2018年12月7日(金)
(No.5より続く。 最終回)
(No.1 はこちらをクリックして読みください。)
暫くして、2回目のサンプルが送られてきた。
最初のサンプルの時より、
もっとドキドキしている。
少し開けるのが怖い気もした。
それでも、勇気を持って開けてみる。
柔らかいか。
どうだ。
どうなんだ。
んー。
世の中それほど甘くない。
あれほど柔らかかった糸が、
編むとこんなになるのか。
でも、と気を取り直す。
最初のサンプルを引っ張り出してきた。
これと比べれば、ずっと柔らかい。
ベターじゃないか。
落ち込むな。
何とかなる。
何とかしよう。
何とかできる。
ぐっと気持ちを引き上げる。
早速工場さんに相談する。
「今度の方が最初よりいいのですが、
でも弊社の求める物はこれではないのです。
もっとふわっと、うわぁ気持ちいい!と
思わず声が出るような。
そんな肌触りを求めているんです。」
「んー、そうですねぇ。
少し仕上げ加工を工夫してみましょうか。」
「ぜひお願いします。」
3度目のサンプルを待つ。
今度はかなり良くなってきた。
「もうあと一歩、もう少し柔らかくなりませんか。」
「度を甘くしてみましょうか。」
度を甘く? 編み目のサイズを変えること?
「型崩れしませんか?」
「いや、それほどは甘くしません。
ほんのちょっとです。型崩れしない程度です。」
「それなら、ぜひやってみてください。」
そして私は4枚目のサンプルを待つこととなった。
いつ発売と確定せずにスタートしたサンプル作り。
工場さんは、多くの顧客の注文をこなしながら、
機械が空いている少しの隙に
harukiiのサンプルづくりを差し込んで下さる。
なので、すぐに出来上がることはない。
気長に待つ。
これぞというタイミングに、
ベストのサンプルが出来あがってくるはずだ。
そう信じて待った。
数か月後、4枚目のサンプルが出来上がってきた。
もう、わくわくはどこかに忘れてしまった。
ただドキドキするだけ。
柔らかくなっていてくれ。
そう祈るのみ。
本当に、有難たいことに、
そのサンプルはふんわりと
私の心に寄り添うように、
柔らかい風合いを持って
私を包んでくれた。
あぁ、やっと出来あがった。
これなら、harukiiのマフラーとして世に出せる。
有難う。
すべての人に有難う。
すべての物に有難う。
---------------------------
あとで知ったことだが、
このシルクの糸の表面の毛羽は、
なんとカシミヤの1/2の太さ。
7.5ミクロンだとか。
※1ミクロン=1000分の1ミリ
そして、シルク原糸の中でも最上級の
A1というランクのものを使っている。
※ランクには、A1、B2、C3、D4、E5とあり、A1が最高。
愛知県の工場では、超高性能の機械を使って、
原糸のチェックをしている。
節や結び目、ゴミを徹底的に除去し、
なめらかな糸にしている。
ここで学んだ、もう一つの大切なこと。
原料の持つ力は、最後まで失われない。
そして、途中での誤魔化しは効かない。
---------------------------
もう一度、サイズを見直し、
最終サンプルが出来あがった時
すでに今年の秋が始まっていた。
すぐに本発注に入った。
発売を12月初めに設定した。
すでに秋冬物としては遅い発売だ。
でも、このシルク100%のマフラーは、
楽しく胸躍る季節に出したい。
色は「新春」をテーマにした。
クリスマスが終わると、
日本は次の日からお正月のムードが高まる。
お正月から、春一色。
それに続いてバレンタインデーやホワイトデー、
お花見、引越し、入学、入社。
新しい生活にわくわくするシーズン。
そんな新春をイメージして、
5つの配色を選んだ。
色名はすべて春の植物から付けた。
◆沈丁花(じんちょうげ)
◆福寿草(ふくじゅそう)
◆土筆(つくし)
◆勿忘草(わすれなぐさ)
春らしい色目のマフラーが出来あがった。
今は冬だけど、
私には明るい春の到来である。
---------------------------
こちらの商品は、以下で販売しております。
・harukii オンラインショップ >>>
・ストール専門店 harukii - はる希(楽天店) >>>
・STYLE STORE(スタイルストア) >>>
・lizm(リズム) >>>
---------------------------
このストールが、
皆さまを温めるのにお役に立つことを
願ってやみません。
harukii
髙橋裕子
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.1
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.2
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.3
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.4
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.5
ご家庭での洗い方: ふんわりシルクWフェイスマフラー
0 件のコメント:
コメントを投稿