2013秋冬 色を選ぶ Ⅱ

   

2012年12月26日(水)

来年の秋冬用のストールのサンプルを作っている。
というより発注作業をしている。

今回は新しい挑戦。
プリントをしてみようと思っている。
プリントは、糸や生地を染液に浸けて染めるのではなく、
生地の上に型を置いて、模様を染めるのである。

今シーズンとても評判の良かった、シルクカシミヤのガーゼのストールに、
柄をのせる。
柄といっても、花や鳥といった具象柄ではなく、ストライプを施す。
ストライプは、フリーハンドで、自由に描いた。
なるべくのびのびと、楽しく手を動かした。
なんとなく、楽しげな線になった気がする。

この原画に色を付け、原寸大に拡大し、実際に生地にプリントしてみたとき、
どんなふうな風合いになるのか、
実は、あまり想像がつかない。
もしかしたら、すごくうるさい柄になってしまって、
首や顔の周りを飾る脇役として、成り立たなくなってしまうかもしれない。
大きな賭けだ。

染職人さんへの色の指示は、
水彩絵の具を塗った色紙を貼って、送った。
水彩絵の具で色を塗ると、乾いてから表面が反射しないので、
職人さんが色を判断しやすい。
デザイナーは、色見本法帖を持っていて、
そこから選ぶことが多い。
でも、私はその色見本を持っていない。
そして、えてしてその見本にない色が欲しくなることも多い。
だから、その都度、自分で色を調合している。

絵の具で目標の色を作るとき、
私は5色しか必要ないことに気が付いた。
 ・白
 ・黒
 ・黄色
 ・赤
 ・青

本当に、この5色さえあれば、ほとんどの色が作れてしまう。
私は5色を使って、11色を作り出した。
むかし、色彩検定の試験を受けた時を思い出した。
色は、混ぜれば混ぜるほど、濁ってしまう。
だから、あまり混ぜずに目的の色を作るのが一番いい。
それには、熟練が必要だ。
いろいろやっているうちに、白い絵の具が足りなくなりそうになった。
まだまだだな。

さあ、初めての経験。
プリントの発注。
出来上がりはどんなだろう。
2月の展示会に出品できるか、出来ないか。。

今回もドキドキのサンプルづくりである。
こういうことが一つ一つ経験となって、私の中に蓄積されていく。
期待と不安とでドキドキしているが、
それでもなんだかとても満ち足りた気分になる。




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