展示会に最後にやってきたお客様 Ⅱ



2012年7月29日(日) 25:30 NY時間

面白い女性に会ったものだ。

展示会初日の最後にブースに現れたケーブルテレビのプロデューサー。
名前は Nori Jung(ノーリ・ジュン)。
韓国で生まれ、長崎の大学で学び、大阪で武術を習い、
ニューヨークでアートを学び、
そして、SOHOで画廊を経営し、大学でアートを教え、
今は芸術と文化に関するテレビ番組を制作する会社を経営し、
武術も教えている。

日本語は完璧。
長崎弁も大阪弁も操る。
もちろん、英語はネイティブ並。
仕事では、ビデオカメラと三脚を担ぎ、
プロデューサー、ディレクター、カメラマン、司会者の三役をこなす。

彼女が金曜日の夜にホテルに来て、
武藤さんのストールの番組を作るために、撮影を行った。


この番組は編集されて、秋ごろケーブルテレビの番組になるらしい。
武藤さんのストールの魅力を何とか引き出そうと、
Noriはいろいろな質問を武藤さんにぶつける。
だんだん核心に迫り、このストールで最も勝負したところを武藤さんが話し出すと
見ている私も、おもわず引き込まれる。
Noriは、無理に話を作り出すことはしない。
武藤さんが話したいことを話したいように誘導する。
いいディレクターだなと思う。

撮影が終わり、皆で韓国料理を食べに出かけた。
Noriの案内で行ったお店は、とても美味しく値段も手ごろ。
皆、お腹いっぱい食べた。
その間中、Noriは皆にお料理をとりわけ、話をし、笑顔を絶やさない。
「笑顔はタダだからね。」
そして、自分ももりもり食べる。

すごく強い気質を持っているのに、なんとなくその場が柔らかくなる。
不思議な女性だ。

私は次の日、彼女の武術の教室に行って、そのあと彼女の家に遊びに行くことになる。

Nori の会社のサイトはこちら >>>

「展示会に最後にやってきたお客様 Ⅰ」

「展示会に最後にやってきたお客様 Ⅲ」




自由



2012年7月28日(土) 27;40 NY時間

昨日、自由の女神を見てきた。

前回見たのは、25年前。
貧乏学生だったため、自由の女神像のある島には渡らず、
そのそばを通る往復25セントのフェリーに乗って、行き帰りに眺めた。
それでも、とても感動した。

今回は17ドル払って、ちゃんとそばまで行ってみた。

女神というにはがっしりした男性のような右腕が、
高々とトーチを揚げている。
その雄々しい姿に、アメリカの独立精神の強さと気高さを感じる。
25年前と違うのは、自由の捉え方。
若い時は、権力や慣習、文化から解き放たれることを自由と感じた。
しかし、今回は「心の自由」こそ、私たちが一番尊重しなければならないものだと感じた。
心の自由は、ほかの誰でもない、自分自身がコントロールしている。
無意識にだれもが何かで心を縛っている。
その縛っているロープを一つ一つ発見し、解いていって、
やっと大人として自立し、本当の自由を獲得できるのではないだろうか。

自由の女神のあとで、新しいワールドトレードセンターの
建設中のビルを見に行った。
昔のビルより高いものを作っているらしい。

いろいろな経済的理由もあるのだろうが、
なんだか痛々しい、ヒリヒリした気がする。
なぜこんな高いものを、再びこの場所に作らなければならないのだろう。
テロに対する挑戦か。プライドの誇示か。

犠牲者でも、その遺族でも友人でもない私が
こんなことを言う権利は全くない。
ないが、あえて言いたい。
この場所には、「許し」を象徴するモニュメントを作ってほしかった。
テロという行為は全く許してはいけないし、今後絶対に起こってはいけない。
しかし、それを指示した犯人、実行した犯人を許すことをしなければ、
犠牲になった魂の真の鎮魂は得られないと思う。
犠牲者は、残されたものに決して「悲しみ、恨み、復讐」の気持ちを
持ってほしくないと思っているはずだ。

この高いビルを建てることによって、
再び心の自由を縛るロープを増やしてしまっているように思えて
仕方がない。





乾杯、ニューヨーク!



