続々・石



2013年12月10日(火)

思い立って、自室のレイアウトを変えてみた。
そうしたら、図らずも年末の大掃除のようになった。
普段動かさない、重くて大きい物の陰から、
たまった埃が出てきた。
それを掻き出し、吸い取り、
大きいものをあっちへこっちへ動かし。
二日かけて、模様替えが終わった。

机の向きを変えた。
気分が変わる。
しばらくこれもいいな、と思う。

そして、いままで置き場所の無かった石たちにも
小さなスペースが与えられることになった。

久しぶりに明るい場所に出てきた石たち。
随分埃もかぶっているだろうと、
石たちをどっぷりと水に浸けた。

すると、石の表面から、細かい泡が出てきた。
固い表情の石なのに、小さな孔が開いているのだろう。

その泡は、とても小さく、
順序だって、規則正しく、
まっすぐ上に上がってくる。
いつまでもいつまでも。
よほど小さい孔なのだろう。

いつまでもいつまでも、
小さな泡は途切れずに上がってくる。
それを眺めていると、
なんだか、太古の昔の空気に触れたような気になってきた。


そういえばこの石、いつの時代から石なのだろうか。
どこで拾ってきたかも忘れてしまった石。
別段魅力的でもない、ふつうのゴツゴツした石。
時々蚊取り線香の台になって、
焼け焦げを二つもつけられてしまった石。
私なんかより、ずっとずっとずーーーっと永く生きている石。

文句も言わずに、暗くて風通しの悪い場所に
一年以上も追いやられていた石が、
急に何か神秘的なものに見えてきた。


「石」

「続・石」





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