続々・へちま2013 Ⅲ そして、七夕遊び2013
2013年10月25日(木)
(一昨日の続き)
その後もヘチマは順調に育ち、
あのご近所のヘチマに負けずとも劣らないほど茂った。
そして、待望の雌花もたくさん開き、
実を付けだした。
こんな小さな実が、無数についている。
今年のヘチマの目的は、なんといっても収穫だ。
収穫して、食べる。
食べる。食べる。食べる。
そのほろ苦く柔らかい味を知ってしまったからは、
もう、ヘチマのたわしには、興味がない。
ヘチマは食べるもの。
大切な食材だ。
しかし、だ。
いかんせん、植えるのが遅かった。
遅すぎた。
ヘチマの実が育つには、相当の陽の光りが必要だ。
あの夏の灼熱の太陽が幾日も必要なのだ。
こんな秋の、もう11月もすごそこにきているという、
そんな弱い日差しの中では、
ヘチマの実はもう大きく育たない。
育てと言う方が無理である。
だから、あきらめた。
大きな実を食べるのは、あきらめた。
実は、小さいまま食べよう。
そう、やはり、食べるのだ。
しかし、だ。
いかんせん、植えるのが遅かった。
遅すぎた。
ヘチマの実が育つには、相当の陽の光りが必要だ。
あの夏の灼熱の太陽が幾日も必要なのだ。
こんな秋の、もう11月もすごそこにきているという、
そんな弱い日差しの中では、
ヘチマの実はもう大きく育たない。
育てと言う方が無理である。
だから、あきらめた。
大きな実を食べるのは、あきらめた。
実は、小さいまま食べよう。
そう、やはり、食べるのだ。
いちばん大きいもので、13cmくらい。
なんだか、食べるのがかわいそうだが、
食べるためにわざわざ新潟から取り寄せたのだ。
やはり、食べなくては、ヘチマさんに申し訳ない。
だから、食べる。
まだ、花のしべがついたままの、幼いヘチマ。
もしこれが7月だったら、これからぐんぐん伸びるヘチマ。
それを、頂いた。
母が炒め物の具にした。
ヘチマだけだと、あっというまになくなってしまうので、
他の野菜をたくさんいれた。
そうしたら、どれがヘチマか分からなくなった。
だから、お料理の写真はない。
でも、しっかりとヘチマの味がした。
歯触りはとても柔らかく、
やはり噛んで、かわいそうな気がした。
そして、とても美味しかった。
ヘチマよ。
今年も有難う。
あなたの味を、十分堪能しました。
やはり、あなたは素晴らしい野菜です。
来年は、もっと早く植えましょう。
そして、立派な実を収穫しましょう。
適切な植え付けの時期は、、、、と。
え? 5月初め?
ゴールデンウィークには、もう植えなくてはいけないの?
そう。わかりました。
GWね。
来年こそ、いいヘチマを食べますよ~。
・・・・・・
そして、今日のヘチマ棚。
まだ植えたまま。
ちらほら枯葉も見えだした。
こもところの台風続きで、充分な太陽の恵みもなく、
もう疲れはてて、ただネットに絡みついているように見えるが、
それでもよく目を凝らすと、小さい実がいくつも生っている。
そして、毎日すこ~しずつ、成長している。
それを、まだ、
私たちは食べる気でいる。
もう少し大きくならないかな。
あと少しで、食べたいな。
がんばって、もうちょっと大きくなってね。
そして。
七夕の短冊は、その後の幾度の台風にもめげず、
あの一枚の後はすべて、まだ網にしがみついている。
もしかして、、、
一番最初に落ちた願いが、叶う、ということ?
