英語と日本語



2012年9月27日(木)

約1か月前から、あるニューヨークのお客様と、
メールのやり取りが続いている。
取引のお話である。

必要があって、日本語に直した。
往復書簡の和訳である。
英語が得意でない(と思われる)方に読んで頂く必要が出てきたからだ。

内容はビジネスに関することなので、
日本語訳の質、つまり自然な日本語になっているかどうかは脇に置き、
内容を正確に、かつ迅速に訳すことを心掛けた。

一度に受け取るメール文が、非常に長い。
一番長いメールで、1100単語、5300文字もある。
ビジネスの重要かつ細かいことまで記されているため、
どの部分も端折れない。
早く訳して渡さなければ、でも誤解のないようにきちんと訳さなければ、と
かなり焦って訳した。

で、四日前に送ったその和訳を、再度読み直してみた。
やはり、ぎこちない日本文である。
『直訳日本語』というあれである。
誤字脱字もある。
まぁ、仕方ない。
ネイティブの高度な英語を、辞書を引き引き訳したにしては
なんとか流れのある文章になっている。

その和訳を読み終わってみると、
ぎこちない日本文にもかかわらず
すっきりと、爽やかな感じがした。
理由は分かっている。
常に主語、目的語がはっきりしたまま文書がつながっているからだ。
それによって導かれる動詞も、その二つの名詞の関係をより鮮明にさせる。

長年英語に携わっていると、
このことが日常のストレスをかなり軽減してくれることが分かっている。
反対に、それらが明確ではない会話や文章に触れると、
「それは、誰が、誰にやってもらったの?」と
常に探ったり問い詰めたりしなければならない。
日本語は、話したり書いたりしているうちに、
それが長くなればなるほど、主語や目的語、動詞さえ変ってしまって、
内容が逸れたり、不鮮明になる。
そのことで、私の頭は疲れてしまう。

以前このブログで、「私の思考は曖昧だ、焦点が絞れていない」などと反省した。
それは、まだまだ改善されてはいないのだが、
こうやって英文を日本語に直したりしてみると、
私の日常会話やメール分は、
日本語においても、かなりしつこく
主語、動詞、目的語をはっきりさせているのではないかと思う。

日本語としては、少しクドイかもしれない。
このブログは会話ではないので、そのへんは曖昧な文章も多いと思うが、
特に仕事でメールの文章を書くときは、
誤解が生じないように、主語、動詞、目的語をはっきりさせる。
そこまで言わなくても伝わるだろうな、と思っても、書く。
勢い、英語の直訳文のようになる。
加えて、文章はなるべく短く、端的に、というのを目指しているから、
実は送信する前に何度も見直して、修正や削除を繰り返して、
結局時間がかかっている。
きっと、神経質な人だと思われているだろう。
それは、全く構わない。
不明点があったり、誤解が生じて、何度もメールをやり取りするより、
ずっと効率的だからだ。

本当は、メールのやり取りは、すべて箇条書きで終わらせたい。

・件名: ご都合伺い (MTG希望)
・希望日時
  ●月●日 ●時~●時
  ●月●日 ●時~●時
  ●月●日 ●時~●時
・希望の場所: 無 そちらに合わせます。
・MTGのテーマ: Lady GAGAの激太りとダイエットの経済効果
・ご返信待つ。
・以上

こういうメール、憧れる。
簡単で、時間のロスが少ない。
余白が多くて、読みやすい。
一目で要件が分かる。
そう、電報のような文章。
これが一番いい。
文字数に課金されたら、きっとこうなるのだろうか。

といいながらも、今日も「平素は大変お世話になっております」から
メールを書き始める。
季節のご挨拶なんかもちょっと入れたりする。
丁寧語をあちこちにちりばめ、
「~~させて頂きます」の大安売り。
そして、文章はだらだらと長くなる。

いつの日か、メール箇条書きが当たり前にならないかなぁ。
でも、文字ごとに課金されたら、、、
それは困るなぁ。。。





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