2013年10月15日(火)
昨日も朝から雲一つない、晴れ上がった美しい日だった。
またマダムMに会えると、
ウキウキして千里阪急百貨店に入った。
前日の夜の衣裳は、これ。
閉店までこの衣裳でいてもらった。
夜を意識して、柔らかいドレープを出した。
【ランダムストライプ・シルクカシミヤストール】のピンク。
スカートには、【シルクカシミヤ大柄ペイズリージャカード】のネイビー。
実は、ストールが二枚巻いてある。
首元はSサイズを二つ折りにして、
肌が透けないようにしっかり巻いた。
そして胸元は、Lサイズでたっぷりとしたドレープを作った。
そうすることで、華やかで、そして暖かそうな感じを出した。
やはり、夕方ともなるとかなり気温が下がる。
暖かな演出が必要だと思った。
そして、昨日の朝は、晴れて気温が上がりそうだったので、
秋らしい雰囲気を残しながら、少し軽めにしてみた。
【シルクリネン大柄ペイズリージャカード】のローズ。
タテ糸すべてにシルクを使ってあり、とても暖かい。
そして、ヨコ糸はすべてリネン。張りがあり、軽い。
このリネンは、とても細く繊維がしなやかなので、肌に優しい。
「今日はiPhoneなのですか?」
は?
「今日はNikonじゃないのですね。」
え? なに? だれ? どこ?
「何をきょろきょろしてらっしゃるの?
私ですよ、マダムMです、」
はぁぁぁぁ?
「驚きました? ワタクシ、話すんですのよ。」
ど、ど、どういうこと?
「あなたのストール、気持ち良いですね。
上質の繊維を使っていらっしゃるのね。」
あ、は、はい。
「このシルクリネンも、とてもいいですよ。
軽くて、暖かくて
それに、リネンがチクチクしませんね。」繊維のこと、よくご存知で。。。
「まぁ、何をおっしゃっているの。おかしな方ねぇ。
ワタクシたち、この道のプロですよ。」
???
「何年、ここで衣裳を着ているとお思い?」
はぁ。そうですね。何年でしょう。。。
「かなり長いんですのよ。オホホ。
それにね、このお店はとても上質のお洋服を売っていらっしゃるので、
私もいつも良いものを着せて頂いているんですの。オホホ。」
はぁ。そうなんですか。
「ワタクシたちの年代になると、
いつもお顔の周りを華やかにしたいの。
このストール、張りがあっていつまでもペシャンってならないので、
とても良いですね。」
あ、ありがとうございます。
「夕べのストライプのシルクカシミヤも、
とても軽くて柔らかかったわ。
でも、あなた襟元を二重になさったでしょう?
少し暖かすぎたわ。
ほら、ここは閉店後は空調を止めるでしょう?
だからちょっと暑すぎて。
あ、でも心配なさらないで。ワタクシたち、汗をかかないの。」
そう、ですよね。はい。ありがとうございます。
「あら、お客様よ。早く行って、接客なさって。」
は、はい。行ってまいります!
・・・
「良かったわね。このストール、買って頂いたのね。」
はい! 今お召しのストールをとても気に入って下さって。
「でしょう? ワタクシ、ちょっとウィンクしました。」
はぁ?
あ、あの、初めはお召しのものをご覧になって、
ピンクを羽織られたのですが、
ブラウンを試されたら、そちらの方がお気に召して。
「聞こえていましたよ。とても気に入って下さったようですね。」
はい、ご子息のチェロの演奏会にお召しになるとおっしゃっていました。
「そうですか。私も、ここに座っていて、少しは役に立ちましたね。」
いえ、少しだなんて。
とても助けて頂いて。
ありがとうございます。
「おほほほ。でね、じつはこのストール、もう少し暑いんですのよ。」
あ、ごめんなさい。もう気温が上がってきましたか。
「外に出てごらんなさい。皆さん半袖ですよ。」
わぁ、暑いですね~。晩夏、みたいです。
「でしょう? ちょっと替えて下さらない?