もしかしたらそうなのかもしれない。
私の願いも、母の願いも、
一番上に取り付けた彼女のあの願いも、
もう、今年は叶わないのかもしれない。
まぁ、いいか。
無事に毎日過ごしていて、美味しいご飯を頂けて、
そして、屋根のある場所で、暖かく過ごせているだけで、
とても幸運なのだから。
きっと来年も願い事は同じだろう。
叶うまで、毎年毎年書き続けるだろう。
簡単に叶う夢など、面白くない。
夢は大きいほどいい。
今年の棚仕舞いはいつにしようか。
あそこに生っている、あの子を最後の収穫にして、
お終いにしようかな。
もしこれが7月だったら、これからぐんぐん伸びるヘチマ。
それを、頂いた。
母が炒め物の具にした。
ヘチマだけだと、あっというまになくなってしまうので、
他の野菜をたくさんいれた。
そうしたら、どれがヘチマか分からなくなった。
だから、お料理の写真はない。
でも、しっかりとヘチマの味がした。
歯触りはとても柔らかく、
やはり噛んで、かわいそうな気がした。
そして、とても美味しかった。
ヘチマよ。
今年も有難う。
あなたの味を、十分堪能しました。
やはり、あなたは素晴らしい野菜です。
来年は、もっと早く植えましょう。
そして、立派な実を収穫しましょう。
適切な植え付けの時期は、、、、と。
え? 5月初め?
ゴールデンウィークには、もう植えなくてはいけないの?
そう。わかりました。
GWね。
来年こそ、いいヘチマを食べますよ~。
・・・・・・
そして、今日のヘチマ棚。
まだ植えたまま。
ちらほら枯葉も見えだした。
こもところの台風続きで、充分な太陽の恵みもなく、
もう疲れはてて、ただネットに絡みついているように見えるが、
それでもよく目を凝らすと、小さい実がいくつも生っている。
そして、毎日すこ~しずつ、成長している。
それを、まだ、
私たちは食べる気でいる。
もう少し大きくならないかな。
あと少しで、食べたいな。
がんばって、もうちょっと大きくなってね。
そして。
七夕の短冊は、その後の幾度の台風にもめげず、
あの一枚の後はすべて、まだ網にしがみついている。
もしかして、、、
一番最初に落ちた願いが、叶う、ということ?
もしかしたらそうなのかもしれない。
私の願いも、母の願いも、
一番上に取り付けた彼女のあの願いも、
もう、今年は叶わないのかもしれない。
まぁ、いいか。
無事に毎日過ごしていて、美味しいご飯を頂けて、
そして、屋根のある場所で、暖かく過ごせているだけで、
とても幸運なのだから。
きっと来年も願い事は同じだろう。
叶うまで、毎年毎年書き続けるだろう。
簡単に叶う夢など、面白くない。
夢は大きいほどいい。
今年の棚仕舞いはいつにしようか。
あそこに生っている、あの子を最後の収穫にして、
お終いにしようかな。
続・へちま2013 Ⅲ そして、七夕遊び2013
2013年10月22日(火)
(昨日の続き)
我が家の3株のヘチマは、それでもこちらの心配をよそに、
しっかり根を張り、すくすくと育ってくれた。
ひと月後の9月15日には、
一応網全体に葉を広げ、短冊を隠すようになってきた。
少しほっとする。
願い事だけが網にさびしくぶら下がっているという光景は、
見ていて少し悲しくなる。
色とりどりの短冊は、
こういう旺盛な生命力の中にチラチラと見え隠れしてこそ、
「叶うかも」という期待がもてるような気がする。
まだ雄花だけだが、花も咲き始めた。
甘くておいしいのだろう。
よく見ると、蟻がどっさりと群がっている。
ところが。
我が家のヘチマにとって最初の試練は、
その次の日にやってきた。
台風が来て、狭い庭を強風が吹き荒れた。
そして、気が付くと、地面はこうなっていた。
よく見ると、蟻がどっさりと群がっている。
ところが。
我が家のヘチマにとって最初の試練は、
その次の日にやってきた。
台風が来て、狭い庭を強風が吹き荒れた。
そして、気が付くと、地面はこうなっていた。
花がたくさん落ちてしまった。
へちま2013 Ⅲ そして、七夕遊び2013
2013年10月21日(月)
7月3日に植えた3株のヘチマは、その後どうなったか。
今年の夏は昨年よりさらにひどい暑さが続き、
毎日々々猛暑日。
写真を撮る気も失せるほどの暑さだった。
新潟から来たヘチマの株は、
我が家の痩せて日当たりの悪い小さな庭でも、
ちゃんと根を張り、葉を茂らすだろうか。
これは、8月16日の、ご近所のヘチマ棚。
壁一面にヘチマの蔓が伝い、大きな葉が生い茂っている。
真っ黄色の花も、勢いよくいくつも咲いている。
これぞ夏!という風景である。
こちらのお宅は、毎年早く苗を植える。
土もいつもふかふかに栄養たっぷりにしてある。
だからこの時点で、この茂りよう。
ちゃんと手を掛ければ、こうなる。
お手本のようなヘチマである。
翻って、同日の我が家のへちま。
まだまだ、蔓も細く、葉も小さく、
はっきり言って、へなちょこりんである。
こんなに広い網を張る必要なかったかしらん、と
少し心配になる。
あ、言い忘れたが、今年も七夕遊びは忘れずにやった。
これは、7月21日の写真。
本来の七夕よりかなり遅れている。
そして、旧暦の七夕にはまだ早い。
夏休みで、香港から遊びにくるという姪を待っていたら、
みるみるうちに日が過ぎて、
もう明日に帰るという日に、慌ててやった。
猛暑ではあったが、これだけははずせない。
七夕とはまったく関係がなくなっている。
ただの願掛けのイベントである。
短冊を目の前に、何を願おうか、皆真剣そのもの。
そして、絞りに絞った願いが書きこまれた短冊を、
いつものように脚立によじ登って、
ヘチマの網にしっかりと括り付けるのは、私の役目。
一番実現してほしい、切実な願いは、
できるだけ高い位置に、背を伸ばして括り付けてあげる。
少しでも天に近いほうが、
効き目があるかと思って。
私のほんのちょっぴりの思いやりである。
家族それぞれの願い、期待、胸算用を一身に背負い、
色とりどりの短冊が風に踊った。
そして、8月16日の、我が家のヘチマがこれである。
ヘチマ君たち、これからどうなるのだろう。
しっかりと育ってくれるのだろうか。
そして、短冊たち。
おまえたちの運命や、いかに。。。
(つづく)
「へちま 2013 Ⅰ」
「へちま 2013 Ⅱ」
「続・へちま2013 Ⅲ そして、七夕遊び2013」
「続々・へちま2013 Ⅲ そして、七夕遊び2013」
「続々々・へちま2013 Ⅲ そして、七夕遊び2013 ~完~」
去年の七夕遊びは、こちら >>>
続々々・マダムM ~完~
2013年10月16日(水)
昨日の朝は、台風の影響で、
かなり気温が下がっていた。
見上げると、木々の葉が少し色づき始めていた。
暑い日が続いていたけれど、もう10月半ばなのだなぁ。
空は雲に覆われていた。
青い空も美しいが、重なる雲も美しさでは負けていない。
さぁ、今日は千里阪急百貨店でのショップ最終日。
どんなお客様にお会いできるかしら。
雨が降り出すと、お客様は少ないだろうなぁ。
そして、マダムMは相変わらず艶やかだった。
おはようございます、マダムM。
「あら、おはよう。
ごきげんですこと。何か良いことでも?」
もちろん、マダムMにお会いできることが楽しみで。
「まぁ、おほほ。うれしいわ。」
「このショール、とても暖かでしたよ。
夕べは少し気温が下がったので、助かりました。
シルクとカシミヤでできているのですね。
軽くて肩も凝らなくて、とてもいいわ。」
「首もきっちり巻いて頂いたので、
風も入らなくて、良かったですよ。」
ここ、風が入るんですか?
「そうなの。夜中は隙間風がスース―入るのよ。
ほら、最上階までエスカレーターでつながっているでしょう?
だから、ビル中空気が動くのよ。」
あぁ、そうですね。
デパートに住むのも、大変ですね。
「そうよ、大変よ。」
でも、そうやって、いつも左ばかり見て、飽きませんか?
「あら、あなた何をおっしゃっているの?
ワタクシには、目がないではありませんか。
可笑しな方ね。
私は見ません。感じるのです。
全方向、360度。
身体全体で感じているのです。」
まぁ、そうなんですか。
「後ろでこそこそしていても、すべてお見通しですよ。」
きゃっ!
では、時々こっそりフリスクを舐めているのも
ご存知でしたか。
「フリスク? フリスクというの? あの白い錠剤。」
はい。
ちょっとお腹がすいた、疲れた、というとき、
二粒舐めていたんです。
あ、けっしてイケないものではありませんよ。
「あたりまえです。」
舐めるというより、
両頬に一粒ずつ含んでいたんです。
売り場で物を舐めてはいけません。
だから、頬に入れるだけ。
口は動かしません。
「あら、それだって、ルール違反でしょう?」
はい。。。 ごめんなさい。
「お客様と話すとき、大変でしたでしょう?」
いえ、それはもう上手にしました!
なるべく言葉少なに、お客様の方にいろいろ話して頂いて。
「まぁ、あなたったら。」
。。。すみません。
「それはいいから、そろそろお洋服、替えて頂けないかしら?
下がスース―して。」
あ、失礼いたしました。
変えます。変えます。直ぐ変えます。
「こんどは、シルクリネンのショールね。」
はい、先ほどのものと柄が同じ、
【シルクリネン大柄ペイズリージャカード】です。
「中は、深い紺色のシルクカシミヤになさったのね。」
はい、曇りで少し寒いので、
暖かく、秋深い感じを出そうと思いました。
「まぁ、だんだん考えるようになってきましたね。
よろしいこと。」
暖炉の横で、読書するマダムM、という図です。
「おほほ。読書はいたしませんが、知識は多くてよ。」
ボトムは【ぼかし染シルクカシミヤストールL/グレー】を畳んで、
ロングスカートに見えるようにしました。
「なんだか、本当のスカートをはいている気分になってきましたよ。
それに、腰にベルトのように巻いたピンクが効いているわね。
それにしても、このスカートの生地は、本当に軽いわね。」
はい。
そのストールは、Lサイズでも、一枚80gしかないんです。
「まぁ、そんなに軽いの?」
はい。
「本当に軽くて暖かねぇ。」
マダムに喜んで頂けて、嬉しいです!
マダム、横から見ても、とても美しいですよ。
「 ドレープ、ちゃんと出ているでしょう?
この『シルクリネン大柄ペイ、ペイ、、、、』
ん、もう、ながったらしいわね。
この名前、どうになからないのですか?」
あの、私たちは『髭柄』というニックネームで呼んでいます。
『ひげがら? どうして?』
広げてみると分かるのですが、
中心に大きなペイズリー柄を配してあって、
それが、ダリの髭に似ているんです。
「ダリって、あのサルバドール・ダリ?」
はい。そうです。あのサルバドール・ダリです。
「まぁ、可笑しい。おほほほ。」
お客様にはナイショですよ。
「大丈夫よ。話さないわ。おほほほ。」
・・・・・・・・
「あなた、こんな雨なのに、
お客様にいらして頂いて、恵まれているわねぇ。」
はい、私もとても嬉しいです。
「今日は、贈り物を探されているお客様がお二人もありましたね。」
はい、お一人は兄嫁様へのギフトでした。
実のお母様を今年亡くされて、
その義姉様がお母様のご面倒をよく見られたので、
そのことに大変感謝していらっしゃるそうです。
それで、お礼の品として、【ランダムストライプS/ブルー】をお選びいただきました。
「そうですか。それはようございました。
あのお色と柄は、お顔が艶やかに見えますね。」
はい、お客様もそうおっしゃって、買われました。
「もうお一方は、、、」
はい、義理のご両親へのお誕生祝だそうです。
お二人揃って、今年還暦を迎えられたそうで、
その贈り物を探してらっしゃいました。
「そうでしたね。」
最初に、【ブロックチェック・ガーゼスト―ル】のピンクをご覧になって、
お義母様が好きな色なので、すぐにこれに決められました。
他にも三色お色があるのですよ、とお見せしたら、
「じゃ、イロチにしようかしら。
どうですか? イロチでもいいですよね?」
と仰るので、「えぇ、とてもいいと思います」と申し上げたんです。
「イロチ? イチローじゃなくて? イロチ?」
うふふ、マダムはご存知ないでしょう。
『イロチ』って、『色違い』の略です。
ヤングが最近使う言葉なんです。
「『ヤング』って。おほほ。
あなたも相当古いわね。」
あ。
「さぁ、そろそろおやつ時ですよ。
お衣裳替えた方がよくないかしら?」
あ、そうですね。
替えます、替えます。
「あら、今度は明るいピンクになさったのね。」
はい。【ぼかし染シルクカシミヤストール】の
L、S、XS、すべて巻きました。
「どおりで。とても暖かいわ。」
雨が降ってきたので、
なるべく明るく、柔らかい感じにしたいと思って。
生地をたくさん使って、ドレープをたっぷり出しました。
「この感じ、ワタクシに良く似合っていると思いません?」
えぇ、とてもお似合いです。
マダムのきめ細かくて白い肌が際立って、
前から見ても、右からも左からも、
どこから見ても、素敵です。
「ありがとう。
今日は最後まで、このままで行くわ。
もう変えなくてもよろしくてよ。」
はい、わかりました!
でも、今日でお別れなんて、
少しさびしいです。
せっかくお話ができるようになったのに。
「私もさびしいわ。
ここの展示は一週間だから、
仲良くなったと思ったら、すぐにお別れなのです。
だから、最初はあまり仲よくしないようにしようと思って、
話しかけなかったのです。
でも、あなたがNikonじゃなくて、iPhoneで写し始めたから、
がっかりしゃちゃって。つい。」
まぁ、そうだったんですか。
でも、私はお話できて、とても楽しかったし、
お勉強になりました。
マダムのお蔭で、いろいろなスタイリングを学べました。
有難うございました。
「あなた、ここにまたおいでになる?」
いえ、まだそういうことは決まっていませんが。
「そうなの。
またいらっしゃればいいのに。」
もし、そういうお話を頂けたら、ぜひ前向きに、、、
「いやぁねぇ。お仕事される方ってすぐに『前向きに』っておっしゃるの。
ただ、『はい』っておっしゃればいいのに。」
はい、すみません。。。
でも、こんど参りました時に、どうしたらマダムってわかるのですか?
「え?」
だって、マダムはご姉妹がたくさんいらっしゃって、
みなさん同じお顔に見えるんですもの。
「まぁ、そうね。あなたには同じに見えるわね。
じゃぁね、あなたにだけそっと私の個性を教えてあげるわね。
ちょっとこちらにおいでなさい。」
はい。
「あら、もっと近づいて。」
これくらいですか?
「右のあごの下に、ちょっと皺があるのよ。
見えるかしら?」
え? どこですか?
「もっと近づいて、よーくごらんなさい。」
あ! あった! ありました。
「でしょう? 生まれたときから、この皺があるの。
あなたたちの黒子のようなものね。
これが私の個性。見分け方。」
わかりました!
ちゃんと写真に撮りましたから、大丈夫です。
「いやぁね。これは、Nikonじゃなくても良かったのに。
あなたったら。」
いえ、まだiPhone4なので。
「はやく5をお買いなさい。」
あ、もう閉店の時間です。
マダムM、名残惜しいですが、お別れです。
「そうね、お別れね。
頑張ってお仕事なさいね。
ここからいつも応援していますよ。」
はい! ありがとうございます!
私もマダムのような素敵な女性になれるよう、
ガンバリマス!
