FAX電話機



2012年10月18日(木)

昨日、新しい固定電話機を探しに出かけた。
FAX機能付き電話である。

新しくしたい理由は二つ。

① 留守中の携帯電話の転送が、うまくできない。
② FAX機が感熱紙使用だった。
  感熱紙の文字は、時間が経つと消えてしまう。
  それに、感熱紙は薄すぎて、その紙を使ってFAXの返信ができない。
③ コードが劣化して、一部の線がむき出しになってきた。

私の使っているFAX電話は、もう15年以上、
いや、20年ぐらい使っているかもしれない。

5万円ぐらい出せばあるかな、と思いながら、
新宿西口の家電量販店に行ってみた。

パソコンのプリンターぐらいの大きさの
黒く光っている『俺様が The FAXだ!』 という機械が、何台も並んでいる。
あー、A4の紙を入れるのだから、これくらいの大きさになるわよねぇ。

店員さんに聞いてみた。
「あのう、A4のコピー用紙が使えるFAXを探しているんですが。」
今使っているのは、感熱紙なので。。。」
「あ、それなら、これが全部そうですよ。」
「へ? これ?」
「今は、感熱紙対応のFAX機はごくわずかなんです。」

指差されたのは、黒い立派な『俺様』たちの向かいに並ぶ、
小さくて、白くて、ちんまりした電話機たちだった。
「これがFAXなんですか?」
「そうです、ここの蓋をこう開けて、A4の紙をここに立てておきます。」
あーそうか。なるほど。こうすれば、場所を取らない。
コンパクトでとてもいい。

「あの、もう一つ、今の電話で困っているのが、
留守中に携帯電話に転送するようにセットしたつもりなんですが、
転送されないんですよ。」
「え? それは電話機のセットじゃなくて、電話会社に登録したらできますよ。」
「へ? 電話機でセットするんじゃないんですか?」
「いえ、電話機は何もしなくてもいいんです。
NTTとか、ご契約されていえる電話会社に連絡して、
あっちで設定してもらうんですよ。
サービスの使用料がかかりますけどね。」

なーんだ、そうなのか。
だから、いままで転送されなかったのか。
おかしいなぁ。私が設定したのは、なんだったのだろう。

「今一番人気のあるFAX機は、どれですか?」
「よくお年寄りが、『一番シンプルで使いやすいのをくれ』と仰って探されますが、
シンプルで使いやすい、イコール安い、じゃないんですよ。
使いやすい機能にしてある、ということは、機能性が高いんです。
結局、このディスプレイ表示が大きくて、それも漢字で表示されるのが、
一番使いやすい、といって皆さん買っていかれますね。」

言われたFAXは、一連の商品群のなかで、一番高い。
ただ、高いといっても、1万円台だ。
それも、子機が一台ついての値段だ。
それに、ディスプレイに受信したFAXの内容が映し出される。
それを見て、必要な物だけ印字すればよい。
無駄な印字を省くことだ出来る。

5万円の予算で臨んでいる。
2万円もしないなら、御の字だ。
私は迷わず、「コレください」と言った。
在庫があったので、即座に購入し、持ち帰った。

へぇ、FAX電話って、すごく安くなっているんだ。
知らなかった。

家に戻って、新しい電話機を設置した。
一番したかった『転送』。
これの設定をしなければならない。
インターネットで【固定電話】【携帯電話】【転送】と入れてみた。
色々でてきたが、どうもNTTの『ボイスワープ』というサービスがそれらしい。
ネットで登録ができるようだ。

さっそく登録を開始する。
ふんふん。
名前ね。私のハシゴの高の文字は、登録できるのかしら。
転送先の電話番号ね。これは半角。
住所ね。あら、番地は全角なのね。
ふーん、どうしてかしらね。
ふんふん。
現在の料金の支払い方法?
たしか、請求書だったわね。
ええっと、請求書番号も入れる? 請求書番号っと。
昨日支払ってきたから、この辺にあるはず。
あったあった。
ええっと、請求書番号は、どこだ? どこに書いてある?
あれ、請求書番号って、どれ?

表にも裏にも『請求書番号』という文字はない。
どれだろう。
この請求書で間違いないわよね。
そうそう、この電話番号だし、
請求内容が、回線使用料○○円、ボイスワープ使用料○○円。。。

え? ボイスワープ使用料?
払ってる?
私、もう登録してあった?
いつから?

ということは、もう転送ができていて当たり前である。
なのに、なぜできない?

再びインターネットに戻る。
Q&A。
どれだ? どこを見たら分かる?

Q【ボイスワープ/INSボイスワープにおける転送先の電話番号変更方法を教えてください。】

これを見たら、何か分かるかもしれない。
クリックしてみる。

そうしたら、そこにはマニュアルを見ろ、という指示があった。
マニュアル? そんなものがあったのか。
ボイスワープを登録した際、なぜ窓口の人は教えてくれなかったのか?
いや、ボイスワープは、もしかしたらインターネットで登録したのだったか?
半年前だが、もう記憶は全くない。

マニュアルは分かりやすく、
サクサクと設定ができた。
やってみる。
両親の使っている電話機から、私の番号に掛けてみる。
「タダイマデンワヲヨビダシテオリマス。」
左耳に親の受話器、右にiPhone。
右のiPhoneで「もしもし」。
聞こえてくるのは、自分の声か、左の受話器なのか、わからない。
でも、きっとお互いに会話ができているはず。

やった! やっとできた。

そこでちょっと、青い気持ちになった。
もしかしたら、電話機、新しく交換する必要がなかったか。
感熱紙はまだ余っていたし、
電話機能にはまったく問題がなかった。
コードの劣化部分は、ビニールテープを巻いておけばまだ数年は持っただろう。
20年近くも付き合ってきた、この古い相棒に、
さっさと別れを告げてしまった。
なんだか、古女房から若いガールフレンドに乗り換えてしまったオジサンの気持ちになった。

この重くて大きい古いFAX電話。
もう二度と使わないだろう。
私は、いつ捨てるのだろう。
なるべく、早いほうが良いよ。
未練を残すと、古女房も困っちゃうし、
若いガールフレンドも怒っちゃうよ。

そうね。
残しておいた、ずーっと昔の両親の留守番電話の声をもう一度再生してから、
サヨナラすることに致しましょう。

私の古いFAX電話。
今までありがとね。
ホントに、お世話になりました。




続・FAX電話機







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