2012年7月28日(土) 04:00 NY時間

夕べ、というかもう一昨日になるのか。
26日の晩に、エンパイヤーステイトビルディングの75階にオフィスを構える
Katsu New Yorkさんのご招待を受けた。

このビル、なんと窓が開く。
古いビルで、しかも勝手に改築ができないのだという。
せっかくなので、窓を開けてもらった。

下をのぞく。
高い。

とにかく高い。
車が豆粒に見える。人は見えない。
窓から手を出して撮った写真。
「iPhone、ゼッタイに落とさないで下さいよ。」
「はいはい、気を付けますよ。大事なデータがたくさん入ってるんだから。」
「いや、落としたら、人を殺しますよ。」
「・・・・・」
ぞーっとした。絶対落とすまいと、手に力を入れた。

窓からはダウンタウンの方に向っている。
ワールドトレードセンターの跡地に建設中の
新しいビルも見える。



ここから見る夕日は絶景と、この夕べを心待ちにしていた。
ところが生憎の曇り空。
だったら、見晴らしも悪かろう。
せっかくの75階も、楽しめないのではないだろうか。

と~んでもない。
75階は、どんな天気も素晴らしく楽しめる。

右手のニュージャージー側から、黒い雲がこちらにせり出してきた、
と思ったら、見る見るうちにマンハッタンの空が真っ黒になった。


窓に大粒の雨が当たりだした。
もう日もとっぷりと暮れてしまった。

ビルの壁面が、赤いライトで照らされていえる。
窓から手をちょっとだけ出して、その光を受け止めた。

乾杯、ニューヨーク。
またすぐに戻ってこれますように。




夕べは楽しかった♪…はず...



2012年7月27日(木) 7:44 NY時間

昨日までの展示会は、無事終了。
3日間、いろいろな出会いがあった。
大成功、と言って良いのではないだろうか。

夕べはそれを祝い、ちょっと深酒。
どうやってラーメン屋さんから帰ってきたか、実は覚えていない。
かなり酩酊していたはず。
今回ホテル同室のマダムは、
「楽しい人になっていたよ」と言って下さる。

これから朝食に出かける。
夕べの酩酊の様子を、一つ一つ聞かされるだろう。
いつものことだけど、ちょっと心配。

どう楽しかったのか、わたし。

一生懸命撮ろうとして、焦点が合っていないエンパイアステートビルディングの廊下




展示会に最後にやってきたお客様 Ⅰ



2012年7月24日(火) 25:30 NY時間

展示会の初日が終わった。
不思議な一日だった。


わがブースへの来場者は少なかった。
それは、想定内。
しかし、展示会全体の来場者も少なかったように思う。
だから、会場内に冷房が効きすぎ
寒くて寒くて我慢ならない。
みなで交代で、外に暖を取りに行った。
太陽の熱は暖かい。ベンチは焼石のように熱かった。
なんとういう、エネルギーの無駄遣い。

今日はご商売につながるお話はないのかなぁ。
と、思っているところへ、閉場間際のお客様。
聞くと、ケーブルテレビのプロデューサー。
自分が作っている「芸術と文化」の番組に、
機屋さんのストールを出したいという。
できれば、明々後日の金曜日に、もう撮影をしたいという。

harukiiのストールではないが、面白そうな話。
私も通訳として、立ち会う。
でも、明々後日なんて、急すぎる。
TVの反響があって、対応が追いつくだろうか。
英語で機屋さんに電話がかかってきたらどうしよう。

