2015年6月3日(水)
水の季節に入ってきた。
毎年この時期になると、
我家の狭小庭(隣家との隙間と言った方が正しいか)の
そのまた片隅に、
必ず咲いてくれるこの花。
今朝は早くから雨が降り出し、
水に濡れそぼっていた花を
無理やり引っこ抜いてきた。
ムラサキカタバミ
本当は、そのまま地面に植わっていたかっただろう。
その場で咲き切って、花びらを落し、その後たくさんの種を宿し、
来年のために新たな命を撒き散らしたかっただろう。
分かってはいるけれど、
どうしても毎年抜いて、身近に持って来てしまう。
毎朝毎晩、ちらりと目をやり、
そこにあることを確かめたくなる。
一生の中で、知る花の数は少なかろう。
そのなかで、「世界で一番好き」と言ってしまうのは
多少勇気が要るが、
それでも、それだからこそ、
この花と出会えたことの幸運に感謝する。
太陽の十分な光がないと、開かない花びら。
今日は全員下を向いている。
それぞれが、それぞれの方向を向いて、
何を考えているのだろう。
明日になると、太陽が出る。
そうしたら、皆一斉に光を求めて顔を上げる。
陽が出るとそちらを向き、
陰ると花びらを閉じて、安息の時間に入る。
そんな単純な、
そして、可憐で、力強いこの花が、
世界で一番好きだ。
(一昨年も、熱く語っていました。)
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