思い込み戦略



2013年1月8日(火)

一月に入って、すでに8日が経ってしまった。
体感的には、5日しか過ぎていない感じだ。
そうやって、少しずつ少しずつ実際の時間と体感時間がずれていき、
おそらく今年の年末にも、
「ああ、飛ぶようにすぎた一年だった」と言うことになるのだろう。

このずれは、「一日をたっぷり過ごした」という実感がないままに
その日が終わってしまうことが原因だと思う。
それはなんとなくわかるのだが、
何をどのようにすれば「たっぷり過ごした」という
満足感が得られるのだろうか。

朝早く起き、用事を数多くこなし
一日の仕事を予定通り終え、
就寝時には軽い疲労感を覚えながら眠りにつく。
そういう毎日を過ごしていれば、
体内時計は狂わないのだろうが、
私には到底そのような立派な一日は過ごせそうにない。
なんせ低血圧で寒がり。
朝起きるのがつらい。
早朝の散歩なんて、まだまだ始められそうにない。
それに、牧場の牛よりも動作がノロい。
「テキパキ」という言葉は、憧れに近い。

そこで私の考えた作戦は、
「思い込む」というもの。
朝寝坊しようが、仕事がちっとも進まなかろうが
夜の一番最後、寝る前に、
「あー、今日も時間をたっぷり使って、
とても充実した長い一日だったなぁ」と思ってみる。

いや、実は夕べそれを試みてみた。
ちょっと思うのではなく、
本当にそうだったような気がするまで、
何度も頭か心の中で繰り返す。
まぁ、すぐに眠くなり意識がなくなるので、
自分自身を洗脳できたかどうかは分からない。

でも、気のせいかもしれないが、
今日は体内時計がリセットされていたような気がするのだ。

一日をたっぷり充実させる、という努力をせずに、
充実したような気自分自身をだます、というお手軽な方法を取ることは、
人様に誇らしげに発表することでもないが、
内心、「そんなに悪くないんじゃないか」とも思っている。
どんなにスボラで情けない一日を過ごしても、
「あぁ、今日も能力を十二分に発揮して、
充実した一日を過ごした!」と思えるということは
幸福ではないだろうか。
そして、案外正しい心の持ちようではないか。

「あぁ、あれもできなかった、これもまだやっていない」
「あれが心配だ、これが不安だ」
と思わなくて済むのだから、これを大晦日まで続ければ、
この一年、今までで一番ハッピーな年になるのではないか。

こう書いていて、だんだんその通りだと思うようになってきた。
自己洗脳、自己催眠にうまくかかってきたようだ。

机の上や頭の中には、やらなければならないことが山積している。
でも今日はもうパソコンを閉じ、寝る支度をしよう。
「今日も精一杯やりきった! すごい一日を過ごした!」と
何度も頭か心の中で繰り返そう。
きっと明日の朝は、
「あぁ、今日は一月の九日目の朝だ」
ときっちり思えるようになっているだろう。





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