いらぬ心配ばかり先走る。

多分、取材を受ける。
好奇心の方が勝ったから。
放映される頃にはNYにいないが、多分DVDが送られてくる。
撮影される前から、とても楽しみだ。

「展示会に最後にやってきたお客様 Ⅱ」

「展示会に最後にやってきたお客様 Ⅲ」




【お知らせ】 ホームページができました。



2012年7月24日(火) 06:50 NY時間

本日より、ニューヨークのジャビッツ・コンベンション・センターで
テックスワールドという展示会が始まります。
そこでharukiiは、商品を初めてお客様にお見せいたします。

この展示会に合わせて、ウェブサイトを立ち上げました。
まだ、たった一ページだけです。
お店に例えると、玄関扉だけが出来あがった、という感じです。

たった一ページだけですが、この玄関扉にいろいろな思いと、これからの夢を託しました。
これから少しずつ、扉の奥の部屋を作っていきます。
皆様にご覧いただけましたら、幸いに存じます。

harukii 日本語のページ

harukii 英語のページ

まだ歩き方を覚えたばかりの赤子のようなブランドですが、
今後のharukiiの成長とウェブサイトの展開を、皆様に見守って頂けましたら、、
こんなにうれしいことはございません。
皆様、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社はる希
代表取締役 高橋裕子

今朝、ホテルの窓から見た、エンパイアーステイトビルディング




展示会の準備日



2012年7月23日(月) 26:40 NY時間

展示会の準備日。
3社のサンプルをセッティングする。
大きな会場。多くの出展者。
来場者に足を止めて頂くために、一つのコーナーとして統一感が必要。
そして、一目でアピールするものを目につくようにディスプレイする。

ああでもない、こうでもない。
企画、設計、生産、営業。4人がそれぞれの立場、経験、感性で、意見を出し合う。
みなが手を動かし、口を動かす。
互いに意見を尊重しつつ、ストレートに言い合う。
4人の意見は、根幹では一致している。
それが、嬉しい。
チームとして、力を発揮できる、最大の要素。
明日からの展示会が成功するかどうか、ここが鍵。
きっとうまくいくと確信する。

13時に始まった準備作業が、着々と進み、16時には会場を後にした。
「さぁて、これからどうします?」
「もちろん、市場調査でしょう。」
きまり。
今日は高級デパートを攻めることになった。

Bloomingdale's(ブルーミングデールズ)。
Barney's NY(バーニーズ・ニューヨーク)。
そして、Bergdorf Goodman(バーグドーフ・グッドマン)

タクシーに乗り込む。
道路はすごい渋滞。
お蔭で、車内から街の様子がじっくり見られた。
Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)の外壁。
草間彌生の水玉模様。
このビル、ちょっとこっち側のビルより飛び出ている。
その分だけ水玉模様を施していて、
遠くからでも目立つ。
カッコいい。

トランペットを吹く黒人のオジサンの像。
ジャケット、パンツが、スパンコールでできた生地のように
きらきら光っていて、とってもチャーミング。

アップル社前。
このリンゴのロゴ、一口掛けているところ、考えた人すごいなぁ。

Bergdorf Goodmanの入り口。
さすが、NYの最高級デパート。
威風堂々。

Bergdorf Goodmanのウィンドウ。
取りがテーマなのか。
立体折り紙のよう。
ドレスのドレープの柔らかさを一層引き立てている。

こちらは真っ黒い大きなカラス。
ブーツの赤が印象的。
下に従って広がる形は、日本のアニメの影響か。

こちらの日暮れは、午後8:30ごろ。
デパートに閉店までいて、出てきたら、あたりは暗くなっていた。
さっき通りかかったLouis Vuittonの正面。
内側からの明かりが色とりどりで、とってもきれい。

