わが社の氏神様



2014年5月1日(木)

もう東京に戻ってきて2週間以上にもなるのだが。

何年ぶりだろう。
用事が出来て、金沢に行ってきた。
全く思いがけず、桜が満開を迎えていた。
東京では逃した花見を、金沢で満喫した。


旧県庁後から眺める金沢城の石垣。


お堀の桜並木。


青空を覆う薄紅の花、花、花。

なんのプランも立てずに歩き回った市内。
観光マップを眺めながら、次はどちらに歩こうか、と。
目にとまったのは、『尾山(おやま)神社』。

ああ、ここだ。
ここへは行かなくては。
私が辿り着いたのは、尾山神社の裏側、東参道。
この階段を、ゆっくり上がってみる。

考えてみれば、この神社は当社の誕生の元となった場所。
株式会社はる希の創立の日に大きく関係している。

私は会社の登記を二年前の両親の結婚記念日に行った。
理由は。。。
五月の若葉のころは、私の一番好きな季節だ。
そして何より、その日にすれば
我がご両親殿もお喜びだ。
そうなれば今後何かと好都合だろう、、、と踏んだ

案の定、である。
計画は大成功している。

尾山神社。
ここは昔、両親が挙式を行った場所だ。
当時の写真が残っている。
もちろん白黒写真だが、古い割には状態もよく、
ニコリともしない緊張した二人の顔が並んでいる。

せっかく金沢にいるのだ。
今までそう考えたことはなかったが、
尾山神社こそはる希の氏神様、かもしれない。
両親が結婚しなければ、私も生まれないし、
はる希もharukiiも生まれなかった。
この神社は、いろいろ生んでくれた有難い神社なのだ。

それに、初めて来て驚いたのだが、
なんとモダンな。
鳥居の内側に、ステンドグラスを嵌めた、
立派な門がある。

裏から入ったので、
一旦表に出てみる。
うーん。
何となく、神社には似つかわしくない建築物だ。
行ったことはないが、長崎を髣髴させる。
この上部にステンドグラスが嵌めてあるのだが、
陽の光を反射して、分かりにくい。
もう一度、境内に入ってみる。
裏側から見たところ。
これなら分かりやすい。
色とりどりの色ガラスがはめ込んである。
長崎と思ったのは、ステンドグラス=キリスト協会を思わせたからだろう。
明治8年、西洋文化の影響を受けて建てられたものらしい。
当時の人たちは、これを見てどう思ったのだろう。
「楽しい! 素敵!」と思った人もあれば、
「西洋かぶれ。神聖な場所になんと不謹慎な」と思った人もいただろう。
でも、新しい価値観を果敢に受け入れる、勇気の象徴のようなこの門を見ると、
なんだかとても誇らしい気持ちになる。
「さすが、はる希の氏神様。」

 御神殿は古くどっしりした感がある。

そして、その脇にそれ以上にどっしりした木が植わっている。
「 蚊母樹(いすのき)」というらしい。
蚊のお母さん? 蚊が寄ってくるのかしら。
樹齢二百有余年。
200年以上も、ここにずーっと立っているらしい。
ということは、このステンドグラスの門の建築も、
一部始終見守っていたということか。

はる希はまだ2年。
とりあえず、10年が目標だ。
もしそれがクリアできたら、次は20年。
30年、40年、50年、、、

私がこの世で見守れるのは、長寿だとしても40年ぐらい。
200年。
長いなぁ。
木になれば、すべて見ることができるのか。

とりあえず、私はいつもより少し多めのお賽銭を入れて、
「これまで2年間、なんとか続けてこられました。
ありがとうございました」と、お礼を言った。





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