黄色いあいつ



2013年3月7日(木)

シーダ・ポロン・アレルギー歴、34年。
スギのあれだ。
暖かく風のある日には、山からまっきいろの雲のように襲ってくる
あれだ。
K粉と言う人もいる。
あの名前を口にしただけで、くしゃみが出そうになるから、
そのまま呼べない。
目が痒くなる。
あたまがぼーっとする。
だから、口にしない。

小さいころ大好きだった、『魔法使いサリー』というアニメーションに
ポロンちゃんという登場人物があった。
とてもかわいらしいうえ、『ポロン』という音が好きだった。
そして、K粉のことを英語でポロンということを知ったとき、
K粉はなんだか憎めなくなった。

だけれど、34年も付き合っているのに、
その季節になると、K粉は
「去年の仲間は去年の仲間。
私たちは今年生まれたばかりです。
初めましてです。
どうぞ、よろしくおねがいします。」
とばかりに襲ってくる。

それはそうかもしれないが、
もうそろそろ卒業させてほしい。

こちらがK粉と言おうが、ポロンと言おうが、
あちらはお構いなしのようだ。

春一番も三寒四温も喜べない春なんて、、、

でも、そのうちきっと卒業できる時が来る、と信じて、
私は薬も飲まず、マスクもせず、
ポロンを胸いっぱい吸い込み、身体全身で受けとめ、
街に出ていく。
いつかきっと、きっと、きっと、、、終わりが来ると信じながら。

くしゃみをするとき、
鼻がむずむずして、そしてかならず息をいっぱい吸い込んでから、
はーっくしょんとなるのは、どうしてだろう。
息を吸わなければ、くしゃみをしなくても済むのに。
くしゃみのために息を吸うのか、K粉を吸うためにくしゃみをするのか、
どっちなのか分からなくなる。

今日も東京世田谷地方は、風が強い。
負けないぞ。
明日もいい天気だ。外に出る。
負けないんだから。





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