空からの贈り物



2012年9月20日(木)

昨日の夕方、6時少し前、
東京日本橋は人形町にいた。

用事を終えてビルを出たら、
見上げた雲が、夕日に美しく染まっていた。


立ち並ぶビルの間から覗く黄金色の雲は
一度に心の緊張を溶かす。
立ち止まって、しばらく空を見つめていた。

車に気を付けて、時折空を見上げながら、水天宮の駅に向った。
人形町通りに出る。
その瞬間、空が全く別の表情を見せた。

虹だ。
優美に大きく弧を描いている。

いつ振りだろう、虹を見るのは。
もう覚えていないくらい昔のような気がする。
あぁ、本当に虹色だ。
どうか、消えないで。しばらく見せて。

夢中でiPhoneのシャッターを押した。

液晶と空と交互に見ながら、
私はもっと虹に近づいていきたい衝動を抑えた。

虹の端が、あんなに強く光り輝いている。
ああ、このビルたちの向こう側に行きたい。
あぁ、大きな雲がかかってしまった。
右端がかすかに光を放つ。
もう、これで見えなくなるのか。

大きな雲がゆっくり風に吹かれて退いていった。
再び現れた虹は、もう光りが弱まり、消え入りそうだった。
それでも虹は、優美なままだった。

この後また大きな雲が虹を覆い隠し、
そして虹は全く消えてしまった。

きっと、これから私に、すばらしく幸せなことが起こるのだろう。
そんな風に思える虹だった。
ありがとう。



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