心を離さない



2013年2月13日(水)

このブログでは、めったに他の人のブログを紹介していない。
とは言うものの、
良いと思ったブログや心に沁みる文章は、積極的に紹介したいと思っている。

友人のブログが月に二度ほど更新される。
なので、二週間から一か月に一度ぐらい、チェックしてみる。
友人は子育て真っ只中のお母さんなので、
ブログを書くこと自体、大変なことである。
しかし、そんな彼女の書く文章からは、
実感が伝わり、子供の素晴らしさが分かる、
とても良いブログだと思っている。

それは、彼女が子育てにある程度の距離をもって、
客観的に自分と子供を見ているからだと思う。
子育ての経験がなく、これからもおそらくしないであろう私が読んでも
面白い。
現役ママさんたちには、アドバイスや参考になる意見がちりばめられていると思う。

夕べ、彼女の最新のブログを読んだ。
その中に、次のような文章があった。

「~子育て雑誌で以下の言葉を見つけました。

3歳までは肌を離さない。
7歳までは手を離さない。
13歳までは目を離さない。
19歳までは心を離さない。

子育ての鉄則だそうです。」

読んだときは、ふーん、そうか。
なるほど、と思った。

そして、今日、高齢になる父の背中に手をやり、
身体の痛みを和らげようとしている母の姿を見て、
人間が終わるときは、
この反対の順番で終息していくのかもしれないと思った。

成長と違い、何歳までは、というのはない。
ごくごく大雑把に言えば、
赤ちゃんから大人になるまで、成長のスピードが多くの人間に共通しているのに対し、
死までのスピードと道のりは、千差万別である。
老い衰えて死を迎える、
または病気による死も、その期間は長かったり、短かったりするが、
必ず四つの過程を経て、終わりを迎える。
いや違う。そうではない。
もしこの四つの過程を経て終わることができれば、
本当に幸福なのだと思う。
そういう終わり方ができれば、
全く良い人生だった、と言えるのではないだろうか。

赤ちゃんからの成長を見守る心は
「親」の心である。
しかし、大人の衰弱を見守る心は、
親の場合もあるし、伴侶、子供、友人と、さまざまだ。

「心を離さない」関係にあった人間が、その後目を離さなくなり、
次第に手を取るようになり、
最後には、身体のいろいろな部分への労わりを増やしていく。
そうすることで、横たわる人間は、不安を和らげ、
安心し、眠りについていく。

人間の始まりと終わりは、かように似ている。
そして、人は何も持たずに生まれ、何も持たずに死んでいく。
私たちは、その間ずっと、いろいろな物や事に惑わされながら、
右往左往している。
何のためなのだろう。
もしかしたら、自分の最期に「肌を離さない」でいてくれる人の手を掴むために、
あちこちにぶつかって生きているのではないだろうか。

私の父は、どうもそれに成功したのではないか。
そういう意味では、彼は人生の成功者になりつつある。

でも、まだまだ予断は禁物ですよ、お父さん。
本当の成功には、まだしばらくありそうですからね。
頑張ってくださいよ♪



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