2012年11月2日(金)
10月のとても気持ちの良いある日、
秦糸染工場でharukiiのシルクカシミヤのストールを染めるところを
見せて頂いた。
いつものように、気持よく掃除された工場内。
今日染めて下さるのは、Marron(マロン)。
栗色のような色だ。
それをぼかし染めにする。
秦さんは、写真を撮りたいという私のリクエストのために、
事前に地染めをしていて下さった。
そして、これから濃い栗色を染める。
染めたくないところは、白い紐でしっかりと縛ってあり、
栗色の染液が浸み込まないようにしてある。
何度も上げたり、
下したり、を繰り返す。
途中、頃合を見計らって、
更に染液を足し、濃い色に染める。
染液の色は、黒に近くなった。
再び上げたり、
下したり、を繰り返す。
どうだろう。しっかり染まっているだろうか。
染まり具合をちょっと見てみる。
染液の温度が上がってきたので、
ちょっと素手で扱えなくなってきた。
ワイヤーに吊り下げ、
コントローラーで上げ下げする。
染液の温度は100℃に近い。
あ、秦さん、いつの間にか眼鏡を外した。
そう、湯気で曇って見えないからね。
そろそろ染まっただろうか。
ちょっとだけ端を切って、水に晒し、
ティッシュに包んで、ぎゅっと絞ってみる。
ティッシュに色が付かない。
これは、染料が完全に繊維の中に入り込んだ証拠。
やっと染めあがった。
そして、黒に近かった染液は、薄口しょうゆのお吸い物のように薄くなっている。
染液から上げたばかりのストールを水に浸す。
そして、じゃぶじゃぶ洗う。
ずっと腰を曲げたままの状態で、作業が続く。
さぁ、やっと余分な色が落ちたかな。
ここからがお楽しみ。
白い紐を解いて、ぼかし具合を見る。
秦さん、ちょっとワクワクしている。
さぁ、どうなったか。
紐を解いて、再びじゃぶじゃぶ。
余分な染液を完全に落す。
洗い終わったら、遠心分離機のような脱水機にかけて、
一気に脱水。
ここから水が出なくなるまで、しっかり絞る。
さぁ、できましたよ。
まだ湿っているストールを持って、秦さんが表に出る。
ぱーっと開いて見せてくれた。
あ、しっかりと染まってる。
面白い染め分け。
これは、秦さんのセンス。
一枚一枚、染具合が変わる。
明るい光の中で、Marronを広げてもらった。
すごくモダンな柄になった。
秦さん、渾身の出来。
三代目の彼は、お父さんがやっていなかった生地染を自分で始めた。
染料や薬剤の種類、そし分量、そして入れるタイミング、
それに染液の温度や染時間など、
いままでいろいろなことを試行錯誤して、
その末に、ここまで辿り着いだのだという。
そんな秦さんの手で、こうやって一枚一枚、ストールが染められていく。
世界に一枚だけの手染めのストール。
温かさと柔らかさ、
そして味のある染具合は、手染めならではのものだ。
◆こちらの商品は、【harukii オンラインショップ】で購入できます。
L、S、XSの3サイズそろえております。
また、他にも色違いがございます。
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