2013年2月27日(水)
梅は咲いたか、桜はまだかいな、という季節である。
昨年は梅を見に、近くの公園に行ったが、
今年はまだ見ていない。
駅までの道に紅梅が咲いていて、
行き帰りにそのお宅の塀から覗く枝を見る。
それで、結構満足している。
今年の二月は、寒さが厳しく感じる。
いつまでたっても、例のロングダウンコートが手放せない。
街ゆく人を見てみると、ロングはさすがにないが、
ダウンコート率は高い。
なのに、花粉は飛んでいるという。
杉の花は、寒さをあまり感じずに咲くのだろうか。
「そんなの気にしてたら、咲きそびれちゃうわよ。
さっさと咲いて、どんどん悪態吐かれて、
早めに店じまいするのよ。
いつも通りよ。
環境には流されないのよ。」
なんて言っていたら、なんだかカッコいい。
でも、やはり花粉は憂鬱だ。
そこへ行くと、桜の木は寒さに敏感だ。
我が家の近所の桜たちは、まだまだ蕾をぎゅっと固くしている。
「さぶいわね~。今何月? まだ一月?」
「もう二月も終わるころですってよ。」
「ひぇ~、もう三月なの? どうする? 間に合うかしら。」
「間に合うって、何に?」
「卒業式よ。桜舞い散る卒業式。
卒業証書を手に持って桜吹雪の下で記念写真撮るじゃない。」
「あぁ、そうね。むか~しは、入学式が桜満開の時期だったらしいけど、
最近はもっぱら卒業式ね。」
「そうよ。『制服のボタン下さい』って言われなかった男の子たちの、
第二ボタンを桜の花びらでそっと隠してあげるのよ。
そういう私たちの思いやり、分かってもらってるのかしら。」
「さぁ、分かってないんじゃないの?」
「そうよね。は~、なんだか春って、切ないわね。」
「そうね。それに私なんか花粉症なのよ。」
「え? 杉の花の?」
「そう、杉ちゃんにやられちゃって、もうくしゃみが止まんなくて。」
「あぁ、だから風もないのにいつも揺れてるのね。
私もそうかも。涙が止まらなくて。」
「きっとそうよ。その樹液をながしてるの、杉ちゃんのせいよ。」
「なんか、メランコリックだわね~、春。」
「そうね~。メランコリックだわね〜。」
「はぁ〜。」
みなさんのお近くの桜たちは、どんな会話をしていますか?
耳を澄ませば、なにかしゃべっているのが聞こえますよ。
きっとね。
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