2012年6月18日(月)
糊抜き加工されて、再び手元に戻ってきた。
まだ反物のままである。
これを一枚一枚切り離して、ストールとしての風合いや分量、そして色合いを確かめてみる。
織物は、糸に糊を付けてから織ることが多い。
それは、糸を固くして、
織機に掛けてぐっと引っ張ったり、機械の速いスピードでヨコに飛ばしても、
糸が切れないようにするためだ。
だから、織りあがった生地は、ごわごわしている。
商品に仕上げるには、糊を洗い落し、乾燥させ、
商品によっては、ピタッとプレスをかける。
ここまでは、反物のまま加工する。
先染めのストールの場合は、このあと一枚一枚切り離し、丁寧に畳む。
そして、最後に洗濯表示やタグなどを付けて、やっとお客様の手元に届く姿になる。
※先染め(さきぞめ) = 最初に糸を染めてから織ること。縞模様や格子柄、ジャカード織がそれに当たる。それに対し、生地を織った後で生地全体を染めるのを「後染め(あとぞめ)」、生地に柄を載せるのを「プリント染め」という。
反物からストールを切り離す作業なんて、
なかなか体験できない。
今回は特別にお願いして、やらせてもらう。
撚ってある房のところを、長さを一定にしながら
裁ちばさみでジョキジョキ。
今まで生地だったものが、
房が一本ずつ分かれたとたん、ストールに変る。
その瞬間が楽しい。
職人さんは正確さとスピードが大切だから、
こんな風に楽しんで切ってなんかいられないだろうな。
出てくる出てくる、色の川。
たしか10通りの配色があったはず。
その中から、3通りの色を選ぶつもりでいる。
私の心に留まるのは、どの配色だろう。
来年の桜のころ、花の下で、
素敵な紳士がこのストールを巻くのを想像しながら、
色を選びたい。
「2013春夏 ジャカードストール #1」
「2013春夏 ジャカードストール #3」
「2013春夏 ジャカードストール #4」
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