2012年7月5日(木)
朝4時。
陽はまだ上がっていない。
空は青暗く、曇っているような。
南西の空低く見えるのは、月。
満月。
夕べは空を見なかった。
さぞ美しい月だったろう。
今朝見る満月は、雲がうっするらとかかった
朧月。
ふと、歌のフレーズが浮かんだ。
月はおぼろに東山
霞む夜毎のかがり火に
夢もいざよう紅桜
しのぶ思いを振袖(ふりそで)に
祇園恋しや だらりの帯よ
(作詞 長田幹彦)
「祇園小唄」というらしい。
昔祖父母と暮らしていたころ、
良くテレビで懐メロの番組をみていた。
その時覚えたものだろう。
もう一つ。
「朧月夜」。
1)
菜の花畠に、入り日薄れ
見わたす山の端、霞ふかし。
春風そよふく、空を見れば
夕月かかりて、にほい淡し。
2)
里曲(さとわ)の火影(ほかげ)も、森の色も
田中の小路を、たどる人も
蛙(かわず)のなくねも、かねの音も
さながら霞める、朧月夜。
(作詞 高野辰之)
朧月は、四月の季語だそうだ。
水蒸気に包まれて、霞んで見える月。
暖かくなって、月を霞ませるほどの水蒸気が
山から立ち上がる。
ぼんやりとした月の光に照らされる桜や菜の花を見れば、
さぞ、人の気持ちも緩むことだろう。
緩んであふれ感情が哀しいものであるか、楽しいものであるか。
それは、ひとそれぞれ、その時その時。
今は梅雨なので、今朝の月を「おぼろ月」と
呼んでよいのかどうかわからないが、
「ああ、美しいなぁ」とだけ思えた私は
きっと幸福なのだと思う。
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