2018年12月7日(金)
(No.3 から続く)
工場がきまった。
糸も選んだ。
あとはサンプルを待つばかり。
しばらくして、工場さんから箱が届いた。
待ちに待ったサンプルである。
少しドキドキしながら箱を開けた。
サンプルを広げる。
ん、少し重いか。
デザインは、とりあえずまあまあ。
きさも、こんなものだろう。
肝心の肌触りは。。。
ん? なんだ?
期待していたのと違う。あまり柔らかくない。
柔らかいけど、展示会で触った程の感動がない。
これはどうしたわけか。
ウール100%の商品としては、とても柔らかい方だろう。
全く悪くない。
でも、harukiiらしいか。
いつも「あぁ柔らかい」と感動して下さるお客様に
同じ感動を与えられるか。
なんど肌に当てても、
私の顎の下は「ノー」と言う。
だめだ。
製品にできない。
どうしよう。
どうしようもなにもない。
これは没である。
でも、どうしてなんだろう。
サンプル帳の生地はとても柔らかいのに。
そこで学んだこと。
編み方、編み目の大きさなど
さまざまな条件によって糸の風合いは変ってくる。
糸の良さを出すには、
それに合った条件を見出さなけれならない、
ということ。
これはニット製品に限ったことではなく、
これまで作ってきた織物製品でも同じだ。
編み物でも同じなのだと、認識を新たにした。
工場さんに相談する。
「もっと柔らかくするにいはどうしたら良いでしょうか。」
「うーん、それは編地をぐっと甘くするしかありませんね。」
編地を甘くする。
つまりもっとざっくりと大きな目で編めば、
柔らかくなるというのだ。
糸の使用量も少なくなり、全体に軽くなる。
「でも、甘くすると型崩れしますよ。」
それは困る。
harukiiの製品は、長い間お使い頂くことがセールスポイントだ。
使えば使う程肌に馴染み、使い手の心強い味方になる。
そんな製品を目標に作っている。
一シーズンだけで形が崩れたりされては困る。
展示会で数多くのサンプルの中から、
この編み方を選んだのは、
上品な表情でありつつ、編地がしっかりしていて
型崩れしなさそうだったからだ。
この糸は使えない。
糸を変えなければならない。
せっかく魅力的な糸なのに。
良い糸なのに。
はぁぁ~~。
振り出し近くに戻った。
(No.5に続く)
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.1
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.2
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.3
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.5
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.6
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