栃木県茂木町に行ってきた。



2013年1月25日(金)

昨日、栃木県の芳賀郡茂木というところに行ってきた。
ここにある縫製工場を訪問したのだ。

harukiiのストールには、現在のところ縫製という工程はない。
まつり縫いやかがり縫いといった処理もない。
なぜ縫製工場かというと、
来月少しまとまった量を納品するストールがあり、
その検品、袋入れ、そして検針を行ってもらうのだ。

検品は一枚一枚丁寧に行ってもらう。
サイズが間違っていないか。
色が合っているか。
汚れやキズはないか。
糸が途中で切れていないか。
他の製品の糸が飛び込んでいないか。

検品して合格した製品だけが袋に入れて封をされ、
最後に検針器に掛けられる。

検針器というのは、文字通り、針を検知する機械である。
縫製という工程は無くても、もし工場内に針があれば、
何かの拍子にストールに混入しないとも限らない。

もちろん、工場さんは各工程でそのようなことが起こらないように、
細心の注意を払っている。
ところが、思わぬところで、予想もしないようなタイミングで
針が入ってしまうかもしれない。
そういうことは、ないとは限らない。
だから、最後に一枚一枚検針器に掛けて、
針が混入していないか確かめるのだ。

とても面倒くさい工程で、なおかつ時間がかかる。
そして一番大切なのは、当たり前だが、
検品をする人が厳しい目を持たなければならない。
そこで、検品、検針の工程のみ別の工場さんにお願いした、というわけである。

この茂木にある縫製工場さんとは、以前の仕事でお付き合いがあった。
とても正確に、そして美しく商品を仕上げる工場さんだと、常々感心していた。
なので、今回数量が多い納品が決まった時に、
真っ先にこの工場さんが頭に浮かんだ。
ぜひ最終の工程をお任せしたいと思ったのだ。

やはりここでも、最終の工程は女性が担っている。
仕事の丁寧さと迫る納期のせめぎ合い。
女の責任感と忍耐力と度胸は、最終工程で存分に発揮される。


茂木という土地は、『もてぎ』と読む。
茂木駅は、真岡鐵道(もおかてつどう)の終着点。
栃木県の最東端の駅だそうだ。


私が茂木に行ったルートは次の通り。
 1) 渋谷から湘南新宿ライン快速に乗り、小山駅で下車
 2) 小山駅から水戸線に乗り換え、下館駅で下車
 3) 下館駅から真岡鐵道に乗り換え、終点茂木で下車
約3時間の旅である。

どこかちょっと遠くに行くたびに、にわか鉄子になるのだが、
今回は特にそうならずばおられまい。
だって、真岡鐵道は週末には本物のSLを走らせているというではないか。
昨日は木曜日だったので、SLの姿は見られなかったが、
なんとなくその匂いを嗅いだような気がする。

通常はこのようなレトロっぽいデザインの一両電車が走っている。
モオカ14形気動車
ふんふん。
え? 1988年から?
以外と若いのね。
少し調べたら、真岡線は一度廃線の危機に見舞われたそうだ。
そこで第三セクターを作り、SLを再度走らせることにした。
それが、1988年のことらしい。
たしかに平日の昨日は乗客もまばらだった。
けれど、沿線には高校があるのだろう。
学生が多く利用していた。
なくなると困るだろうな。

そして、終点の茂木駅にあるのが、これ。
拡大してみよう。
SLが方向転換をするための、転車台。 Hoooo!

実際にSLが方向転換するときは、多くの見物客でにぎわうそうだ。
私にも見える気がする。
SLの黒い車体がゆっくりと蒸気を吐きながら、
ぐわーんと回る様子が。
あれ? 回るときは蒸気を吐く必要があるのだろうか?
誰が回すの? 人力? それとも電気?
自力の蒸気?
本物の鉄子ではないので、そこまでは分からない。

茂木には『ツインリンク』というサーキット場もある。
鉄道ファンかカーレースファンが集う街。
鉄の動く箱の町、茂木。

まったく何の情報も持たずに、工場さんとの打ち合わせに出かけた茂木。
遠い旅だったが、なんだか得をした気分になって帰ってきた。


帰りの車窓から見えたのは、鉄の神の降臨だろか。
鈍色の雲が、厚く空を覆っていた。




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