2012年8月27日(月)
土曜日、山梨県西桂に行ってきた。
展示会前の最終確認のために。
ニューヨークの展示会サンプルから、染色の修正を加えたもの、
ワンポイント刺繍を施すことにしたもの、
そして、まだ一度も見ていないサンプルもある。
それらの納期確認。
今、工場さんは秋冬物の商品の生産で、最後の追い込み中だ。
機械はそのためにフル回転。
職人さんたちも、額に汗して、フル回転。
そんななかで、展示会のサンプルを作って頂いている。
こちらとしては少しでも早くサンプルの顔を見たいが、
職人さんたちのスケジュールはきっちり埋まっている。
出来上がってくるのが、展示会直前になるものもありそう。
焦らない、焦らない。
私が焦って何ができるという。
じっと待とう。
任せれば、きっといいのが上がってくるはずだ。まだ一度も見ていないサンプルが、テーブルの上に織り上がって
次の加工を待っていた。
まだ糊が付いていて、ガチガチに固い。
でも、艶がとってもいい。
来週早々整理加工して
(洗って、プレス乾燥して、一枚一枚に切り離して、畳んで)
私の手元にやってくる。
すごく楽しみだ。
ここへ来たもう一つの目的は、
工場や職人さんの写真を撮ること。
撮って、展示会のブースで流す。
私が生産背景を言葉で説明するより、
工場や職人さんの写真を見せたほうが、
何倍も分かりやすい。
この忙しさだから、仕事の邪魔になってはいけない。
武藤さんに電話でお願いして頂いて、
二人の職人さんがOKして下さった。
まず、ジャカード織の工場。
昔ながらのパンチングした型紙が
カタカタと上っていく。織機はスピードの緩い、シャットル。
杼が左右に飛ぶ。
シゲさん。
極々細い絹糸を扱う。
薄物、繊細なものは、シゲさんに任せておけば安心。
キズがない、本当にきれいな生地が織り上がる。
harukii のジャカードストールもシゲさんの手による。
大きなジャカード機の前で、
シゲさんは生地の表情を確かめる。
富士山の水を集めて、山中湖から流れてくる。
水が美しい。
きっとすごく冷たいはずだ。
照れるシゲさん。
でも、実はカメラには慣れているという。
ほんとう?
次は小野田染色。
絹糸を枷(かせ)で染める工場さん。
これは、絹紡の糸の染色前。
少量の糸を染めるための機械。
さっきテーブルの上で見た、織りあがったばかりのサンプルは、きっとこの機械で糸を染めてもらっているはず。
多くなると、機械は大きくなる。
糸を捌く、鉄ちゃん。
なかなかのハンサム・ガイ。
鉄ちゃんを捕まえるのは、ムズカシイ。
染色を制御するコンピュータも、チラ見している。
チョットコッチヲミテクダサイ。
小野田さんの前にも、美しい川。
富士山の水がこんこんと湧き出してい。
西桂で織物が盛んになったのは、
この美しい水がふんだんに使えるからなのだろう。
羨ましい土地だ。
工場の目の前の田んぼでは、稲がたわわに実り、
もうほんのり黄色く色づいている。
収穫の季節も近い。
最後は、もちろん武藤さんの最終工程ガールズ。
今日も静かに、せっせと手と鋏を動かしている。
加藤さんは、ちょうどシゲさんの織った
harukii のジャカードの最終加工をしているところだった。
いつもながら、確かで無駄のない動き。
鋏は必ず右手縦にまっすぐ置き、
取るときは見ない。
作業台の上は、すっきり。
糸くずを整理してから。
作業の邪魔をしてはいけないので、
カメラを向いて頂くことはできなかった。
急がせてごめんなさい。
お蔭で、今日持って帰れます。
展示会まで、あと10日。
大丈夫。時間はまだある。
みなさん、身体に気を付けて。
美味しい水をたっぷり飲んで、熱中症にならないように。
いつも、本当に、有難うございます。
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