色は、クールなのがいいわ。」
では、ストライプのブルーはいかがでしょう。
「よろしいわ。あちら、好きです。シャープな感じがして。
秋だから暖かそうに、
でも、実際は涼しくしてくださいね。」
わかりました。
これでいかがでしょう。
「あら、あなた、カメラに指が入っているわよ」
あ、すみません。
「こんどは、少しピンボケですよ。
iPhone 5になさってないの?」
ご、ごめんなさい。
「まぁ、いいでしょう。」
襟元はまた二重にしました。
マダムMの首がとても美しいので、ついつい巻きたくなるんです。
「おほほ。お上手ね。」
「これは、涼しくていいわ。
下の方から風が入るわ。
お客様が通るたびに、ふわりと風が入って
とても優雅な気持ちになります。」
はい、とてもおキレイです。
「まぁ、おほほ。」
・・・・・
「ねぇ、あなた。」
はい。
「もう、替えて頂く時間よ。」
あ、もうそんな。
「お外に出てごらんなさいな。
まだ少し暑いけれど、
陽がずいぶん傾いていますから、
装いにも温かみが必要になるころですよ。」
わかりました。
では、ストライプのレッドにしてみます。
いかがでしょう。
「いいわ。
ランダムのストライプの流れる線が良くわかって、
素敵ですよ。」
ええ、横から見ても、とても美しいです。
「襟元は、少しゆったりなさったのね」
はい、これから夜なので、少し華やかさを出そうと思いました。
「あなた、ネックレスはいつもこれなのね。
もっと夜にふさわしいのはないのですか?」
すみません。これしか持ってこなかったものですから。
「それも、ディスプレイ用はなく、ご自分でなさろうとしていたものでしょう。」
はい、よくご存知で。
「たまたまワタクシに似合ったからよいようなものの。」
はぁ。
「まぁ、準備不足、ですね。
こんどからは、ちゃんといくつかお揃えになることね。」
はい。気を付けます。
「ねぇねぇ、こちらのお店のシャンデリア、きれいだとお思いにならない?」
はい! 私もいつも見とれておりました。「でしょう?
ワタクシもこちらのお店に置いて頂いて、
とてもシアワセなのですよ。
いつもこのエレガントなシャンデリアに照らして頂いて、
とても優雅に過ごせるの。」
それに、お隣がダイヤモンドの売り場でしょう?
キラキラ輝いて、うっとり。
そして、その向こうはお化粧品。
いつもとても良い香りがするの。」
マダムのお好みの香りはあるのでしょうか?
「やはり、シャネルね。
若い時はいろいろ他のものに心移りしたのよ。
でももうこの年ですから、やはりオーソドックスなのに帰っていくわね。
あなたは?」
私は香りはつけないんです。
「あら、どうして?」
つける習慣がないというか、興味がなかったというか。
「あら、もうつけたほうがよろしいじゃないかしら。」
もうって?
「あら、もうはもうですよ。そういうお年頃でしょう?」
そうですか。
「そうですよ。もう香りで誤魔化すお年頃ですよ。」
(・・・・・。)
「ごめんあそばせ。少しストレートすぎたかしら。」
いえ、いいんですけれど。
「あら、おしゃべりばっかりしてしまって、ごめんなさい。
もう閉店のお時間ね。」
まぁ、もう?
「お外に出てごらんなさい。
今日は美しい半月ですよ。」
ホント。
「おほほ。
明日はちゃんとNikonを持っていらっしゃいね。」
そういたします。
「残り、明日一日だけだけれど、楽しく過ごしましょうね。」
はい! 明日も宜しくお願い致します!
はぁぁ。マダムM、しゃべった。
おしゃべり好きだった。
はぁぁ、マダムM、おそるべし。
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