これからホテルに戻る。
そのまえに、夕食!
みなお腹をぺこぺこに空かせて、イタリアンに入る。

とりあえず、ワインとビールで乾杯。
オーダーが来る前に、忘れないうちに、今見てきたばかりの商品群。
三つのデパートで、一番印象に残った製品を一人一人挙げ、その特徴をメモする。
それぞれ、違ったものを選び、その視点もそれぞれに独特。
「どうしたら、あれができるんだろう。」
「あれはすごかったな。」
「こうやれば、できるかもしれないな。」
「じゃぁ、こうしたら?」
「いやぁ。やっぱり素材は正直だわ。」

食べている間、話は商品のことばかり。
吸収力、感性の鋭さを高めるのって、
年齢は関係ないって、分かってしまった。
このチーム、面白くなるかもしれない。

レストランを出た時、空は真っ暗になっていた。

ホテルの玄関を入る前に上を見上げたら、
クライスラービルの頭がむこうに輝いて見えた。

明日も面白い一日になりそうだ。




NYに住んでいたはず



2012年7月22日(日)24:00 NY時間

ニューヨークに来た。
五年ぶりだろうか。
以前来たのは、クリスマスの時期。
とても寒かったはずだが、覚えていない。
やたら眠くて、どこへも行かずにずっと寝ていた。

だから、今回はとても久しぶりのような気がする。
だけど、毎回思うが、
ニューヨークに来ても、全く外国に来た感じがしない。
道行く人は外人さんばかりで、建物の雰囲気も違うし、匂いも違うのに
どうしてだろう。
いつも日常の延長のような気がするのだ。

一番最初に来たのは、1987年。
その時は、最初にとても懐かしいと思った。
その感覚が不思議だった。

今回は懐かしさはなく、ただ昨日の続き。
緊張もドキドキもない。
楽しみにしていないわけではなく、ただ普通なのだ。

きっと私は前世のどこかで、NYに住んでいたに違いない。
セントラルパークで和む人たちにまじって、
私もここでピクニックを楽しんでいたのだろう。

この穏やかな感じが、とても嬉しい。
これから10日間、私はこのリラックスした感覚を
思う存分楽しみたい。

明日は午後から展示会の準備。
どんなブースになるのかな。


2013春夏 ジャカードストール #4



2012年7月22日(日)

NYの展示会が間近になって、
初めて最初のサンプルが上がってきた。

わ。わわわ。
イイ。
思った通り、というより、思った以上の出来栄え。
ヨコに使ったリネンがしゃっきりとした張りを与えて、
なおも優しい。

色も狙い通り。
今回は柄が大きいので、わざとはっきりくっきりとした色を使わず
むしろ近くで見ると柄がわからないくらいぼんやりして見える。
しかし、いったん光を浴びると、そのがらがふわーっと浮き上がってくる。
おー、いいじゃない。
3配色とも、微妙な色合いを醸し出している。

さて、ここからが大事。
実際に使ってみて、使い心地がいいかどうか確かめてみる。
見た目が良くても、肌に優しくなければ、
結局タンスに仕舞い込まれる商品になってしまう。
harukiiは、年配の方に喜ばれる商品を目指している。
だから、肌触りや使い心地は、デザインより優先される。
デザインはとても気に入った。
だからこそ、その使い心地を確かめるのはドキドキする。

ところが、あいにくこのところの東京は
梅雨が明けてしまい、熱暑猛暑の毎日。
いくら薄くても、大判のストールを巻いて出ていく勇気がない。
どうしよう。
でも、NYの展示会前までに、その使い心地を確かめなければならない。
時間はあまりない。

ふわりと肩にショールのようにして掛けて
日傘を差して出かけた。

太陽がほぼ真上に来て、日陰など日傘の下以外には見当たらないというとき、
私は気が付いてしまった。
このストールの価値を。

直射日光は、肌に痛いのだ。
いくら日傘で遮っているといっても
やはり、むき出しの腕は痛い。
しかし、薄い布一枚羽織るだけで
なんとほっとすることか。
アラブや砂漠の人たちが、全身すっぽり布で包んでいる光景が浮かんだ。
「そうか、暑い時は布が必要なんだ。」

