2018年12月7日(金)
(No.4 より続く)
それからしばらく時間が経った。
最初のサンプルは、箱に戻されたまま。
行きも戻りもせず、
ニットマフラー作りは棚上げになっていた。
2017年のニットの展示会に足を運んだ。
例の工場さんに会うためだ。
マフラー作りをどうにか進めたいと思っている。
私は「どうしたらいいでしょうね」と投げかけた。
「うーん、そうですねぇ。糸は変えたほうが良いかも。」
やはりそうか。でもどんな糸がいいのだろう。
会場を回ってみた。
マネキンに人集りがしているブースがある。
愛知県の糸の専門会社だ。
こちらも、業界では有名。
上質で個性的な糸を次々に開発している。
harukiiもすでに織物のストールで、この会社の糸を使わせて頂いている。
ブースに入り、社員の方に
「柔らかくて肌触りの良い糸を探しているんですが。」と、聞いてみる。
「じゃぁ、これがおススメです。」
その人は、私を人集りがしていたマネキンに案内し、
「触ってみてください」と、セーターを指差した。
なんと!
とろけるような柔らかさ。
なんだなんだ!?
「この糸、何ですか!?」
「シルクの糸です。」
「シルク? シルク100%ですか?」
「はい、シルク100%です。他に何も混ぜていません。」
なんと!
シルク100%でこのふんわりした暖かさは何だろう。
「簡単に言えば、糸の表面を毛羽立たせてあり、
それでふわっとした感触になるんです。」
これだ! この糸だ!
この糸だったら、あのマフラーができるかもしれない!
「ちょっとちょっと、来て下さい。」
早速ニット工場さんをブースに引っ張ってくる。
「この糸で、マフラー編めますか?」
「あぁ、編めると思いますよ。」
あぁ、この糸なんだ。
やっと見つけた!
びっくりマークがたくさんついてしまったが、
この糸に出会ったときの私の頭の中には、
もっとたくさんのびっくりマークと、
それ以上のハートマークが並んでいた。
その場で色を決め、糸を発注し、
2回目のサンプルづくりをスタートした。
(No.6・最終回) に続く)
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.1
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.2
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.3
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.4
2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.6
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