氷室饅頭 Ⅱ



2013年7月1日(月)

今年も送って頂いた。
金沢の氷室饅頭。
ああ、あれから早や一年なのかと、
時の経つことの早さに驚く。


去年の自分のブログを読んで、
「ああ、氷室饅頭とはこういうものだったか」と
その来歴、当時の風習を復習する。

今は冷凍庫で簡単に作れる氷。
この大変な蒸し暑さの中で、
毎日家庭で、氷をどれだけでも作れることが有難い。

電気冷凍庫が開発される以前は、
氷室が活躍した。
氷室は、日本だけではなく、世界中にあるようだ。

美しい写真を見つけた。



(スミマセン。写真をこのページから、勝手に転載しました。)

     >>>

これらは、Yakhchal(ヤフチャール)と呼ばれる、古代の冷蔵庫だ。
中では、氷も保存された。
より効率的に、機能的にと改良された末の形なのだろう。
とても美しい円錐形になっている。
広い大地、青い空の中に、ぽっかりと浮かぶその円錐の建造物は、
なんと優美なのだろう。

そして、その内部は更に美しい。
ここに転載できないが、ぜひぜひ見てほしい。
Quintin Lake(クィンティン・レイク)という建築物専門の写真家の手による。

   右の矢印をクリックして下さい。 >>>

煉瓦のようなものを積み重ねているのだろうか。
眩暈がするほど、丹念な作業だ。
冷蔵・冷凍機能を高めるための構造。そして、材料。
それを現実に作り上げるために必要だから行ったのだろう。

幾日も幾日も、何時間も一つの作業を繰り返す。
いつ終わるかもわからない。
だけれど、目標に到達するためには、
完成させなければならない作業。

命令する人がいて、指図される人がいて。
作業する人は、それが後世で芸術として評価されるとは想像だにせずに、
もくもくとこの作業を続けて。

それだから、なおさら美しく目に映るのかもしれない。
機能を追求すると、究極の美に到達する。
単純な作業を繰り返し繰り返し重ねていくと、
誰も到達しえなかった高みに上れる。
そんなことを改めて確認する写真だ。


氷室饅頭のお蔭で、また新しく美しいものを知った。
いつかこのYakhchalを、実際に目にしてみたい。
明日もまた、氷室饅頭を頬張りながら、
しばし地球の裏側の氷室に想いを馳せることにしよう。


氷室饅頭 Ⅰ





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