日本の暑さは異常になってきた。
夏の日差しいから肌を守る。
ストールには、そんな役割が出てきたのだ。
寒いからストールを巻く。
そして暑いからストールを巻く。
脱ぎ着が楽で、軽くて持ち運びに便利。
そんなストールは、一年中の必需品なのだ。

さて、肝心の使い心地。
実は、ちょっと首に痛い。
あぁ、いくら極細のリネンでも、やっぱり痛いのか。

ちょっと専門的になるが、
このストールはジャカード織で作ってある。
ジャカード織は、簡単に言えば、細かい綾織の集大成。
綾織は、よこ糸の色で、模様が浮き出されてくる。
ということは、よこ糸が表面にたくさん出ているのだ。

だから、よこ糸に使われている素材が
その肌触りの良し悪しを左右する。

このストールに使ったよこ糸は、リネンの平織ストールにも使った
吟味して選んだ極細糸
それでも、ジャカードで使うと、痛さが感じられる。

ただ、リネンは使っているうちに柔らかくなる。
特に良いリネンは、それが早い。
買ってすぐは肌にチクチクしたものも、使い始めてすぐに馴染んでくる。
このストールのリネンはどうかしら。
気になる。とても。

猛暑の中を毎日歩いて、日差しを遮ることばかりに気を取られていたが、
ある時気が付いた。
あ、柔らかくなっている。チクチクが弱くなってきた。
これ、イケるかもしれない。

この最初のサンプルは、あれから毎日のように使っている。
もう、手放せない一品になってしまった。
ちょっとリネンの腰がなくなって、くたくたになってきた。
これもいいけど、もっとパリッとしてほしい。
今日は家で、押し洗いをしてみた。
風に吹かれて、すぐ乾く。
リネンは元の表情に戻っている。
でも、ちくちく感がなくなっていた。

よかった、これNYの展示会に持って行ける。
harukii 第一号のサンプル。
成功といえるだろう。

さあ、NYでどんなお客様の目に留まるのだろう。
24日からのショーが、今からとても楽しみだ。





成田エクスプレスのお得なチケット



2012年7月21日(土)

明日、NYに向けて成田から出発する。
それで、昨日成田エクスプレスの乗車券を買いに行った。

最寄駅のチケットカウンターでは
「申し訳ありませんが、扱っておりません。」
それなら、どこで売っているか聞いてみると
「JR以外でしたら、JTBさんで扱っていると聞いたことがあります。」

JTBなら、駅からの帰り道にある。
さっそく寄ってみた。

「すみません。成田エクスプレスのチケット、購入できますか?」
「はい。扱っております。こちらにお掛け下さい。」

あー、よかった。
JRの駅までは電車に乗ってふた駅。
たったふた駅でも、時間が惜しい。
ここで買えるなら楽ちんだ。

「いつのご乗車ですか?」
「7月22日です。」
「何名様ですか?」
「4名です。」
「お時間はいつがご希望ですか?」
「12時ごろに成田空港につくのって、あると思うんですが。」
「はい、ございますね。渋谷からお乗りになりますか?」
「いえ、新宿駅からです。」
「では、10時40分に新宿駅を出て、11時57分に着くのがあります。」
「あぁ、それにして下さい。」
「お客様、こちらはご存知ですか?」
「なんですか? N'EXクーポン?」
「はい、かなりお安くなっています。お客様のEチケットか、旅程表をお見せ頂ければ、こちらの料金で乗車券が買えますが。」


なんだろう。初めてみる。
「こちらですと、片道710円、往復だと1420円お得です。」

えーっ、すごく安い!
通常片道3110円のところ、2400円で行ける。
約25%引き。
知らなかった。
成田エクスプレスで割引があるなんて、初めて聞いた。

もちろん、こっちで買いたい。
でも、今はEチケットも旅程表も持っていない。
どうしようか。
このまま買えば、割引はない。
いやいや、1420円には代えられない。
で、ウチに取りに帰った。

