2013年1月9日(水)

今日は久々に、少しだけだが英語を話した。
海外の大手アパレル会社のデザイナーさんたちが
日本貿易振興機構(JETROジェトロ)という独立行政法人に招待され、
日本にやってきている。
JETROは日本の生地メーカーを10社ほど集めて、
東京のJETROの事務所で展示会を行ったのだ。

私の懇意にしている愛知県の生地の会社が、
その展示会に出展しており、
私はちょっとヘルプを頼まれた。

バイヤーさんは5名。
イタリヤ、ロンドン、パリ、ニューヨークから来ていた。
その中には、有名ブランドも含まれている。

普通の大きな展示会と違うのは、
開場したら、すぐにバイヤーさんがブースに来て生地を見る。
バイヤーさんは10社すべてのブースを回る。
各々ばらばらに見て回るわけだが、
商談が途切れることはない。
次から次へと5名がブースに来て、
生地を丹念に見て選ぶ。
5名との商談が終わったら、もう展示会は終わり。
今日はおよそ1時間半で終了した。

生地の商談に参加するのは、久しぶりだ。
以前数年間、集中して生地の輸出営業をしていたことがある。
その時の雰囲気をすこし思い出した。

それにしても。
当時も思ったのだが、
デザイナーさんたちって、本当にみなさん
黒い洋服を着ている。
数年前は、「今のファッション業界のトレンドなのかな~」と思っていた。
ファッションのトレンドではなく、業界のトレンド。
ファッション従事者の間での流行。

でも、今日もほとんどみな黒づくめ。
そして、出展社も、ほぼ黒っぽいスーツ。
デザイナーさん一人一人についている通訳さんも
皆黒のスーツ。

JETROの会議室は広いので、重苦しい雰囲気にはならないのだが、
でも、見回すと、黒、黒、黒。
みごとに黒かった。

本当にいつも不思議に思う。
美しい色を選び、色とりどりの洋服を作る人たちなのに、
どうして自分の装いは黒なのだろうか。
色の溢れた仕事場で一日中働いていると、
自分の身に付ける物には色を付けたくなくなるのだろうか。

パリの展示会に行っていた時、
デザイナーさんたちは素敵なウェアを着こなし、
高いヒールを履いて、個性を強調しているかのように見えた。
でも、私はもっとカラフルな装いを予想していた。
ごくごく一部、派手に色を纏っている人もいたが、
ほとんどは黒いTシャツに黒いジャケットに、黒いパンツ、そして黒い靴。
却って没個性に見えた。

ただ、本人のキャラクターは、皆それぞれとても個性的。
型にはめられず、自分の主張を良しとして育てられた人たちなんだろうなぁと思う。
「私はこれが好き」と主張をしてきた人たちが辿り着いた色が
黒なのだろうか。

黒にはとても強い引力があるのかもしれない。





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