夏の食



7月12日(金)

これを食べると、ああ夏だなぁと思う食べ物がいくつかある。

・茗荷
暑い日に冷奴の上に千切りを乗せ、
お醤油をちらりと掛けて食べる。
大葉の千切り、生姜のすりおろしがあれば、なお良い。
どれも一年中食べられるが、
真夏にたべるのが、一番美味しい。

・とうがん
鴨瓜ともいう。
故郷では、大豆をつぶしたものでだしを取り、
干しエビと一緒にお醤油で炊く。
(煮る、というより炊くと言った方が似合う気がする。)

・西瓜
言わずもがな。
皮に近い白いところの青臭いのも、夏の匂いだ。
水分が多く、乾いたのどにジュワっと染み入る。
八百屋さんによると、最近は小ぶりのスイカがよく売れているそうだ。
皮が薄くて、とても甘い。
冷蔵庫にも入れやすい。

・みゆき茄子の糠漬け
新潟の茄子だという。
ころんと円く、小さい茄子だ。
皮が薄く、中の白いところはさくっとしていて、
かつとても柔らかくて瑞々しい。
糠漬け自体が夏の味なのだが、
このみゆき茄子がでると、
あぁ、本当に夏が来たのだ、と感動する。

茄子の漬物は、特に好きだ。
それは、色がとても美しいからだ。
茄子紺から青紫、赤紫、茶色と、いろいろな色が混ざり合って、
果肉の黄味がかった白さと美しい対比を見せる。
その色も、空気に触れるとすぐに退色してしまう。
糠から出したすぐが、一番美しい。
その時にすぐに食べられたら、そんな贅沢はない。

ここにも、茗荷の千切りを載せて、
お醤油をほんのちらりと掛ける。
絶品。

日本の夏は、目も舌も楽しめる。




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