銭湯



2013年2月17日(日)

自宅のお風呂場を改修している関係で
銭湯を利用している。

我が家は大変幸運なことに、
銭湯の裏にある。
平成に入り、東京23区内の住宅街からは、
ものすごい数の銭湯が消えてしまった。
代わりに現れたのは、スーパー銭湯という、
娯楽を中心にした大きな施設。

でも、町の銭湯の根強いファンはいるようで、
残っている小さな銭湯は、とても頑張っている。

我が家の裏の銭湯は、つい最近まで薪でお湯を沸かしていた。
だから、銭湯の裏には、薪がうず高く積まれていた。
最近は薪の姿は消え、代わりにBMWが止まっている。

銭湯に入るのは、何年振りだろう。
お客様はみな常連さんたちのようだった。
脱衣所に入ると、お風呂から上がったばかりの女性たちが
皆思い思いに涼んでいて、
お互いにたわいのない会話を交わしている。

きっと自宅にもお風呂はあるのだが、
銭湯が好きで、通ってくる人たちなのだろう。
服を預けるロッカーには、長期貸し出しのロッカーもあり、
いちいち石鹸やシャンプーを持ってくる必要がない。
そのロッカーは、すべて利用者で埋まっていた。

銭湯は広くて、天井も高い。
正面の壁には、新緑の白樺林が描かれている。
富士山もいいが、白樺もなかなかいい。

浴槽はいくつかに分かれており、
私はジェットバスに入った。

近眼の私は、裸眼で、しかも湯気が立ち籠る銭湯では、
壁の表示が見えにくい。
以前銭湯に入ったとき、
何と書いてあるのかと思って
湯船に入りながら壁の札に近づいたら、
いきなり「ビリビリ」っときた。
壁には、『電気風呂』と書いてあった。

それ以来、他の湯船には入らないようにしている。
入るのはジェットバスの湯船と、薬草の湯船。
ジェットバスで身体をもみほぐし、薬草の湯でさらにリラックスさせる。
温度がいつも家で設定するより、かなり熱い。
でも、慣れると体の芯から温まる。
大きな湯船と高い天井。
たっぷりの湯量と、女たちの笑い声。

銭湯、なんだかいいな。
こんなに近くにあるのに、全く利用しようとしていなかった。
家のお風呂は改装して新しくなるというのに、
もしかしたら、私は銭湯通いを始めるかもしれない。
身体が冷えない距離にある我が家までの道のり、
「ここにオープンカフェなどあって、
ちょっと寄って冷えたビールかシャンパンが飲めたら、最高だな」
などと考えながら、足早に家に戻った。




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