2023年4月3日(月)
手元にもう随分前に作ったストールがある。
綿100%のガーゼストール。
何度も洗って洗って使っている。
最初は手で洗った、と思う。
harukiiで表示している「お手入れの方法」通りに、
40℃くらいのぬるま湯に浸け、
デリケートな衣服を洗うのと同じ方法で、
いやそれよりもっと丁寧に。
なるべく触らずに、そっとそっと。
そっと開いて、そっと干す。
でもいつ頃からだろう。
忘れてしまったが、きっと使い始めて間もなくだ。。
洗濯ネットに入れて、
他のタオルやTシャツなどと一緒に洗濯機に放り込み、
ガーガー回す。
脱水が終わったらネットから取り出し、
ざっと広げて力任せにパンパンと振る。
タオル掛けに掛け、太陽の強い光にさらす。
パリパリに乾いたこのコットンのストールは、
畳むとふんわりと手のひらに温かい感触を与える。
首に巻くと、安心する優しさ、懐かしい優しさが戻ってくる。
そうやって何度冷たい水にくぐらせ、
洗濯機で乱暴に回し、
天日干しを繰り返しただろう。
時にはもうネットに入れるのも忘れて、
縦型洗濯機の中に放り込まれる。
他の洗濯ものとぐるぐるに絡み合って
洗濯層の中で揉まれている。
脱水機でしっかり絞られ、
無造作にパンパンパンと広げられ、
タオルなどと一緒に干される。
ガーゼで薄いので、
太陽の日差しを浴び、そよ風でも吹けば、
もう30分ほどで完全に乾いてしまう。
そうそう、そういえば、
「タオルのようなストール」というのが
サンプルを作った当時のテーマだった。
ウォーキングや庭仕事などで、額の汗を拭き、顔を拭き、
水道の蛇口でじゃぶじゃぶ洗えて、
手で絞ってもすぐに乾く。
でも、タオルよりも肌触りがうんとよく、
ちょっとおしゃれして街に出るときにも気軽に巻ける。
そんなストールを作りたいと思って作ったんだったなぁ。
よく頂く「粗品」というのし紙が付いた薄いタオル。
あのボリュームが目指すところ。
サンプルのストールをぎゅっとしぼって、
タオルと同じぐらいの握り具合かどうか確かめたっけ。
昔の生産履歴を調べてみたら、
丁度10年前に作ったものだった。
あれから10年も経ったのか。
この10年の間、何度洗濯機に回されたのだろう。
今も現役バリバリのストールとして
本当に重宝して使っている。
そして風合いが、誠に良い。
柔らかくてふんわりして、肌に寄りってくれるような優しさだ。
こんなに強い味方になってくれるなんて、
10年前には全く予想できなかった。
でも一つ、強く印象に残っている出来事があった。
ある日このガーゼストールをご購入下さったお客さまからメールが届いた。
ストールを失くされたという。
同じストールの在庫があれば買いたいと。
そのお客様とのやり取りは、ずっと頭の片隅から離れなかった。
またぜひこのストールを作ろう。
ずっとそう思ってきた。
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