2013春夏 紙糸を使う #2



2012年9月3日(月)

「ピンポーン」
来た!
宅急便のお兄さんだ。
この暑い中を、有難う。

待ちに待ったサンプルが届いた。
軽い。
合計15枚のストールが入っているはずなのに、箱が軽い。
そして、小さい。

ドキドキしながら箱を開ける。
綺麗に畳まれたストールがビニールにしっかり包まれていた。
ビニールから取り出し、
一枚一枚広げてみる。
ストールは空気を吸って、ふわりと膨らんだ。
そうだ。
春夏用のストールは、薄くて軽い。
一枚100g足らずだ。
だから、15枚合計しても、1.5kgに満たない。
箱には、15枚のストールが、きっちり納められていた。

ああ、これこれ。
ぴったりと畳まれていたのを開いた途端、
一番膨らんだのが、この和紙をよこ糸に使ったストールだ。

きれいなしぼが出ているのは、よこ糸に使った和紙の仕業。
穴が開いているように見えるのだが、そうではない。
生地を糊落としのために一度洗って干すとき、
それまで引っ張られていたよこ糸は元に戻ろうとして縮む。
紙の糸は、折れながら縮む。
それの折り目が、ところどころに穴をあけたように模様を作っているのだ。
またそれが、とても面白い効果を出している。

そして、手作業のぼかし染め。
色の濃いところと薄いところが
なんともいいバランスで広がっている。
ああ、思ったとおりの色に仕上がった。
よかった。


首に巻いてみる。
少し痛い。
これは、仕方がない。
新しい糸は、最初すこし痛いのだ。
でも、このくらいなら大丈夫。
使い始めれば、すぐに柔らかく馴染む。

最初計画したより 大きく仕上がったが、
それでもこの軽さは有難い。
手作業で一枚一枚染めるのは、大変なことだろう。
それを自然乾燥させ、じっくりと空気に触れさせながら、乾かしていくのは
時間がかかる。
そうやって手間をかけて出来上がってきたストールは、
ふんわりと温かい表情をしている。

まだ「春は名のみの」という時期に出荷する予定の
この和紙を使ったストールは、
春が待ち遠しい季節に
きっと大活躍してくれるだろう。


2013春夏 紙糸を使う #1




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