自由



2012年7月28日(土) 27;40 NY時間

昨日、自由の女神を見てきた。

前回見たのは、25年前。
貧乏学生だったため、自由の女神像のある島には渡らず、
そのそばを通る往復25セントのフェリーに乗って、行き帰りに眺めた。
それでも、とても感動した。

今回は17ドル払って、ちゃんとそばまで行ってみた。

女神というにはがっしりした男性のような右腕が、
高々とトーチを揚げている。
その雄々しい姿に、アメリカの独立精神の強さと気高さを感じる。
25年前と違うのは、自由の捉え方。
若い時は、権力や慣習、文化から解き放たれることを自由と感じた。
しかし、今回は「心の自由」こそ、私たちが一番尊重しなければならないものだと感じた。
心の自由は、ほかの誰でもない、自分自身がコントロールしている。
無意識にだれもが何かで心を縛っている。
その縛っているロープを一つ一つ発見し、解いていって、
やっと大人として自立し、本当の自由を獲得できるのではないだろうか。

自由の女神のあとで、新しいワールドトレードセンターの
建設中のビルを見に行った。
昔のビルより高いものを作っているらしい。

いろいろな経済的理由もあるのだろうが、
なんだか痛々しい、ヒリヒリした気がする。
なぜこんな高いものを、再びこの場所に作らなければならないのだろう。
テロに対する挑戦か。プライドの誇示か。

犠牲者でも、その遺族でも友人でもない私が
こんなことを言う権利は全くない。
ないが、あえて言いたい。
この場所には、「許し」を象徴するモニュメントを作ってほしかった。
テロという行為は全く許してはいけないし、今後絶対に起こってはいけない。
しかし、それを指示した犯人、実行した犯人を許すことをしなければ、
犠牲になった魂の真の鎮魂は得られないと思う。
犠牲者は、残されたものに決して「悲しみ、恨み、復讐」の気持ちを
持ってほしくないと思っているはずだ。

この高いビルを建てることによって、
再び心の自由を縛るロープを増やしてしまっているように思えて
仕方がない。





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