時間も惜しいが、お金はもっと惜しい。


再度JTBに行き、無事お得な往復チケットを買った。
「でも、この割引って、どうして?」
「多分、京成スカイライナーに対抗してだと思います。」
「?」
「あちらは、通常価格で2400円なんです。」
「へぇ、安い。」
「そうなんです。だから、その値段に合わせてあるんだと思います」
「でもこれ、JRでは教えてくれませんでしたよ。」
「そうなんです。JRさんでは扱っていないんですよ。」
「ええ? JRのチケットなのに、JRでは扱ってないんですか?」
「そうなんです。」
「じゃぁ、どこで扱ってるの?」
「当社を含めて、ごく限られた旅行代理店のみが扱っているんです。」

へんなの。
JR自身がやっていない割引を、大手旅行代理店が扱っているなんて。
JRさん、京成さんに対してがむしゃらさを出したくないのかな。
それとも、こちらが知らない“大人の”事情があるのかしら。

私としては、たまたま入ったJTBで、こんなお得なクーポンが使えるなんて
なんとういう幸運。
ラッキー、ルンルンルン♪ という感じ。
4人だと、往復で8枚分、計5680円も得したことになる。
浮いたお金で、きっと行きの成田エクスプレスから宴会だろうな。
なんだか、遠足に行く気分になってきたぞ。
そうだ、おいしいナッツとチーズを持っていこう!

明日には雨が上がる、と天気予報。
楽しい旅が始まる予感がする。




【お知らせ】 NYの展示会に出展します



2012年7月20日(金)

東京は梅雨が明け、いよいよ本格的な夏が到来いたしました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
いつもこのブログをお読みいただき、誠に有難うございます。

お知らせがございます。
来週、NYで始まる生地の展示会に出展いたします。

Texworld USA
2012.7.24 ~ 26
10:00 ~ 18:00 (最終日のみ16:00まで)
Jacob K. Javits Convention Center
655 West 34th Street, New York, NY, USA

hall no. 1B,  booth no. 2035

展示会では、harukii の2013春夏新作を展示いたします。

NY、またはお近くにお住まいの方、またはNYにこの期間出張される方で
ファッションデザイナーの方、
アパレルの企画の方、
小売店のバイヤーの方は
ぜひ足をお運び下さい。

※入場には、事前登録が必要となります。
こちらでご登録ください。>>>>>


皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。




英語のブログ



2012年7月19日(木)

会社を立ち上げて、昨日でちょうどふた月が経った。
ゆっくり進んできたが、振り返るといろいろな人に会い、いろいろなことを決め、
いろいろなことを始めてきた。

二か月目の昨日、新たに英語のブログを始めた。
ブログといっても、写真中心。短いコメントを入れる。

その前に。
カメラを買った。
Nikon D5100。
そして製品の接写画像を撮るために、マイクロレンズ。
AF-S Micro NIKKOR 40mm。

見える見える。
撮れる撮れる。
iPhoneもかなりいい仕事をしてくれたが、
やっぱりこっちは専門家。
どこまで接近しても、きっちりピントを合わせてくれる。
ファインダーを覗いたまま、あっという間に時間が経つ。

閑話休題。
英語のブログ。
24日から始まるNYの展示会で、日本語が分からないお客様とたくさん会う。
その方たちに harukii を少しでも知って頂くために、英語で始めた。
ホームページも英語で鋭意作成中。
久しぶりに英語を使う。
もう錆びついていて、なかなか出てこない。
だから、ブログのコメントは極力短め。
単語の羅列。
それでも、英辞郎と首っ引き。

Nikon君。頼むよ。
いい写真、撮って頂戴よ。
いいブログになるかどうかは、キミが頼みよ。



英語のブログはこちらです。  >>>>>

お時間がありましたら、時々覗いてください。
宜しくお願い致します。

店主敬白






高揚感 Ⅱ



2012年7月18日(水)

