2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.5



2018年12月7日(金)

(No.4 より続く)

それからしばらく時間が経った。
最初のサンプルは、箱に戻されたまま。
行きも戻りもせず、
ニットマフラー作りは棚上げになっていた。

2017年のニットの展示会に足を運んだ。
例の工場さんに会うためだ。
マフラー作りをどうにか進めたいと思っている。
私は「どうしたらいいでしょうね」と投げかけた。

「うーん、そうですねぇ。糸は変えたほうが良いかも。」

やはりそうか。でもどんな糸がいいのだろう。

会場を回ってみた。
マネキンに人集りがしているブースがある。
愛知県の糸の専門会社だ。

こちらも、業界では有名。
上質で個性的な糸を次々に開発している。
harukiiもすでに織物のストールで、この会社の糸を使わせて頂いている。

ブースに入り、社員の方に
「柔らかくて肌触りの良い糸を探しているんですが。」と、聞いてみる。

「じゃぁ、これがおススメです。」

その人は、私を人集りがしていたマネキンに案内し、
「触ってみてください」と、セーターを指差した。

なんと!
とろけるような柔らかさ。
なんだなんだ!?

「この糸、何ですか!?」
「シルクの糸です。」

「シルク? シルク100%ですか?」
「はい、シルク100%です。他に何も混ぜていません。」

なんと!
シルク100%でこのふんわりした暖かさは何だろう。

「簡単に言えば、糸の表面を毛羽立たせてあり、
 それでふわっとした感触になるんです。」

これだ! この糸だ!
この糸だったら、あのマフラーができるかもしれない!

「ちょっとちょっと、来て下さい。」
早速ニット工場さんをブースに引っ張ってくる。

「この糸で、マフラー編めますか?」
「あぁ、編めると思いますよ。」

あぁ、この糸なんだ。
やっと見つけた!

びっくりマークがたくさんついてしまったが、
この糸に出会ったときの私の頭の中には、
もっとたくさんのびっくりマークと、
それ以上のハートマークが並んでいた。

その場で色を決め、糸を発注し、
2回目のサンプルづくりをスタートした。

(No.6・最終回) に続く)


2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.1

2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.2

2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.3

2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.4

2019新春 ふんわりシルクWフェイスマフラー No.6

0 件のコメント: