2013春夏 ジャカードストール #3



2012年6月19日(火)

さて、次は素材の選定だ。

目指しているのは、柄はゴージャスだけれど、
軽くて、さらりとした感覚のストール。
四月のお花見ごろ、まだ肌寒い時期に活躍するもの。
ちょっとしたよそ行きに使いたい。
コートはまだ手放せない。
だから襟元で何か春らしくて、
ちょっと気取った雰囲気を出したい。
そんな時に使えるストール。

手元のサンプルは、たて糸もよこ糸もコットンを使っている。
きちんと糊が落ちていて
感触はとても柔らかい。

軽いし暖かいし、首のあたりの感触もとても優しい。
でも、でも、
このストールに欲しい感触ではないんだなぁ。

このストールは柄(がら)が命。
この柄を生かすには、オールコットンでは役不足。
柄をちゃんと出すため、張りがなくちゃ。
ちょっと光沢も欲しい。
もちろん、春ものなんだから、軽やかさも大切。

やっぱり、シルクとリネンかな。

機屋さんに相談する。
「シルクとリネンを使って、軽さと張りを出したいんですけど。」
返ってくるのは、いつもながらの元気な声。
「うん、そうね。あ、それいいかもよっ。」
「柔らかさも出したいのですが。」
「うん、うん。いいね。するってぇとね。。。」
「リネンは細い糸にしたいんですけど、染めるの難しいですよね。」
「うーん、うちの産地じゃ、あんまり細いと切れちゃうからね。
でもね、ん、あ、ちょっとまってよ。じゃぁね。。。」

機屋さんの頭はくるくる回る。
ノッているのが分かる。
そう、この機屋さんはクリエーションが好きなのだ。

できること、できないことがある中で、
こちらの求めるものを感覚的に理解し、ピタッと寄せてくる。
いつもながら、「頼れるなぁ」と思う。

結局、よこ糸を何種類か変えて、試織してもらうことになった。
今日、色を決定し、サンプルの発注書を送る。
選んだ素材が合っているかどうか。
また、楽しみが一つ増えた。

リネンの畑の写真

※ リネン = 亜麻。アマ科の一年草。茎の部分を加工して、繊維として使用する。吸水性、通気性に優れていて、なおかつ強靭でしなやか。下着や寝具にも適している。寒い地方で栽培される。主にフランス北部、ベルギー、ロシア、東欧諸国、中国。日本では1960年代半ばまで、北海道で栽培された。その後、化学繊維の台頭で、徐々に栽培されなくなった。種から油(亜麻仁油)が採れる。


「2013春夏 ジャカードストール #1」 





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