また、こんなのを教えてもらった。
Contrex (フランスの水)のコマーシャルフィルム。

アイディアの面白さ。
ウィットにとんだ表現。
歓び、楽しみに対して開放的な人々。
これぞユーモア! っていう感じ。
日本にいるとなかなか体験できないタイプの。
文化の違いをまざまざと感じる。
ラテン系の人たちには、ホント脱帽する。

☆☆☆☆☆動画です!
どうぞお楽しみ下さい。

音もぜひ付けて、お楽しみ下さい。


ざる端会議 Ⅱ



2012年7月17日(火)


んー、また明るいところへ出されちゃったね。

なんだか、こないだより暑いんじゃない?
せっかく冷たいところで涼んでいたのにね。


みんな、前より赤くなったんじゃない?


あーあ、あたし、もうこのくらいで焼くの十分なのに。

まだ、あんなこと言ってるよ。
あたしぐらいにならないと、一人前じゃないんだよ。


やーよ、そんなシワクチャ。

恥ずかしいね、しらないってことは。
おてんとさんに赤くしてもらって、しわくちゃになったってことは
それだけ、皮が軟らか~くなったってことなんだから。
梅干しとしては、上等なんだよ。
梅干しっぷりが上がったってゆーかね。
なんで、「梅干し肌」ってことばが生まれないかね。

梅干し肌だってよ。聞いたぁ?
あ、おまえ、また来たの? ついてくんなよ。
ついてきてねーよ。
くっつきすぎだよ。あっちいけよ。
行けねーよ。どうやって動くんだよ。

あたくしたち、よぅございましたわね。
丁度いい間隔をあけて頂いて。
そうですわね。これぐらいあると、風が抜けて行って
涼しいですわね。おほほ。
あら、奥さん、まだ皺がなくておキレイ。
あら、奥さんこそ、お肌が柔らかそう。

おれ、またこんなびろびろくっついてる。
なんでおればっかりなんだよ。
あのばあさん、ざつなんだよな。

でもさ、なんでいつも俺たちだけ日に焼かれてんの?
残りのあいつら、一度も焼かれてないだろ?
まだいっぱいいるのに。

私たちだけ、先に香港に連れて行かれるんですって。

え? いつ? 聞いてないわよ。

明日だよ。自分のことばっかし考えて
なーにんも聞いてないんだから。

おまえ、香港までついてくんのかよ。
しらねーよ。

おーい、ばあさーん。
香港行くまでに、このびろびろ、取ってくれよ~。





七夕遊び Ⅰ



2012年7月16日(月)海の日

東京には、本格的に夏がやってきた。
日差しは強く、雲はモクモクと広がっている。

夕べは家族の中で、小さな小さなお祝い事が重なった。
嬉しいことついでに、雨で中止になった七夕をすることになった。

我が家の七夕は、お願いを書いた短冊を
笹の葉ではなく、へちまのネットに括り付ける。
そして、数か月の風雨に耐えて最後に残った「お願い」は
きっと叶えられる、とみなで信じる。

去年から始まったばかりの遊び。
我が家の猫の額より狭い庭が、
太陽の光を浴びてぐんぐん伸びるへちまの葉で、
みるみる緑の海と化す。
その中で、色とりどりの短冊が風に舞う様子は
夏の暑さと疲れをひと時和らげてくれる。

今年は5人の願いが6枚ずつぶら下がった。
15歳の姪は、中身を知られまいと、
短冊を折って、ホチキスで留めてしまった。
彼女はどんな願いを書いているのだろう。
誰にも教えてくれない。

我が家のへちまがネットを覆うのは、
まだひと月先。
今年はゴーヤも一緒に植えた。
葉がネットを覆うまで短冊が落ちないよう、
少しだけ強化した。
去年は、雨ですぐに落ちてしまったから。
ペンも間違わずに油性を使った。
我が家の七夕遊びも、バージョンアップしている。

