フランス語って、不思議だ



2012年6月16日

                                                              photo by Cyril Plapied



昨日見つけた松岡株式会社の kibiso のプロモーションビデオ
全編ナレーションは男性のフランス語で入っている。

これが、ドイツ語やイタリア語じゃないのはどうしてだろう。
スワヒリ語やタガログ語、ロシア語やスウェーデン語じゃないのは
どうしてだろう。

いろいろな言語で想像してみるが、
やはりフランス語だろうな、と思う。
どうしてなんだろう。

あくまでも主観だけれど、
他の言語だと、どうしてもその国の文化というか
人間の匂いのようなものが立ち昇ってくる。
言葉より人間のほうが前面に出てくる感じ。

しかし、フランス語から立ち上がる匂いは
香水であったり、ワインの香りであったり、
何か妖精のような、言葉では言い表せないが、
音楽のようなものが感じられる。

決して人間臭さではない。
生物の体温が感じられないのだ。
言っている内容は生臭いことや暑苦しいことを言っていたとしても、
あのことばを聞いていると、なぜか臭いや温度が消されてしまう。

言語の温度が低い。
どういうことだ?

3月に香港に行った。
その時、姉と姪の三人で入ったファッションモール。
姪が3月末に控えていた親戚の集いに来ていく洋服を
三人で探していた。
その時聞こえてきたのが、
「Ge, ge, gegege no ge」というフランス語の囁くような女性の歌声。
三人、思わず耳を澄ました。
ゲゲゲの鬼太郎のフランス語バージョンである。
「Ge, ge, gegege no ge」以外は、すべてフランス語。
あの歌詞を直訳しているのかどうか全く分からない。
とってもおしゃれなボサノバに聞こえ、びっくり。
そして大笑い。
その後は三人で、いかに「Ge, ge, gegege no ge」をフランス語っぽく発音するかで
大盛り上がりした。

姉の家に戻ると、早速姪がYoutubeで探してくれた。
歌っているのは、クレモンティーヌ。
もうずいぶん前に発売されたCDらしい。
いろいろなアニメソングをボサノバ風に歌っているが、
私の一番のお気に入りは、「Bon, bon, baka-bon, baka-bo, bon」。
天才バカボンの歌だ。
たしか Bon はフランス語で「良い」といういう意味。
「良い馬鹿、良い馬鹿、良い馬鹿馬鹿」と言っているのか。

しかし、気になる。
フランス語はなぜ、インテリアやBGMのように
背景に溶け込むものとして使えるのだろうか。
言語学的、音感学的根拠がきっとあるのだろう。

フランス人にとってのそんな言語は、何語なんだろう。
意味はよくわからないが、耳に心地よい言語。
彼らにとって音だけを楽しむ外国語はあるのだろうか。
そして、日本語はどんなふうに聞こえているのだろう。

フランス語は、不思議な言語である。
いつか話せるようになってみたい。
まずは、Bon, bon, baka-bon, baka-bo, bon から始めようか。

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