2012年7月4日(水)
今日はThe Fourth of July。
アメリカの独立記念日。
アメリカ全土で盛大なお祝い行事が催されるはずだ。
花火なんかが華やかに打ち上げられるんだろうな。
1987年から1988年まで、
ニューヨークに住んだ。
それが初めての海外経験。
ニューヨークといっても、住まいはブルックリン。
4階建ての古い建物の、最上階。屋根裏部屋。
キッチン、お風呂兼トイレ、小さなダイニングルームは
そこで知り合ったルームメイトと共有した。
廊下には屋根に上るハシゴがあり、
その上の蓋を持ち上げると、屋根に上がれる。
私はそこからの景色が大好きで、
毎日ハシゴを登って、空や雲や夕焼けや
マンハッタンのビルや
遠くの自由の女神を眺めていた。
もし今でもそこに住んでいたとしたら、
やっぱり屋根に上って花火を眺めるんだろうな。
ニューヨークに降り立ったとき
「ああ、懐かしい」と思ったのはなぜだったのか。
今でも不思議に思う。
短い時間だったが、いろいろな経験をした。
カルチャーショックも大きかった。
まだ治安が悪い時代で、
競争も激しく
眉を吊り上げ、肩を聳やかしていなければ生きていけない、
そんな空気だった。
虚勢を張り、疲れてギスギスとした人々の中で
私は何かに負けまいと気を張って
ぎりぎりの精神状態で頑張っていた。
そう記憶している。
しかし、いまその当時の写真を見てみると、
私はいつでも朗かに、屈託のない笑顔を見せている。
健康的なその表情からは、暗さが微塵も感じられない。
ああ、私は確かに自由を謳歌していたのだ。
私はニューヨークが好きだったのだ。
今でも時々思い出すことがある。
ワシントン・スクエア・パークの近くを歩いていた。
何か辛いことがあって、下を向いて歩いていた。
とつぜん、10mくらい先で作業していたオジサンが
私に向かって叫んだ。
「Smile!」(笑って!)
私はびっくしりてオジサンを見た。
そして、咄嗟にニッと笑った。
「Yeah! That's much better!」(そう! そのほうがずっといいよ!)
他人のことはお構いなし、と思っていたニューヨークでの
突然の一コマ。
心の中でシャッターが切られた。
今日はアメリカの独立記念日。
私も誰かに「Smile!」と声を掛けよう。
当時住んでいたアパートの前に、大家さんのボーイフレンドが作った雪だるま。
「そうよ、私たちはみんな、いつもハートを持っているのよ。」
独立記念日、おめでとう。
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