いつでもいいでしょ。



2013年5月31日(金)


(昨日の続き)

村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んで、
何が私に責め寄ってきたのか。


それは、水泳。

主人公の【多崎つくる】くんは、週に二度の水泳を習慣にしていて、
いつもゆったりと同じスピードで、ジムのプールで30分泳ぐ。
その間に、精神が落ち着き、頭がクリアになり、
生活をリセットできる。
私の先日のブログで言うところの『家』が、
多崎つくるにとってはプールで泳ぐことなのだ。

それはまさしく、私が水泳に憧れる理由だ。
私の水の中でそんな風に自分を泳がしてみたい。
水の浮力に身を任せて、ゆったり泳いで細胞から何からリセットしてみたい。
ここ何年も、そんな風に思っている。

しかし、私の泳ぎの実力は、小学校の時のクロール25m息継ぎなしで止まっている。
息継ぎの仕方がよくわからない。
必死に息継ぎするが、ちゃんと酸素を取り込めずに、
苦しくて苦しくて、途中で立ってしまう。
ならいっそのこと、息継ぎしない方が体力を消耗しない。
そして、息が続く限り泳げば、それが25mだったのだ。
私は立てないような深いプールで泳いだことはない。

加えて、寒がりだ。
温水プールでさえ、冷たくて苦手だ。
箱根の温泉プール【ユネッサン】も、寒かった。
もう二度と行かない。

本当は今の時期、水泳を始めるには一番のタイミングだ。
真夏までに少しは泳げるようになって、
猛暑をクールに乗り切りたい。
でも、目に見えている。
もう、9月になったら寒くて寒くて、プールに足が向かなくなる。
いや、猛暑期でも、もしかしたら寒くて嫌になるかもしれない。
冬に泳ぐ人の気が知れない。

そう思って何年も過ぎている。
いや、実は始める直前までいったこともある。
数年前、頑張って自分の背中を押して、
水着を買いに出掛けたのだ。
そして試着室の自分の姿を見て、心が折れた。
「だめだ。こんな姿で人前に出られない。」

そう、それも越えなければならない高い壁。
色白で筋肉のない、怠けきった身体を水着に押し込んで、
それを人前にさらすなど、到底できない。
だめだ、だめだ、だめだ~。

でも、最近は露出度の少ない、シニア用の水着が出ているらしい。
これなら、私も着られるかも。
いや、人前に出られるかも。(人の陰に隠れながら)

せっかくベストセラーを買って、一つクリアしたと思ったら、
こんなところに「いつやるか?」が隠れていたとは。

さて、わたし。
今年は泳ぎを始めるでしょうか。
うーん。
どうだろう。
あまり自信がない。




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