冬の匂い



2015年1月22日(木)

朝窓を開けたら、雨に混ざって焚火の匂いが入ってきた。

あ、冬の匂いだ。

どんよりと雲が厚く覆った空。
冷たい空気。
そして、煙。

北陸の冷たい冬。
幼いころは、そこここで、落ち葉を焚火で燃やしていた。
うちでも狭い庭で、焼き芋をつくったことを思い出した。

今では町中で焚火は禁止されているはずだから、
どこから匂ってくるのだろうか。

もう梅の便りが聞こえてくる頃になって、
冬の匂いとは。

匂いって面白い。
一瞬で、記憶の断片をよみがえらせる。
あのころの、あの場所に引き戻される。

一瞬だけ開けた窓。
寒くてすぐに閉めてしまったけれど、
私はしばらく子どもの頃のことを思い出していた。





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