2012年10月11日（木）
今日の仕事は恵比寿から始まった。
お客様との商談が終わったのは、
午前10時半過ぎ。
次の打ち合わせは、午後2時から三軒茶屋で。
かなり時間がある。
一度事務所に戻ってもいいが、
天気は良いし、空気も爽やか。
そうだ、サンプルのお貸し出しをする予定の会社が、中目黒にある。
恵比寿から中目黒まで、歩ける距離である。
今日は久しぶりにヒールのある靴を履いて来たが、なんとかなるだろう。
宅配便で送る予定だったが、急遽変更。
私が宅配業者になろう。
そう決めて、まずは恵比寿駅の上にある【アトレ】に入り、
オシャレで清潔なトイレで心身の準備。
そして、【柿山】で可愛いおかきのセットをお土産に求める。
メンズの多いお客様の会社なので、甘いお菓子より良いだろう。
でも最近は甘党の男子が増えているから、
あっちのマカロンのほうが良かったかしら。
準備万端整い、サンプルの入ったカートを引っ張りながら、
駒沢通りを南下。
だんだん日差しが強くなり、眩しい。
左を歩き、太陽を避ける。
まだまだ日除けクリームは必需品だ。
おしゃれなカジュアルウェアのお店が、そこここにある。
まわりをきょろきょろしながら歩くのが楽しい。
あっという間に、代官山駅近くに来た。
ここで駒沢通りを渡り、旧山手通りから、森の中へ入る。
へぇ、こんな都会に、雑木林のような木立がある。
個人の所有物ではなさそうな感じ。
この木立を抜けたところに、
お客様の会社がある。
恵比寿を出て、20分くらいで着いてしまった。
今抜けてきた雑木林は、目黒区の所有だそうだ。
今後整地して、何かが建つらしい。
こうやって木を見られるのも、あとわずかなのだろうか。
お客様にお土産とサンプルをお渡しして、
再びカートを引いて歩きはじめる。
次のアポイントは、三軒茶屋。
でも、その前に、ちょっと池尻大橋で寄るところがある。
いっそ、このまま歩こうか。
池尻大橋までは、目黒川に沿って歩けば着いてしまう。
春の満開の時期は、この両側の道が人で溢れる。
と聞いた。
実際にはその時期に来たことがない。
人込みが苦手だ。
これも、ほぼ20分の行程。
桜の木を見上げながら、テクテク歩く。
乾いた風が気持ちいい。
暑くなって、着ていたカーディガンもストールも、脱いでしまった。
あぁ、今年の桜は、紅葉が来る前に散ってしまっている。
お互い、大変でしたよね。夏。
ご苦労様でした。
来年の春まで、ゆっくり骨休めして下さい。
池尻大橋で用事を済ませ、さて、と考える。
ここからまで来たのだから、三軒茶屋まで歩こうか。
でも、お腹がすいてきた。
足も少し痛くなってきた。
途中でお店を見つけて、入りましょう。
と思って、カートを引きずり、歩き出したのだが、
いざとなると、なかなか見つからない。
ラーメン屋さんが多いのが目立つ。
ラーメンは、ちょっと。。。
と思いながら、歩き続ける。
だんだん足が重くなってきた。
結局、三宿を過ぎ、昭和女子大も通り過ぎた。
『平成25年 小学部生徒募集中 男女合わせて150名』
へぇ、女子大だけど、小学校は共学なんだ。
随分昔、この女子大に用事があって入る男性は、
決して女子大生に声を掛けてはいけない、と聞いた。
それから、学生はジーンズ禁止とも。
今でもそうなのだろうか。
で、やっぱり三軒茶屋まで来てしまった。
だったら、あそこに入ろう。
まだあるだろうか。
あ、あった、あった。
もう30年以上も前からあるだろう。
このイタリアンのお店。
【ペペロッソ】
中にはお客様が一人だけ。
ふーん、空いているなぁ。
シラスとミズナのパスタセットを頼む。
うーん。おいしい。
写真を撮る前に、お皿は空になった。
そこに携帯が鳴った。
「すみません、ちょっと道が混んでいて、遅れます。」
うわぁ、遅刻だ！
私の方こそ遅刻寸前！
あわててレシートを掴んで、レジに突進。
エネルギーを満タンにしたので、
足も軽く、カートのカラカラいい音を立てている。
約束の時間にちょっと遅れて、待ち合わせのお店に入る。
打ち合わせは順調に進み、
また一つ、私の手から仕事が離れていく。
心が軽くなる。
いいね、こういう打ち合わせは。
外に出ると、いつの間にか夕焼けが広がっていた。
なんだ、あれは？
太陽の前に立ちはだかる要塞のようなもの。
雲だ。
あんな形の雲、初めて見た。
なんだか、怪獣映画の一シーンのように見えた。
あー、今日は思いがけず歩いた一日だった。
散歩なら、こんなに歩かなかったけれど、
仕事の場所を点と点で結んで歩いたら、結構な距離になった。
あったかいし、空気は気持ちいいし、
秋の一日を堪能してしまった。
なんとなく、いい日だったなぁ。
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