2013春夏 色を選ぶ #2



2012年9月7日(金)

一昨日、昨日と、ブースを入ってこられる方が
口にする言葉があった。

「あら、きれいねー。」

皆さん色をほめて下さった。

「草木染ですか?」

そういう言葉も多く聞かれた。

今回の商品は、まず色に興味を持たれて入ってこられる方が多い。
次いで、一番手前に掛けてあるリネン100%のストールをご覧になり、

「シルクですか?」

と触られる方。

「いえ、リネン100%なんですよ。」

「へぇ、あ、ほんとだ。リネンだ。」

そのリネン100%のストールは、とても淡いピンク色に染めてある。

そして、ハロゲンライトの下で、糸が艶っぽく光っている。
その光沢で、きっとシルクに見えるのだろう。

壁にはピンク系のサンプルだけを掛けてあるのと、
それぞれがハロゲンライトのスポットに照らされているせいで、
ブース内がとても華やかに見える。

壁は真っ白。
床も白木を敷いているため、
全体に明るく自然な感じがする。
それが一段と色を豊かに見せてくれている。

染色は草木染ではないのだが、
ブース全体の雰囲気がとてもナチュラルでリラックスした感じなので、
植物染料で染めたような雰囲気が出ているのだろう。

ピンクばかりのブースに入ってこられた方に、
「実は、このブランドは、男性の方を意識して作っているんですよ。
それも、かなり年配の方を」というと、
皆さん、ちょっとびっくりされる。

「へぇ、そうなんですか。」

「それで、かなり大判なんですが、
柔らかい素材を使っていますし、とても軽いので、
女性の方にも充分お使いただけるんです。
それで、各品番一色だけ女性らしい色に染めてあるんです。
もちろん、男性にこのピンクを付けて頂きたい気持ちはすごくあるんですよ。」

そして、畳んでディスプレイしてある渋めの色のサンプルをお見せする。

 

そこで、やっと男性ものということを納得される。

こちらは、白木の床にマッチして、
なお一層ナチュラルに見える。

決してナチュラル感を出そうと意図したわけではない。
色を決める時にイメージしたのは、渋めでダンディなご年配の方。
そういう方にこんな色のストールを巻いてほしいなぁと思って色を決めた。
そして、何より天然素材そのものが持つ魅力を引き出したいと思った
そうしたら、こういう配色になった。
ディスプレイしてみて、全体が見えて、
やっと自分が今求めていることが見えてきた。

「ふーん。私は今こうなのか。」

面白い。
自分で自分を外から見ている感じがする。
来年の春、街にはどんな色が溢れるのだろう。
harukii の色は、どんなふうに街の中に在るのだろう。

ハロゲンライトの下でナチュラルに見えるこれらのストールは、
街の光りの中では、どのように見えるのだろうか。
自然光の中で、こうやってすべてをディスプレイしてみたい。
そして、harukii を巻いて、春の空気を感じてみたい。

まだ秋も本格的に来ていないのに、
もう春が待ち遠しい私である。


2013春夏 色を選ぶ #1




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