6月 いきものがかりの写真日記



2012年6月21日(木)

花が咲いて、あぁここにもあったのか、と気づくのが
「桜」と「紫陽花」。
紫陽花は鞠のような花が密生して咲くので、
大株の木は、それは壮観だ。
花弁に見えるのは、実は咢(がく)らしいが。

この時季、どこからか甘い匂いが漂ってくる。
これは梔子(くちなし)。
ぽってりとした肉厚の花弁が色っぽい。
甘い汁を出しているのだろう、小さな虫がいっぱいついている。
秋にはオレンジ色の実を付ける。
その実は昔から着物の染料や、食品の着色料として使われれきた。

その上を見上げると、もう枇杷(びわ)が生っている。
もう食べごろの色をしている。
一つ落ちてこないかな。

うちの狭い庭にも、梅雨を知らせる花が咲いている。
常盤露草(ときわつゆくさ)。
ぱっちりと開いた、無垢な花。
葉が一年を通して青々しているため、「常盤」とつけられたそう。
露草と常盤露草は、夏の花で一番好き。

今日はとんぼもやってきた。
とんぼは前にしか進まず退かないことから、
戦国時代、不退転の精神の象徴として武具や衣服の装飾に用いられた。

とんぼがじっとしているものだから、
いろんな角度から撮ってみた。

まず、横から。
尻尾をそり上げて、カッコいい。すごい背筋力だ。

そして、真上から。
お腹の白い腹巻で、下っ腹に力が入っている感じがする。

さぁ、今度は正面から。

胴体と比翼の比率が美しい。
にらめっこしたいが、相手の表情が分からない。
第一、とんぼは笑わない。

地面には、ダンゴムシがいっぱい這い回っている。


・・・・・・逃げられた。



花やらとんぼやらを夢中で撮っていたら、
後ろから声をかけられた。

「ワシも撮れ」
うちに古くからいる、中国生まれの番馬。
啼かないし動かない。なつきもしない。
でも、うちで一番気品がある。
雨ざらしになっていても、蜘蛛の巣が張っていても、
あくまで誇り高い。

うちにも、いろんないきものがいる。
静かに元気にしている。
みんないい子だ。




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