初びっくり



2013年1月5日(土)

あぁ、びっくりした。
今年の初びっくりである。
とてもびっくりしたので、
ブログにしっかり記しておきたい。

去年の夏に書いたブログで【初音ミク】という歌手が
『牛乳石鹸の歌』を歌っているYou Tubeを紹介した。
可愛らしい高い声で、さらりと歌っていて、
こののどかな歌にぴったり合っていて、
いいなぁと思っていた。

また、古い歌を今どきの歌い方でカバーしているのも
新鮮で面白いと思った。
選曲したプロデューサーのセンスが好きだった。

【初音ミク】とインターネットで検索すると、
本人の写真が出てこない。
そのかわり、アニメーションのキャラクターのようなイラストが出てくる。
いつも同じイラストだ。

きっとプロレスの覆面レスラーのように、
本人の顔を公表しないという宣伝方法を取っていると思った。

そして初音ミクは、古い歌ばかりをカバーしている。
カバー曲だらけのようにも思える。
そういう戦略なのだと思った。

その後、インターネットではちょくちょく
『初音ミクが歌っている○○』と見かけるようになり、
新人ながらもうすでにかなり有名で、
テレビに出てこないために、更に人気を高めているのだろうと
思っていた。

そうしたら、今日の新聞を見て驚いた。
【初音ミク】の開発者(!)のインタビュー記事が出ていたのだ。

そこに注釈があった。
『初音ミク ヤマハが開発した歌声合成ソフト「ボーカロイド」の
代表的ソフト。』

え? 何? ナニ?
ソフト? 歌f声合成ソフト?
コンピューターのソフトウェアのこと?

えーっ! そうだったの?
初音ミクって、コンピュータの声だったの?
初音ミクという人は、架空のキャラクターだったの?
ほんとそういう人、いなかったんだ。。。

すっかり実際にいる歌手だと信じていた。
みんなも「初音ミクが歌っている○○」と表現していたし、
今まで全く疑っていなかった。

更に解説は続く。
「パソコン上で音符と歌詞を入力すると、
声優・藤田咲の声で歌ってくれる。」

え?
では、藤田咲さんが歌っているのと同じということ?
藤田咲さんが歌うのと、初音ミクが歌うのと
何が違うの?

ああ、そうか。
初音ミクはソフトウェアだから、
音符通りに歌う。
そして、その音符に対しては、一つの声しか持っていない(だろう)。
だけれど、藤田咲さんが歌えば、
時々音程をすこし外すかもしれないし、
歌うたびに歌い方、声の出し方も少し変わるだろう。

藤田咲さんが歌手としてCDを出すのと、
初音ミクが同じ歌でCDを出すのでは、
初音ミクの方が人気が高いというわけだ。

いや、そもそも初音ミクはCDを出す必要がないだろう。
ソフトウェアを買った人が、
自分の好きな歌を何でも初音ミクに歌わせることができる。
初音ミクは童謡から民謡からシャンソンからカンツォーネから
何から何まで歌ってくれる。
それも、あの可愛らしい声で。

実際、彼女に軍歌を歌わせている人がいる。
それをYou Tubeで公開しているのだ。
そうなると、You Tubeは
「私はミクちゃんにこれを歌わせてみた。
どう? なかなかいいでしょう?」
という、ミクちゃんファンの腕比べ、
アイディア比べの場になっているのだろう。
アニメのキャラクターっぽいミクちゃんに
軍歌を歌わせる、というのは
ある種の欲望を満たしているのではないかという
憶測も湧いてくる。

自分の言うなりに、可愛い声でなんでも歌ってくれるミクちゃん。
自分が作った歌でも、上手に歌ってくれるミクちゃん。
それは、人気が出るのは良くわかる気がする。
私だってもし曲が書ければ、
ミクちゃんに歌ってみてもらいたい。

なんとライブコンサートも開かれているらしい。
それには、海外数か国を含む。
実際の歌手は存在しないのだから、
スクリーンにアニメーションを映し出して、
そのキャラクターが歌うのだろう。
それに合わせて、会場にいる5000人が
一緒に歌うのだそうだ。
へぇぇ。面白い。
でも、これ、ライブというのかしら???

それにしても、初音ミクに『牛乳石鹸の歌』を歌わせた人のセンスを
私は買う。
初音ミク世代の人がこの歌を探し出したのもすごいし、
ミクちゃんの声、歌い方に合っているからだ。
ミクちゃんに軍歌を歌わせてはいけない。
16歳のミクちゃんには、16歳らしい歌を歌わせなければならない。
そうしないと、歌手として、人間として、大成しない。
こういうのをまぎれもなく老婆心というのだろう。

私は、やはりライブに行くなら、
ミクちゃんよりスーザン・ボイルだ。
同じ声、歌い方で、どんな歌もそつなく歌うミクちゃんより、
人間ぽく、そして深みがあり、
その時々で違った情感を込めて歌を歌う、
実在の歌手のライブの方が、数十倍感動する。

ミクちゃんは、『牛乳石鹸の歌』以外は、
もう聴かなくてもいいかな。







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