2012年5月24日(木)
今日は、2013春夏ストールのサンプル発注の日。
高速バスで、山梨県南都留郡西桂町というところへ行ってきた。
日本を代表する絹織物の産地の一つである。
天気が良ければ、富士山が眼前に聳え立つのが見えるのだけれど、
今日は生憎雲に覆われて、その裾さえも見せてくれなかった。
でも、ほかに見るものがたくさんあった。
その第一が、傘の工場。
9月の展示会出展のためにお世話になった「槙田商店」の社長様にご挨拶に行く。
槙田商店は慶応2年から続く織物会社。
創業140年。
なんと。。。!
現在の主力商品は、傘と服地。
今日は幸運なことに、その傘づくりの現場を見せて頂いた。
傘の柄(がら)が合うように織られた生地の上に、専用の定規を当てて、
大きな鑿のような刃物でシュッシュッと小気味よく切っていく。
驚いたことに、傘の製造はほとんどの工程が手作業だという。
写真のような柄あわせが必要な高級生地は、
生地を重ねることなく、一枚一枚丁寧に切っていく。
それをミシンで縫い合わせて、生地を骨に付けるのはまた手縫い。
目にも止まらぬ早業である。
そして、やはり使い込まれた道具には、どうしても目が奪われてしまう。
傘のサイズやカーブによって、この当て枠を使い分けるそうである。
使い勝手よく設計され、長年使い込まれた道具は
無駄がなく、美しい。そして威厳がある。
いい工場には、必ずいい道具がある。
そしてきちんと手入れされている。
それは絶対。
だから、工場見学は楽しい。
この地方で伝統的に作られてきた甲斐絹(「かいき」と読む)のサンプルも
見せて頂いた。
地元で育てた繭から糸を取り、
シャンブレー(たて糸とよこ糸を別の色で染めて織ること)にした生地。
薄くて軽い。
角度によって、色の見え方が変わる。
玉虫色と言われている。
不揃いな糸ムラや織キズが目立ち易いので、生地屋さんは作りたがらない。
でも、槙田商店のその生地は、とても端正で美しかった。
この生地で作った傘のサンプルも見せて頂いた。
残念ながら写真はないが、とても軽くて優美。
もちろん、市場に出たら超々高級品となる。
いつまでも眺めていたくなる傘だった。
上質な物を見ると、それだけで心豊かになる。
上質な物を作りだす人と話すと、その謙虚さに心打たれる。
私もharukiiの商品で、使っていたただく人の心を豊かに満たしたい。
さぁ、これからストールのサンプル発注だ。
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