「あら、それはちょっと。。。
おほほ。まぁ、頑張りなさい。」
マダム、本当にありがとうございました。
さようなら。
「さようなら。ごきげんよう。」
マダムMは確か、私より随分年下だ。
けれど、とても頼りがいのある、大人の女性だった。
マダムに認めてもらえるよう、もっともっと研鑽を積まなければ。
また会える日まで、お元気で。
Au revoir、マダムM!
続々・マダムM
2013年10月15日(火)
昨日も朝から雲一つない、晴れ上がった美しい日だった。
またマダムMに会えると、
ウキウキして千里阪急百貨店に入った。
前日の夜の衣裳は、これ。
閉店までこの衣裳でいてもらった。
夜を意識して、柔らかいドレープを出した。
【ランダムストライプ・シルクカシミヤストール】のピンク。
スカートには、【シルクカシミヤ大柄ペイズリージャカード】のネイビー。
実は、ストールが二枚巻いてある。
首元はSサイズを二つ折りにして、
肌が透けないようにしっかり巻いた。
そして胸元は、Lサイズでたっぷりとしたドレープを作った。
そうすることで、華やかで、そして暖かそうな感じを出した。
やはり、夕方ともなるとかなり気温が下がる。
暖かな演出が必要だと思った。
そして、昨日の朝は、晴れて気温が上がりそうだったので、
秋らしい雰囲気を残しながら、少し軽めにしてみた。
【シルクリネン大柄ペイズリージャカード】のローズ。
タテ糸すべてにシルクを使ってあり、とても暖かい。
そして、ヨコ糸はすべてリネン。張りがあり、軽い。
このリネンは、とても細く繊維がしなやかなので、肌に優しい。
「今日はiPhoneなのですか?」
は?
「今日はNikonじゃないのですね。」
え? なに? だれ? どこ?
「何をきょろきょろしてらっしゃるの?
私ですよ、マダムMです、」
はぁぁぁぁ?
「驚きました? ワタクシ、話すんですのよ。」
ど、ど、どういうこと?
「あなたのストール、気持ち良いですね。
上質の繊維を使っていらっしゃるのね。」
あ、は、はい。
「このシルクリネンも、とてもいいですよ。
軽くて、暖かくて
それに、リネンがチクチクしませんね。」繊維のこと、よくご存知で。。。
「まぁ、何をおっしゃっているの。おかしな方ねぇ。
ワタクシたち、この道のプロですよ。」
???
「何年、ここで衣裳を着ているとお思い?」
はぁ。そうですね。何年でしょう。。。
「かなり長いんですのよ。オホホ。
それにね、このお店はとても上質のお洋服を売っていらっしゃるので、
私もいつも良いものを着せて頂いているんですの。オホホ。」
はぁ。そうなんですか。
「ワタクシたちの年代になると、
いつもお顔の周りを華やかにしたいの。
このストール、張りがあっていつまでもペシャンってならないので、
とても良いですね。」
あ、ありがとうございます。
「夕べのストライプのシルクカシミヤも、
とても軽くて柔らかかったわ。
でも、あなた襟元を二重になさったでしょう?
少し暖かすぎたわ。
ほら、ここは閉店後は空調を止めるでしょう?
だからちょっと暑すぎて。
あ、でも心配なさらないで。ワタクシたち、汗をかかないの。」
そう、ですよね。はい。ありがとうございます。
「あら、お客様よ。早く行って、接客なさって。」
は、はい。行ってまいります!
・・・
「良かったわね。このストール、買って頂いたのね。」
はい! 今お召しのストールをとても気に入って下さって。
「でしょう? ワタクシ、ちょっとウィンクしました。」
はぁ?
あ、あの、初めはお召しのものをご覧になって、
ピンクを羽織られたのですが、
ブラウンを試されたら、そちらの方がお気に召して。
「聞こえていましたよ。とても気に入って下さったようですね。」
はい、ご子息のチェロの演奏会にお召しになるとおっしゃっていました。
「そうですか。私も、ここに座っていて、少しは役に立ちましたね。」
いえ、少しだなんて。
とても助けて頂いて。
ありがとうございます。
「おほほほ。でね、じつはこのストール、もう少し暑いんですのよ。」
あ、ごめんなさい。もう気温が上がってきましたか。
「外に出てごらんなさい。皆さん半袖ですよ。」
わぁ、暑いですね~。晩夏、みたいです。
「でしょう? ちょっと替えて下さらない?
