young and unafraid
And dreams were made and used and wasted
There was no ransom to be paid
No song unsung, no wine untasted
But the tigers come at night
With their voices soft as thunder
As they tear your hope apart
And they turn your dreams to shame
And still I dream he'd come to me
That we would live the years together
But there are dreams that cannot be
And there are storms we cannot weather

I had a dream my life would be
So different from this hell I'm living
So different now from what it seemed
Now life has killed the dream I dreamed

訳詞は、みなさんそれぞれで検索してみて下さい。
たくさんのページで紹介されています。


それから、資生堂の『HAKU』という商品の
コマーシャルソングを歌っているそうです。
その歌は、こちらで聞けます。


ページの下方にある、
【♪HAKU TVCM挿入歌を聴く Play▶】
をクリックして下さい。



インタビューも読めます。

Enjoy!






黄色い封筒



2013年1月2日(水)

いつもはあまり開けない引出を開けたら、
黄色い封筒が目についた。

あ、これ、まだあったんだ。

それは、一昨年買った、宝くじ。
買ったことのない宝くじ。
でもあの時は、本当に、本当に、本当に当たってほしくて、
ドキドキしながら窓口に行った。

買い方のコツが分からず、
「適当に30枚下さい」と言ったと思う。

本当に当たってほしい割には、思い入れが少ないように思える。
いや、思い入れが強すぎて、
自分で自分の選択に自信を持てなかったのだ。

そもそも、どの窓口で買うかも、長い間決められなかった。
そして、締め切りギリギリになって、
結局一番近所のみずほ銀行に行ったのだった。

インターネットで、縁起のいい保管方法を調べた。
冷暗所で、黄色いものに包んでおくといい、ということだった。
はじめから、宝くじは黄色い封筒に入れて渡してくれる。
だからそのまま、中を全く見ずに、
大きなスーツケースの中に入れておいた。

去年の年末の抽選会は、見なかった。
新聞の速報も読まなかった。
そして、去年の初夢にすべてを掛けた。

初夢の方が抽選会より後なので、
もう結果が出てしまってから良い初夢を見ても、
事実は変ることはない。
そんなことは分かってはいても、
もし縁起の良い初夢を見たら、
黄色い封筒の中の数字が、チャカチャカチャカっと変わるのではないかと、
なんだかそんな荒唐無稽な期待を持っていた。

そして、見た!
宝くじで1億円が当たる夢を。
本当に見たのだ。
信じられなかった。
念じる力は、本当にすごい。

私はその夢を誰にも話さなかった。
良い初夢は人に話すと実現しない、と聞いたことがあるからだ。
私は家族にも誰にも、宝くじを買ったことさえも話さなかった。

私は本当に当たっている気がした。
封筒の中で、数字がチャカチャカ変っているに違いないと思った。
一億じゃなくても、数百万は当たっていると思った。
もうその日から、胸がドキドキして仕方がなかった。

くじを確認するのは、なかなかできなかった。
でも、見なければならない。
このままでは、苦しくてどうしようもない。
見なければ、何事も進まない。

私は意を決して封を開いた。

結局みごとに大外れだった。
がっくり力が抜けた。
しばらくその場から動けなかった。
「ああ、だめだった。。。」

そのあと、私には数えきれないほどの良いことが
たくさん起こった。
初夢は現実になったのだ。
宝くじのあたりではなかったが、他のことが大当たりだったのだ

なぜあの時の宝くじをすぐに捨てなかったのだろう。
あの時、これを持っていれば、
初夢が何かほかのこととして叶うと思ったのだろうか。
それとも、ただ未練がましかっただけなのだろうか。

今となってはいい思い出だ。
本当に当たってほしかったあの時の思いを、
まざまざと思い出した。

去年の年末は、宝くじを買わなかった。
そして、今朝の初夢は、なんだか忘れてしまった。
でも、ちょうど一年ぶりに目にした一昨年の宝くじ。
去年の初夢の縁起が、今年も続くような気がしてきた。
良い年になりそうだ。