さぁて。
今年は誰の願いが叶えられるのだろうか。
へちまよ、ゴーヤよ、ぐんぐん育て。
そして、私たちの願いを見守っていてくれ。



七夕遊び Ⅱ


富士吉田の旅



2012年7月15日(日)

昨日は、朝早くに雨が上がり、
空にひろがる雲は、三層に分かれ、
低層部の雲は、サーっと走っていた。

富士山の麓で、NY展示会前の最後の打ち合わせ。
富士山、見えるかな~。
7時に家を出た。


打ち合わせでは、多くのことを話し合い、
その場で決定していった。
準備作業も、サクサク進んだ。
富士山を気にしている暇はなかった。

日がとっぷりと暮れ、
お腹もすき、疲れが溜まってきたころ、
「さ、そろそろ、これ」と
機屋さんの親指と人差し指が、輪を作る。

作っていたエクセルの表を超特急で終わらせ、
店じまい。
久しぶりに、美味しいものを食べに連れて行ってもらえる。
これこれ、これが楽しみだった。

車からお店に予約を入れる。
「あ、そう。いいよ。カウンターで。」
もう、お店はお客様でいっぱいの模様。

「あ、あそこのビルの上に、小っちゃい光がぽつぽつと並んで見えるでしょう」
「はい。なんですか、あれ。」
「あれ、富士山。」
「?」
「あれが、富士山。」
「?????」
「あれ、登山している人のライト」
「へぇ!」
そういえば、今日から三連休。
明日の朝のご来光を拝みに、
多くの人がこの時間、頂上を目指して上っているのだ。

ほぼ一直線に上に伸びる光。
それもすごく高くまで続いている。
あれが登山者のカンテラなら、
富士山は、すぐ目の前に迫っているはず。
ああそうか。
ここは富士の麓だったんだ。
こんな形で、富士山が見えた。

お店に付くと、もうすでに頬を紅潮させたお客さまでいっぱい。
私たちがカウンターに席に座ると、満席になった。

「大将、魚何のこってる?」
「なんにもねえよ」
大将はお刺身づくりに大わらわ。
「みんな刺身頼んでくるからよ。」
注文聞をいてる暇もないようだった。

「鰯あるよ」
「お、いいじゃん。それそれ、それくんな」
しばらくして出てきたお皿が、これ。
うわぁ。なにこれ。
大きいお魚の鱗みたい。
脂も乗って、きれい。
美味しそう!
こんな仕事するから、みんなお刺身頼むんだなぁ。
わさびをちょっとつけ、2~3切れすくって、口に入れる。
あー、トロケル。。。

イシダイもシコシコ、ピッカピカ。
箸が止まらない。
さっきまでのドラッカーの話なんて、
もうどうでもいい。
至福の時間とは、このことだと思った。

そこから東京の自宅まで、たっぷり3時間かかる。
この電車を逃すと、今日は戻れない。
美味しいお酒を、水のように飲み干し、
代行さんが運転する車に乗り込んだ。

最寄りの駅は、富士急行大月線の「下吉田」。
新しい駅舎で、なぜかお風呂屋さんのような風情。



昔懐かしい、駅員さんが切符を切る改札。
レトロ。
駅員さんは、この時間はもういなく、
切符の販売機もない。
改札を素通りした。

ホームは緑色の街頭に照らされていた。

電車が入ってきた。



うわっ。なにこれ。
木の床。
寄木細工のよう。
土足で歩くのが申し訳ない気がする。

車掌さんが近づいてきた。
料金を支払う。
受け取ったのは、この切符。
「自動改札機はとおれませんから、窓口を通って下さい」

どこまでもレトロな雰囲気に包まれて、
私の意識は遠のいて行った。
振り返ると、昨日は極上の旅だったんだなぁ。
シ・ア・ワ・セ。
ありがとうございました。