続・お風呂の改修



2013年2月16日(土)

昨日の続きです。

(今日も何となく瞼がアブナイですが、頑張って書きます。)


工事が始まる前夜、最後のお風呂に入った。

築38年になろうとするこの家で、
38年間汗を流し続けてくれたこのお風呂とも
今夜でお別れだ。
と思うと、お疲れ様、ありがとう、という気持ちが湧いてくる。
お風呂の中で考え事をよくした。
そこで思いつくアイディアに助けられたこともよくあった。
そして、居眠りも良くした。
お湯と体温が同じくらいになって、湯冷めしそうになりながら、
それでもうつらうつらする気持ちよさ。

寒い冬は熱ーいお湯に浸かって、じんわりと体を温めた。
お湯が熱すぎると鳥肌が立って、寒いような錯覚に陥る。
面白いなと思いながら、その鳥肌が消えていくのをじっと見ていた。

最後の夜、母と話して、時々する『デトックス』をすることにした。
デトックスは体の毒素を外に出すことで、
我が家では、お塩と日本酒をたっぷり入れて、
ぬるめのお湯に浸かる。
そうすると、汗がどくどくと出てきて、とてもさっぱりする。
翌日には肌がつるつるし、髪もしなやかになる。

いつものデトックスは、我々の身体のメンテナンスのために行うのだが、
その夜はお風呂場に「ありがとう」という気持ちをこめて行った。
でも結局、私たちがいつものようにイイ気持ちにさせてもらった。

仕舞い湯に入った私は、上がった後で、お湯を落し、
最後の掃除をした。
「36年、ありがとね。」
そういいながら、浴槽やタイル、蛇口などをこすった。

 お風呂場にタイルを使うなんて、昭和の時代を感じさせる。

カビの生えていない、真っ白い目地。
母が丹念に手入れをしてくれたおかげだ。
だから、毎回気持ちよくお風呂の時間を楽しめた。

蛇口三兄弟。
お湯と、お水、そして夜間電力で沸かす熱湯。
特に熱湯の蛇口にはお世話になった。
お客様に出すおしぼり、お酒のお燗のためのお湯、
そして、湯たんぽのお湯。
蛇口をひねるとすぐに熱湯が出るので、
浴槽にお湯を溜めるのににそう時間がかからなかった。

そして、今では信じられないが、壁はペンキ塗りだった。
もうペンキがひび割れて、どこかの惑星の地表のようになっている。

ガラス戸の模様。
これも、もしかしたら今ではあまり見られないのだろうか。

新しいお風呂は、モダンなシステムバスだ。
浴槽はバスタブに、
蛇口はタップにかわる。
そして、暖房が付き、浴槽が浅くなる。
洗い場の床は、滑りにくくクッションが利いている素材。
手すりもあちこちに付く。
老人が快適に、そして怪我をしないように、
よく考えられている最近のお風呂。

きっと新しいお風呂にはすぐに慣れて、
「やっぱりお風呂は新しい方が良いわね~」などと言うのだろう。

工事は始まった。
いままで使っていたすべてのものが、ゴミとなって運び出された。
むき出しになった壁や天井は、38年前の新築工事のころを思い出させる。

このお風呂場だけ、来週から新しくなる。
築38年の昭和の家に、最新のシステムバス。
どんなふうに38年の先輩たちの中に溶け込んでいくのだろう。
はやく来い来い、あたらしいお風呂場。
私はそれを楽しみにしながら、これから少しの間、
昭和の代表、銭湯に浸かりに行く。
それもまた、一興なり。

(あー、また瞼がくっつく寸前でした。あぶなかった~。)




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