2012年7月12日(木)
いつも駅へ向かうときに通る道がある。
小学校の前の緑道から細い坂道に入り、
ジグザグと路地を進む。
どうということもない道なのに、
なぜだか風情を感じる。
時間を感じさせるからか。
急いでいるのに、脳裏に浮かぶメロディに、
思わず歩調を合わせてしまう。
この道はいつか来た道
ああ そうだよ
あかしやの花が咲いてる
あの丘はいつか見た丘
ああ そうだよ
ほら 白い時計台だよ
この道はいつか来た道
ああ そうだよ
お母さまと馬車で行ったよ
あの雲もいつか見た雲
ああ そうだよ
山査子(さんざし)の枝も垂れてる
. . . . . .
我が家では、今唱歌や童謡がブームである。
子供の頃の思い出と重なって思い出され、
知らず知らずのうちに鼻歌となって流れ出す。
子供の頃の思い出は、ただただ明るく楽しく
翳がなく、苦しみがない。
そんな思い出は、人間の脳の一番奥に
ずーっと残っているらしい。
「にほんのうた」というプロジェクトがあることを知った。
坂本龍一をはじめとするアーティストたちが、唱歌や童謡を歌っている。
それぞれのアーティストが独自でアレンジをおこっなっており
一つ一つ粒が立っていて、楽しく美しい。
北原白秋作詞、山田耕作作曲の「この道」は、
大貫妙子が歌っている。
繊細で透明な歌声が、自然に心に染入ってくる。
矢代亜紀が歌っているのは、
「証城寺の狸囃子」。
圧倒的な歌唱力とリズム感で、心が踊りだす。
ショーン・レノンの「桜」は
ちょっと電子的な声と妙なアレンジで
ひと息に不思議な世界に連れ去られる。
音楽にほとんど興味のない私には、
30代くらいのミュージシャンは知らない人ばかり。
「にほんのうた」のサイトでそれぞれのアーティストの写真に
マウスのポインターを合わせると、
その歌声が聞ける。
40曲ぐらいのそのメロディを一つ一つ聞いていると、
あっというまに時間が経ってしまう。
こんなに美しい曲たちが、
ある時期にたくさん生まれた。
その時代からは少し時間が経ってしまい、
価値観がすべて変わってしまったように言うけれど、
なぜか心の中にある風景は変わらない。
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