2013年5月9日
向こうの空がだんだん暮れて
青が紺に変っていく時分。
買い物の袋を提げて、疲れた足を引きずって、
駅前からぶらぶらと歩く。
家にいる人たちに、帰りを待たれているような、いないような。
急いだ方がいいような、急がなくてもいいような。
そんな帰り道。
「じゃぁ、ティッシュの箱の場所を伝えてくれるの?」
3歳ぐらいの女の子と、大人の女性。
すれ違う坂道。
「はーちゃんが?」
「うん。」
「あー。はーちゃんはね、しないの。猫だから。」
ふうん。
はーちゃんは猫なのか。
はーちゃんと自分が何が違って何が同じか、
この女の子、わかったかなぁ。
「お、そりゃだめだ、だめだ。」
年配のおじさん。
スーツを着ているけど、ネクタイは外している。
そして、片手に犬のリードを握り、
もう片手はベビーカーを押している。
会社から戻ったら、着替える間もなく犬の散歩を頼まれたか。
「ついでに、この子も連れて行って。
夕飯の支度してるから。」
かわいい孫と愛犬。
二人一緒の散歩なら、スーツを脱ぐ間も惜しんで、出かけますよ。
でも、ベビーカーから身を乗り出してワンちゃんを追う幼い子。
ワンちゃんは、あっちこっちをクンクン。
オジサマ、ちょっと手こずっています。
前になかなか進めない。
元気いっぱいの好き勝手たちを御していくのは容易じゃない。
楽しくて、幸せで、そしてちょっとお疲れの、
夕暮れの散歩。
夕闇はそこまで迫っています。
初夏の夜。
風が爽やかで、寒くなくて。
こんな日は、冷えたビールをゴクゴク飲みたいね。
明日もいい天気、みたいです。
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