2013年5月4日(土)
こんな、ちょっとしたことで、と思うことがあった。
それは、ホテルのお手洗い。
それも、個室の中。
バッグを掛けるフックが、閉めたドアの鍵のすぐ横にあった。
「これ、いい!」
見た瞬間、すぐにそう思った。
トイレの個室の中は、かなり忙しい。
入って、ドアを閉めて鍵を掛けて、
バッグを掛けて。
それからやっと自分の身の世話に入る。
トイレが空いていれば良いが、女性用のそれは、しばしば
長い列を待たねばならない。
自分が個室に入る順番になった時には、
大概かなり切羽詰まった状態になっている。
赤いアラームランプが点滅している、という状況だ。
個室に入り、ドアを閉めた瞬間、ホッとして
アラームの点滅の間隔はかなり短くなる。
いや、ここで気を緩めるわけにはいかない。
この状況の中で、
「さあ、鞄掛けはどこだ!」と
必死になって探すのだ。
バッグは一つだけ、とは限らない。
お買い物大好きマダム&マドモアゼルは、
紙袋を二つ三つ抱えている。
しっかり、がっしりしたフックを、目が探す。
昔は、大抵ドアの上部にフックが付いていた。
しかし最近はその場所がいろいろに変わっている。
側面や背面の壁だったり、
フックが無くて、ちょっとした棚だったり。
一瞬のことなのだが、それを探さなければならないのが、
もう、なんというか、イヤだ。ンッもう!
それに、やっと見つけたフックがかなり高い位置にあることもある。
個室に入った瞬間、女は『くノ一』になる。
なのにフックは再度身体を伸ばせと要求してくる。
そんなぁ〜。
あのね、バッグを掛けたり置いたりした後にも、
私たちはね、バッグから出さなきゃならないものがあったりするのよ。
それに長いスカートだったり裾広がりのパンツだったり、ドレスだったり時には着物だったり。
それに加えて、乳幼児を連れていたりするの。
さもなくば、杖をついていたりもするのよ。
大変なの。忙しいのよ! 笑い事じゃないのよ!
アラームの点滅はますます逼迫した状況を伝えてくる。
そんな時、バッグ掛けが鍵のすぐ隣にあったらどうだ。
鍵をかけたら、すぐにそれが目に入り、
麗しきクノイチたちは、流れるような所作でそれにバッグや紙袋を掛け、
またしても滑らかに次の動作に移る。
美しいじゃないですか。
いいものでしょ?
女性が個室の中でも焦らず優雅に振舞っているだろう、と想像できるのは。
トイレの設計者さん、
これからは、「鍵の横にすぐフック」ですよっ!
私は今日のフックを見た瞬間、
「あ、いい。このホテル、好き!」
と思いました。
こういう、ちょっとしたことで、ファンになるんですね。
またまた勉強しました。
ちょっとしたことだけど、
すごく有難いことなんだなぁ。
そういうこと、私もいっぱい見つけていかなくちゃ。
アリガト、鍵のすぐ横フックくん。
因みにそのホテルは、ザ・ホテル・ニュー・オータニと言いまして、
東京の赤坂というところにあります。
全部のお手洗いのフックがこの位置にあるのかどうかは
未調査です。
悪しからず。
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