色は、クールなのがいいわ。」
では、ストライプのブルーはいかがでしょう。
「よろしいわ。あちら、好きです。シャープな感じがして。
秋だから暖かそうに、
でも、実際は涼しくしてくださいね。」
わかりました。
これでいかがでしょう。
「あら、あなた、カメラに指が入っているわよ」
あ、すみません。
「こんどは、少しピンボケですよ。
iPhone 5になさってないの?」
ご、ごめんなさい。
「まぁ、いいでしょう。」
襟元はまた二重にしました。
マダムMの首がとても美しいので、ついつい巻きたくなるんです。
「おほほ。お上手ね。」
「これは、涼しくていいわ。
下の方から風が入るわ。
お客様が通るたびに、ふわりと風が入って
とても優雅な気持ちになります。」
はい、とてもおキレイです。
「まぁ、おほほ。」
・・・・・
「ねぇ、あなた。」
はい。
「もう、替えて頂く時間よ。」
あ、もうそんな。
「お外に出てごらんなさいな。
まだ少し暑いけれど、
陽がずいぶん傾いていますから、
装いにも温かみが必要になるころですよ。」
わかりました。
では、ストライプのレッドにしてみます。
いかがでしょう。
「いいわ。
ランダムのストライプの流れる線が良くわかって、
素敵ですよ。」
ええ、横から見ても、とても美しいです。
「襟元は、少しゆったりなさったのね」
はい、これから夜なので、少し華やかさを出そうと思いました。
「あなた、ネックレスはいつもこれなのね。
もっと夜にふさわしいのはないのですか?」
すみません。これしか持ってこなかったものですから。
「それも、ディスプレイ用はなく、ご自分でなさろうとしていたものでしょう。」
はい、よくご存知で。
「たまたまワタクシに似合ったからよいようなものの。」
はぁ。
「まぁ、準備不足、ですね。
こんどからは、ちゃんといくつかお揃えになることね。」
はい。気を付けます。
「ねぇねぇ、こちらのお店のシャンデリア、きれいだとお思いにならない?」
はい! 私もいつも見とれておりました。「でしょう?
ワタクシもこちらのお店に置いて頂いて、
とてもシアワセなのですよ。
いつもこのエレガントなシャンデリアに照らして頂いて、
とても優雅に過ごせるの。」
それに、お隣がダイヤモンドの売り場でしょう?
キラキラ輝いて、うっとり。
そして、その向こうはお化粧品。
いつもとても良い香りがするの。」
マダムのお好みの香りはあるのでしょうか?
「やはり、シャネルね。
若い時はいろいろ他のものに心移りしたのよ。
でももうこの年ですから、やはりオーソドックスなのに帰っていくわね。
あなたは?」
私は香りはつけないんです。
「あら、どうして?」
つける習慣がないというか、興味がなかったというか。
「あら、もうつけたほうがよろしいじゃないかしら。」
もうって?
「あら、もうはもうですよ。そういうお年頃でしょう?」
そうですか。
「そうですよ。もう香りで誤魔化すお年頃ですよ。」
(・・・・・。)
「ごめんあそばせ。少しストレートすぎたかしら。」
いえ、いいんですけれど。
「あら、おしゃべりばっかりしてしまって、ごめんなさい。
もう閉店のお時間ね。」
まぁ、もう?
「お外に出てごらんなさい。
今日は美しい半月ですよ。」
ホント。
「おほほ。
明日はちゃんとNikonを持っていらっしゃいね。」
そういたします。
「残り、明日一日だけだけれど、楽しく過ごしましょうね。」
はい! 明日も宜しくお願い致します!
はぁぁ。マダムM、しゃべった。
おしゃべり好きだった。
はぁぁ、マダムM、おそるべし。
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