◆素材についての考え◆ ~天然繊維を使う理由~



harukiiは、商品の原料を選ぶとき、
ウールやシルクといった天然繊維を使っていています。

その理由は二つあります。

1. 繊維が劣化しない

企画者である私自身が日頃感じていることですが、
天然素材100%の衣服は、
素材の持ちがとても長いように思います。
例えば、ウールのセーター。
何年か着ていると、手口の糸が切れたり、
肘の部分が薄くなったりします。
でもこれは、毛の繊維の性質が変化したのではなく、
徐々に細かい繊維が抜けていき、
糸が痩せ細ったために起こることです。


昔の人はよくそうしましたが、
傷んだセーターは糸をすべて解き、
蒸気を当てて、ふっくら再生させて、
また新しいセーターを編みました。
それが何度もできる繊維です。

絹も綿も麻も、同じように
古びる=繊維が抜けて糸が痩せる
ということで、繊維の質が劣化することではありません。

上質な天然繊維であれば、
むしろ時間を経て繊維が育つ、ということもあります。
綿や麻、絹などで経験された方は多いのではないでしょうか。
「よりしなやかになった」ということを。

使い続けたストールやスカーフが、
買ったとき、貰ったときよりもっと優しく自分を守ってくれる。
もっと頼りになる。
それが、その品物にとって一番幸福な役目なのではないかと思います。


2. 農産物である

ストールの仕上げ処理をしている時にいつも思います。
「このストール一枚に、一体何頭の羊やカシミヤ山羊、
お蚕さんたちの力をもらっているのだろう」と。

春夏の商品なら、
「一体何本の綿や麻の命が入っているのだろう」と。


羊も蚕も、ワタも麻も、大地からの栄養を吸い込んで育ちます。
そうして逞しく育ったものだけが、
繊維の原料になり、採集され、
多くの人の手と知恵と経験を経て、糸になり布になり、
今ここに私達の手の中に来るのです。

仕上げ作業は、とても楽しい仕事です。
なぜなら、素材がとても優しいからです。
その素材を切ったり糸を抜いたり、
ネームを縫い付けたりしながら、
私は大きな幸せを受け取っています。
それは、辿って行けば、大地からのプレゼントなのだと思います。


豊かな大地の栄養で体を守る。
だからこそ、それに触れたときに
深い安心感に包まれるのではないでしょうか。

そのような理由で、私は農産物である原料を使うことは、
使えるということは、
とても有難いことだと考えています。


今後もharukiiは大地から命を頂く天然素材を
大切に使わせて頂き、
安心できる製品を作っていきたいと思っています。





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