3人が織りなす trois temps marché (トロワ・トン・マルシェ)



2013年1月29日(火)

友人の楢嵜ふみさんが参加している
『trois temps marché』(トロワ・トン・マルシェ)という展示会を見てきた。

東京・南青山にあるスパイラルというビルの一階。
期間限定のショップがある。

今回は三人のクリエーターがそれぞれの作品を展示販売している。

・藤野充彦さん(trois temps: 手織りの生地によるバッグ&ストール)
・眞砂絵里子さん(eclectic: 手作りアクセサリー)
・楢嵜ふみさん(fumi narasaki: 手捺染ストール、ラグ)

青山通りに面しているそのショップは、全面ガラス張りで、
中の様子が一目で見える。
『trois temps marché』は、もうすっかり春だった。
そこで蝶々が舞い、花々が咲き乱れている、
そんな感覚に陥る空間だった。
満面の笑みで三人に迎えられて、私はドアを押した。

藤野さんの作品は、すべて手織りの生地づくりから始まる。
とても丁寧に織った生地は、それは端正な顔立ちだ。
平織と綾織の組み合わせ、という、仕組みからすればとても単純な柄作りだが、
その単純な仕組みからあらゆるバリエーションが生まれる。
そのバリエーションの組み合わせ方、切り取り方が
藤野さんのオリジナリティだ。
機械織りでは絶対に出ない柔らかさ、温かさが、
生地の表情から伝わってくる。
藤野さんはその生地を、奈良の職人さんに委ねて、
バッグにしている。

 【trois temps】のサイトはこちら >>>
オンラインショップもあります。

眞砂さんのアクセサリーは、一言でいうと
とても繊細。
幼児から少女に変るときの
柔らかさと恥じらい、そして戸惑い。
そんなものをすべて持っている。
少女が宝物を
特別な箱の中にしまって、
それをまた引出の奥にしまって
時々開いてうっとりする。
そんな可愛らしい光景が思い浮かぶようなアクセサリーたちだ。
眞砂さんは、そんな少女たちのために
箱もつくっている。
ひとつひとつ手書きで柄を書いているそうだ。
それがまた可愛らしい。
少女のこころを失くさない女性なら、きっと欲しくなるに違いない。

【eclectic】のサイトはこちら >>>
東京・目白にお店もあります。


そして楢崎さんの作品。
彼女の色使いは、もう天才。
いつも新作を見て、ほれぼれする。
特徴は多色づかいと、その透明感。
多くの色を使っているのに、それが心地よい。
いろいろな色がお互いに影響しているのに、爽やか。
これはもうみごと。
きっと、彼女の自由な心が
彼女の感性を開かせているのだ。
作品を見ると、彼女がもう楽しんじゃっているのが
ストレートに伝わってくる。


楢崎さんのサイトはこちら。>>>


春の蝶々に誘われて入った『trois temps marché』という展示会。
そう大きくはない空間に、多くの商品が並び、
そして三人の作家がそこにいる。
表現する作家が三人もいて、その表現した作品が並んでいる空間で
普通なら疲れ切ってしまうところだが、
『trois temps marché』は疲れるどころか、
爽やかで気持ちの良い観後感に包まれる。
(スミマセン。【観後感】などという言葉は多分アリマセン。)

それはその作品たちが、
作家たちが楽しんだ結果産まれてきた物だからだろう。
どれをみても、作っているときの勢いと喜びが感じられる。
そして、気負っていない。
おそらく、三人とも三十代だとお見受けした。
自然体で好きなことを仕事にしている。
そんな三人が生み出す空気は、とても軽やかで美味しい。
都会の真ん中で、人が生み出すマイナスイオン。
そんな言葉が浮かんだ。
今の三十代は、自由で地道で明るい。
よい世代だ。

商品を見るだけではなく、
この三人とおしゃべりするだけでも、心が軽くなる。
ぜひ多くの方に行ってほしい展示会だ。
皆さま、お奨めです。

『trois temps marché』
表参道【スパイラル】1Fショウケースにて。
1月28日(月)~2月3日(日)
11:00~20:00



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