心は走らないでおこう



2012年12月1日(土)

今年も師走に入ってしまった。
そして、年末年始とは関係なく、
ただやらなくてはいけない、という仕事が溜まっている。
なんとなく気忙しい。
これが南半球にいて、
30何度という気温でも、気忙しくなるのだろうか。
寒くて、行動も思考も鈍る。
どうせサクサク物事が進まないのだから、
せめて「忙しい」と思わないようにしたいものだ。

普段ほとんど来客がない我が家に、
今週続けてお客様があった。
お客様があると、母は私に玄関の三和土を洗えという。

我が家の玄関には那智黒石が埋め込んであり、
水を流すと黒光りする。
本当はその後、椿油などで磨くと良いのであるが、
そんなことはしたことがない。
たわしでちょろちょろっと撫でて、水をざっと流し、
最後にバケツに残った水を、道路に巻く。
そういう手抜きの洗い方だ。
戸をあけ放ちながら行うので、寒い。
長靴を履いて、ゴム手袋をしているが、
やはりこの時期は冷気が下から這い上がってくる。

でも、それなりに綺麗になると、
やはり気持ちがイイ。
水を打たれた玄関は、
目には見えないのだが、砂ぼこりが治まり、
空気が清らかになったような気がする。
いつもは拭いたことのない門扉まで、
拭いてみようかという気になる。

その後、来客用のカップなどを用意し、
ちょっと贅沢な茶葉などの缶を開けて、
お客様がいついらしても良いように準備する。

家の中の掃除は、母が一手に行っている。
家事を手際よく済ませられない娘をもった母は、
不運としか言いようがない。
せめて、買ってきた美味しいケーキで、機嫌を取りたいものだ。

玄関を洗い、部屋を掃き清め、
家の中の空気を澄ませ、
ゆったりとお茶を飲む。
良い時間だ。
師走であろうがいつだろうが、
お客様がいらっしゃらなくても、
ひと月に一日くらいは、こういう時間を設けるべきだなと思った。





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