2012年7月22日(日)
NYの展示会が間近になって、
初めて最初のサンプルが上がってきた。
わ。わわわ。
イイ。
思った通り、というより、思った以上の出来栄え。
ヨコに使ったリネンがしゃっきりとした張りを与えて、
なおも優しい。
色も狙い通り。
今回は柄が大きいので、わざとはっきりくっきりとした色を使わず
むしろ近くで見ると柄がわからないくらいぼんやりして見える。
しかし、いったん光を浴びると、そのがらがふわーっと浮き上がってくる。
おー、いいじゃない。
さて、ここからが大事。
実際に使ってみて、使い心地がいいかどうか確かめてみる。
見た目が良くても、肌に優しくなければ、
結局タンスに仕舞い込まれる商品になってしまう。
harukiiは、年配の方に喜ばれる商品を目指している。
だから、肌触りや使い心地は、デザインより優先される。
デザインはとても気に入った。
だからこそ、その使い心地を確かめるのはドキドキする。
ところが、あいにくこのところの東京は
梅雨が明けてしまい、熱暑猛暑の毎日。
いくら薄くても、大判のストールを巻いて出ていく勇気がない。
どうしよう。
でも、NYの展示会前までに、その使い心地を確かめなければならない。
時間はあまりない。
ふわりと肩にショールのようにして掛けて
日傘を差して出かけた。
太陽がほぼ真上に来て、日陰など日傘の下以外には見当たらないというとき、
私は気が付いてしまった。
このストールの価値を。
直射日光は、肌に痛いのだ。
いくら日傘で遮っているといっても
やはり、むき出しの腕は痛い。
しかし、薄い布一枚羽織るだけで
なんとほっとすることか。
アラブや砂漠の人たちが、全身すっぽり布で包んでいる光景が浮かんだ。
「そうか、暑い時は布が必要なんだ。」
日本の暑さは異常になってきた。
夏の日差しいから肌を守る。
ストールには、そんな役割が出てきたのだ。
寒いからストールを巻く。
そして暑いからストールを巻く。
脱ぎ着が楽で、軽くて持ち運びに便利。
そんなストールは、一年中の必需品なのだ。
さて、肝心の使い心地。
実は、ちょっと首に痛い。
あぁ、いくら極細のリネンでも、やっぱり痛いのか。
ちょっと専門的になるが、
このストールはジャカード織で作ってある。
ジャカード織は、簡単に言えば、細かい綾織の集大成。
綾織は、よこ糸の色で、模様が浮き出されてくる。
ということは、よこ糸が表面にたくさん出ているのだ。
だから、よこ糸に使われている素材が
その肌触りの良し悪しを左右する。
このストールに使ったよこ糸は、リネンの平織ストールにも使った
吟味して選んだ極細糸。
それでも、ジャカードで使うと、痛さが感じられる。
ただ、リネンは使っているうちに柔らかくなる。
特に良いリネンは、それが早い。
買ってすぐは肌にチクチクしたものも、使い始めてすぐに馴染んでくる。
このストールのリネンはどうかしら。
気になる。とても。
猛暑の中を毎日歩いて、日差しを遮ることばかりに気を取られていたが、
ある時気が付いた。
あ、柔らかくなっている。チクチクが弱くなってきた。
これ、イケるかもしれない。
この最初のサンプルは、あれから毎日のように使っている。
もう、手放せない一品になってしまった。
ちょっとリネンの腰がなくなって、くたくたになってきた。
これもいいけど、もっとパリッとしてほしい。
今日は家で、押し洗いをしてみた。
風に吹かれて、すぐ乾く。
リネンは元の表情に戻っている。
でも、ちくちく感がなくなっていた。
よかった、これNYの展示会に持って行ける。
harukii 第一号のサンプル。
成功といえるだろう。
さあ、NYでどんなお客様の目に留まるのだろう。
24日からのショーが、今からとても楽しみだ。
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